「掃除が面倒な人」「すぐ動ける人」の違い
家事についての本を6冊出している。
仕事柄、さまざまな人の”家事事情”を聞く機会が多く、わかったことがある。
それは「頑張っているのに掃除がはかどらないタイプ」と「苦労せず息するように掃除ができるタイプ」の人がいるということ。
昔、友人と4人で飲みに行ったときのこと。
当時、わたしは結婚したばかりで、そのお祝いにと友人が集まってくれた。みんなで会うのは高校生のとき以来で、近況から他愛のない話までいろいろ盛り上がったのをよく覚えている。
そのとき、掃除が面倒かどうかという話になった。
「掃除は面倒だ」と答えたのはわたしと友人一人。
今でこそ家事について著書があるけれど、当時は引っ越しの片づけがまったく終わらず、足の踏み場もない部屋に住んでいた。
残るふたりは「なんで? 掃除すればいいじゃん」と答えた。
それができないから面倒なんだ、と思ったし、二人にとってはどうして掃除が面倒じゃないのか、とても不思議に思えた。
その後も、「掃除したくない」という人、逆に「掃除なんて当たり前で息をするようにできる」という人にたくさん出会ってきた。
掃除が面倒だと感じるのには、いろいろ理由がある。
たとえば、部屋が片づいていないと、片づけてからはじめなければいけないから億劫になる。「この汚れにはどの洗剤!?」と掃除方法がわからなかったり、必要な道具が家になかったりすると、調べたり用意したりする手間が増えて億劫になる。
けれども、部屋が片づいて、掃除について調べなくても良い環境づくりと、必要な道具を揃えておくことも済ませても、やっぱりわたしにとって「掃除は(ちょっと)面倒」で腰が重い。
すぐに掃除に取りかかれることもあるし、延々と先延ばしにしてしまうこともある。
そう考えてみると、どうやら「環境づくり」「仕組みづくり」だけではない要因があるようだ……。
これまで、さまざまな人に家事についてヒアリングしてきた経験から、人にはそれぞれ”家事への取り組み方”における、生来もった気質のようなタイプがあることに気づいた。
それを設問にして導き出しやすくみたのが「アニマル家事タイプ診断」というもの。
(↑ 結構当たってる!と好評でありがたいです)
わたしが感じた「掃除が捗りやすいタイプ」「捗りにくいタイプ」の答えも、ここにありそうだと思っている。
アニマル家事タイプ診断では、人それぞれのタイプをざっくりと3つ、細かく5つに分けている。
ざっくりの分け方:
動タイプ/ニュートラルタイプ/静タイプ
細かい分け方:
動タイプ(まっすぐな犬>身軽なリス)
ニュートラルタイプ(気まぐれ猫)
静タイプ(冬眠するクマ>慎重なうさぎ)
ここでいうと「動タイプ」は2人の友人のように、息をするように掃除にとりかかれるタイプだ。汚れが気になったらすぐに動くことができる一方、あれこれ考えたり、計画を立てると面倒になる。
逆に「静タイプ」は、もう1人の友人のように、掃除をするのが億劫でためがちなタイプ。「汚れてるなあ」と思っても先延ばしにしがちだけれど、自分に合った計画さえ立てることができればうまくいく。頻度を決めて手帳に書いておいたり、掃除のやり方を調べてまとめておいたりする工夫が効果的。
そしてわたし自身は「ニュートラル(気まぐれ猫)」タイプ。
このタイプが厄介で、同じ方法で掃除をコンスタントに続けることができない。やりたいことがたくさんあって、いろんなことに手を出しているので、持ち時間が少なくなりがち。
来客などで掃除の優先順位が高い場合や、掃除動画を見たりして”楽しい”と感じている場合には爆発的に動けるけれど、そうでない場合は計画を立てるほうがよかったり、逆に立てることで後回しにしてしまったり……。
そんなわたしは、掃除に対してこんな方針を持っている。
1.なるべく来客の予定を入れる
2.「必ず同じやり方じゃなくていい」と決める
3.掃除がしやすい環境作りは、つねにアップデートしていく
掃除を含む家事は、わたしたちの中で「やって当たり前」「だれでもできること」という認識がある。だから、ほかのことのように工夫をしていなかったり、できない自分を責めたりしがちだ。
でも、日々の生活の中では、大量にこまごましたやることがある。
しかも、家事環境は家庭によって千差万別だ。共働きで家事分担ができている家、パートナーからの協力がない家、”家事への投資"ができない環境、サポートするべき家族の有無などなど。
それに加えて、自分自身の体調や感情、持ち時間、家族の状況などは日によって違う。だから、コンスタントに同じ掃除ができなくても仕方がないのだと今は考えている。そのうえで、自分や家族が快適に過ごせるにはどうしたらいいのか。──その答えはきっと、家庭によってさまざま。
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