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Baseでオンラインショップを立ち上げた話

ネットでお店を作るならbaseというCMが一時期youtubeなどでよく流れていた。
今はShiroteeというブランドで私もそのサービス上でショップの運営をしているが、最初に使ったのは私がiRashというバンドをやっていた時だった。

iPadを買ってから絵を描くことを趣味としてはじめ、バンドの曲のジャケットのための絵などを書いていた。
バンドというものはライブをやれば物販をし、なんとかライブ費用を稼ぐのが慣習で、例に漏れず私のバンドも物販をしようということになり、そこで私が書いた絵をTシャツにして売ることにしたのがきっかけだった。
ちなみに1着も売れなかった。

大学のサークルなどでよくオリジナルTシャツを作るので、インターネット上で画像だけ送れば簡単に発注できることは知っていた。当時発注したところが偶然にもBaseと連携することが可能な会社で、Tシャツを作るついでにBaseにも出品することになったのだった。

しばらくして私は仕事を理由にバンドを引退し、あまりこれといった趣味のない生活へと戻った。
それから何をきっかけにだったか今では覚えていないが、Tシャツをちゃんと売ろうと思い新しいブランドを立てることにした。元々副業には興味があったので、きっとそういった理由だったんだと思う。

新しく始めた時にはBase内にTシャツを作って販売するサービスが実装されていて、特に別の会社のサービスと連携しなくとも良くなっていた。ただし、Baseのサービスを使って作ると単色のTシャツしか選べなく、別の色のデザインを売ろうとすると、別の商品として扱われるため少し使い勝手が悪かった。

だったら白いTシャツに絞ってしまえということで、ブランド名自体も「Shirotee」にした。そんな安直な、と思うかもしれないが意外とSEO的にもライバルが少なく、検索で上位に来やすい名前になった。
もちろん他にも同一の名前で活動されている人はいて、最初はそのコンテンツに負けていたが、SEOはなんとか工夫して今では検索すれば一番上に来るようになっている。

ショップを立ち上げてから商品化を進めた。
私の描く絵のジャンルとしては、デジタルアートだけれども油絵っぽいテイストのもの。iPadの画面上に描いたそれらをシンプルにTシャツの前面にあしらったデザインからスタートした。
こんな感じに。

雨の日

結果といえば、まったく売れない。それどころからショップに訪れる人すらいない。ここで初めて気づいたが、店というのは人の目に触れるのが一番大事だということ。実店舗なら道ゆく人の目に触れて集客することもできるが、オンラインショップとなるとそうもいかない。自分でSNSなり口コミなり何なりでとにかく集客しないといけない。

そこでinstagramとTwitterを始めた。
描いた絵を載せたりしてみるが、ちょっといいねがつくくらい。
まるで集客につながらない。
これを育てるのはなかなか簡単なことではないなと思った。

急ぐ必要はないということを知った私はコンテンツの魅力について見直すことにした。今は絵がただプリントされただけのTシャツになっているが、Tシャツになったことによってそこにはさらなる要素が生まれることに気がついた。
絵はキャンパス上に完成された姿そのものだが、Tシャツというのはキャンパスよりもさらに広い。そこに文字を入れることもできるし、配置を工夫することもできるし、組み合わせることも、ブロック状に分割することもできる。

そんなことを思って色々な試行錯誤をした。
こんな感じでブロック状に分割したり、文字を入れたりといった具合だ。

カウアイ島

多少良くなったかなと思ったが、一方で世の中にあるTシャツってどんなデザインだったかなというのも気になった。ネットショッピングサイトで見てみると、僕のように絵を全面に押し出したようなデザインもあるが、意外と多数派ではなかった。ブランドものはたいていブランドロゴだけだったり、ブランド名だけだったりする。絵のジャンルで言えば線画の類が結構多くみつかった。

そういえばTシャツというのは無地でいいとかなんとかお洒落な友達が言っていた。絵を載せたいがその主張が激しすぎて着るものとしてのデザイン性が損なわれるのはよくないのだと考え直し、私も線画の世界に足を踏み入れることとした。

それで描いたのがこれ
描いた前日にワインソムリエの免許を持っているらしい女性にワインの手ほどきを受けたので、題材にさせていただいた。
作品としては結構気にっている。そしてこの路線はアリだなと思いこういう画風の作品を手がけていくことにした。

亜麻色の髪の乙女

ある程度アイテムが揃ったところで、また集客に立ち帰ることにした。
必要なのは商品の魅力を伝えることと、欲しいと思う人の目に触れることであった。
ちょうど私にはインフルエンサーとして頑張っている大学の後輩がいた。
それとは別にMr.Japanという謎のコンテストにチャレンジしている大学の同期もいた。
彼らはサークルのつながりで友人関係であったが、運よくそう言ったつながりが私にはあった。
その2人に声をかけTシャツのモデルをやってくれないか頼んだところ、二人は幸いにも快く受け入れてくれた。

スタジオはネットで適当に探して四谷の1時間3000円くらいのところを借りた。
元々私はカメラの趣味も持っていたので、自前の一眼レフがあった。
とはいえスタジオ撮影は初めてだし、モデルも撮られることに対して慣れているわけではない中始まった。

ここでわかったのが、音楽の偉大さ。
小恥ずかしい雰囲気も、ノリの良い音楽をかければ解消されて、ポージングだとか笑顔も引き出すことができた。
あとは何気ない会話をしながらシャッターを切るようにしたら自然な一面を捕らえることができて、カメラマンとしてのスキルも一段上がったように思う。

撮影はとにかく楽しかった。

そんな二人のおかげでモデル月の写真が出来上がり、商品ページもそれとなく出来上がってきた。広告用の動画も作れて、モデルの二人にも宣伝してもらった。
そのおかげで数件の購入はあったものの、劇的にPV数が伸びることはなかった。

なぜなら彼らの得意領域と私の商品の関連性が小さすぎたからだと思う。
インフルエンサーの女性はグルメ路線で活躍していて、フォロワーも男性メイン。
Mr.Japanを目指す彼はモチベーションを発信する路線で、体育会系。
ちょっとお洒落なTシャツに魅力を感じるフォロワーをターゲットにすると考えると、そのPR先としては最適ではないことは明らかだったということですね。

だから失敗だったかと言われると決してそういうものではなくて、本来届かない人の目に触れることが重要であることは確かだし、結果として売上につながった事実もある。そして何より僕はまた二人と撮影をしたいと思っているのだ。
Tシャツの販売よりも、彼らとの関係性の方が何よりもかけがえのないものであることも言うまでもない。

彼らからSNSについてのアドバイスももらったし(全くいかせていない)、付加価値についても意見をもらった。その中で面白いと思ったのだが、SDGsに配慮した商品であることを押し出すという内容だった。

これは主にUSでの呼ばれ方ではあるが、所謂Z世代の環境への関心はとても高い。
一般に使われる綿花の栽培にはやはり化学肥料や農薬などによる水や土壌への負荷が大きく、衣類を作ることには環境への影響を伴うのは事実としてある。
そんな中、オーガニックコットンと呼ばれる有機栽培の綿花のみで作られた生地が存在することを知り、Shiroteeではその生地でTシャツを提供する「Orgabits」社のTシャツを採用し販売している。
私自身も環境への関心は高く、次に精力を注ぐのであればそう言った分野がいいという思いもあってこの案は大変ありがたかった。
Shiroteeの商品が売れれば、オーガニックコットン生産へと一部利益が寄付される仕組みとなっている。

さて、今後のShiroteeの活動だが私のやるべきことはすでに決まっている
・SNSで発信し続けること
・絵を描きデザインを考え続けること
・色々な人とコラボ商品を作っていくこと

終わりに、
Shiroteeのブランドを将来的にどうしていきたいかという思いは正直言って特にない。ただし、自分が作ったものが人の手に渡っていくことについてこの上ない喜びを感じる経験をしたことで、これからもそう言った経験を重ねていきたいと思っていることが大きな原動力となっている。
能動的に動くということは新しい発見や喜びをもたらしてくれる重要な考えだと思う。
これからもそう言った活動をしていきたい。

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