「私と同じように仕事しなさい人間」は損する
色んなチームと仕事していると、たまにタイトルのような人たちに遭遇します。
・立ってるだけで、ほとんど動かない
・食後の排泄介助は、他人任せ
・先頭に立って仕事しない など
「私こんなひと達の仕事の仕方、納得できません。私と同じ時給くらいなので、同じことする必要はあると思います」
確かに一理あります。介助者によって、サービスの質が変動するのは、あってはならないし、利用者に不利益を与えてしまう可能性もあるでしょう。
しかしよくよく話を聞いてみると、根底には、自分と同じように動かない人が許せない、自分が大変なのにアナタは楽してるといった「相手をコントロールしたい感情」を正当化するために、「利用者へのサービスの質」で意味を補完しているように感じます。
「私と同じように仕事しなさい人間」は、自分の感情の正しさだけで福祉の仕事の価値を測っているため、超勿体ない‼︎損します‼︎
では、何故損するのか、丁寧に考えていきます。
▼福祉の仕事のモノサシを整理する
福祉の仕事のモノサシは3つから成り立っているとと考えていて、まず最初は、態度、知識、技術の福祉の基本原則です。例えばバイスティックの7つの原則があります。
次に業界毎のベーシックな考え方があります。
このベーシックな考え方は、時代により変動します。新しいエビテンスが発表されれば取り消したり、加えたりすることで、アップデートが図られます。
例えば、精神薄弱者→知的障害者とか痴呆・ボケ→認知症などの言葉の表現の変更であったり、訓練・指導→支援など考え方や携わり方であったり。
最後に、事業所や経営者によって、大切にしたい価値観や作っていきたい社会的なつながり、つまり理念があります。
福祉の仕事のモノサシは、「原則」「ベーシック」「理念」で成り立っているんです。
▼自分のモノサシは自分にあてる
「私と同じように仕事しなさい」発言をする人は、まず自分のモノサシを取り出しがちです。
結論、相手を測りたい=指導・注意するときは、自分のモノサシではなく、「福祉の仕事のモノサシ」で測るのが先なんです。
自分のモノサシは自分にあてる方が最適なんです。
つまり、「自分と同じ仕事しろ」と言っていい相手は、「自分と全く同じ知識」「自分と全く同じ技術」「自分と全く同じ体力」な人だけ。
だって、そうじゃないです?自分のコピーが隣にいて、同じことしてないと腹立ちますよね?
▼損する理由=楽しさを測れないから
例えば自分のモノサシだけで、他人を測ることを繰り返し、自分と同じ人間を量産できたとしましょう。
では量産できた人たち10人集めて、毎月BBQしようってなった時、ここに「毎回期待できる新たな楽しさ」生まれます?
全く同じ得意、同じ動きであれば、回数を重ねる毎に効率は良くなることはあっても、創造は限界が必ず来ます。
BBQって、色んな得意が集まると最高に楽しめるものです。設営が得意な人、食材選びの目利きのいい人、片付けの気が効く人、音楽鳴らしてムード作る人。
BBQは、チームで仕事するのと同じ意味合いを持っています。
福祉は、正しいよりも楽しいを作る仕事です。
とかく「同じことを同じレベルでやれ」と非難する神経は持ち合わせると損しかないですよ、といったお話でした。
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