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「お前は欲張りすぎだ」と言った上司

ちょっとキョーレツなタイトルで恐縮です。
たまに思い出す上司の言葉、「お前は欲張りすぎだ」の意味。
今日また(何度目かわからないけど)思い出したので、書いておきたい。

どうして人は、批判されたことをいつまでも覚えているんだろう?
なぜショックを受けた出来事はなかなか忘れないのだろう…。
きっと、相手の善意と悪意を知りたい、真実か虚偽かという目に見えない答えを今も探しているからではないかと思う。

上司の言葉は私にとって、今でも忘れられない言葉の1つ。
なぜあんなこと言われたのか?ダメなことなのか?
一周回って褒め言葉だったのか?
たまに思い出しては迷想する。

* * * * *

言われた場面は、私が将来の相談をしたときだった。
全国転勤が多く、短いと2週間で移動。
1日18時間働き、繁忙期の12月は31日以外休みはない。
生理週間でも、休んでる暇はなかった。

心がなくなっていた。
「忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書く。上手いなと思った。

一方で本音は不満だらけ。

これ以上、自分の人生の時間を使う意味がわからない
今の仕事で行けるところまで行きたい気持ちはある
一人の女性としてこのままでいいのかという不安(出産、キャリアなど)
女性も男性も同じ勤務体系で、平気で深夜残業させる会社と上司への不満
いつも違う高そうなスーツを着ている社長
うわべだけ仲がよい組織の風土

1つ大きなプロジェクトを終えて、信頼している仲間に本音をぶつけた。
今の環境、周りに不満だらけなことを。
今の自分に納得していないことを。

すると、隣で聞いていた上司から言われた言葉。
「お前は単に欲張りすぎだ。」以上という雰囲気。
40歳すぎて日和見主義な印象の上司だった。
一般的には、世渡り上手で敵をつくらないタイプだろう。

はー。そうなのか、、と思いを巡らせる。
悔しいわけではなかったけれど、なんか違う気もした。
悲しくはなかったけれど、心に穴が空いた気がした。

話を聞いていた仲間は「もっと自分のために生きて」と泣いていた。

* * * * *

私は3年経った今でもたまに「欲張りすぎ」という上司の言葉を思い出す。
すぐ熱意が湧いたり、すぐ飽きたりする私に嫌気がさした言い方だった。
善意だとしたら「もっと感謝しなさい」という戒め。
悪意だとしたら「お前みたいにはなりたくない、なれない」という嫉妬。

真実はたぶんずっとわからないけれど、私は勝手に都合よく「欲張りすぎる」という性格をプラスに捉えたい。
もう少しだけ明日を幸せに生きたいというエネルギーだと説明したい。

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