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私のイチオシ「カンヌ受賞したポッドキャスト」

こんにちは。アライ@翻訳です。
(音声版でも配信しています。リンクはこちら

さて、前回の記事でもおすすめポッドキャストの一押しエピソードを紹介してきましたが、実は最近お気に入りのポッドキャストがなかなか更新されない状況にあります。
というのも、コロナウイルスによる緊急事態宣言などによって、収録や編集が以前の頻度で行えない番組が多いのか、ここ数カ月で最新エピソードがアップロードされていない状況が続いているようなのです。

そんな中、過去をさかのぼっていろいろな番組を聴いている中、今回は「カンヌ受賞したポッドキャスト」というテーマで、おすすめポッドキャストの一押しエピソードをご紹介したいと思います。

1.番組紹介

タイトルは「LifeAfter/The Message(ライフアフター/メッセージ)

From GE Podcast Theater and Panoply, The Message and its sequel, LifeAfter, take listeners on journeys to the limits of technology.
GEポッドキャストシアターとパノプリーが贈る「The Message」とその続編「LifeAfter」は、リスナーをテクノロジーの限界への旅に誘います。

これは、以前の記事でも紹介した企業ポッドキャストの1つで、アメリカの総合電機メーカーGE(ゼネラル・エレクトリック)と、ポッドキャストネットワークサービス会社のPanaply(パノプリー・現Megaphone)が共同制作したSF番組なんです。

最初のリリースは2015年秋。その約1年後に続編が追加され、最後のエピソードで制作後記が2017年の頭にリリースされています。

2.各ストーリーのあらすじ

番組には2種類のストーリーが収録されていています。

2.1. The Message(メッセージ)

In The Message, an alien transmission from decades ago becomes an urgent puzzle with life or death consequences.

政府機関が数十年に渡って解読しきれなかった異星人からの音声メッセージがテーマとなっているこのストーリー。

暗号解読のプロ集団とポッドキャスターが共に謎を解き明かそうと、音声を再生したとたん、あるメンバーが呼吸不全で倒れます。同時にこれがポッドキャストでも配信されたため、人類の生死にかかわる事態に。

登場人物の不可解な過去。最新テクノロジーがどうやって人類を救うのか。そして、そのメッセージとは何だったのか。

昔あった「宇宙戦争」というラジオドラマを思い起こさせる、SF番組です。
全8話で、合計2時間ちょっとぐらいで聴ける長さになっています。

2.2.  LifeAfter(ライフアフター)

In LifeAfter, Ross, a low level employee at the FBI, spends his days conversing online with his wife Charlie – who died eight months ago. But the technology behind this digital resurrection leads Ross down a dangerous path that threatens his job, his own life, and maybe even the world.

次のストーリーは、妻を亡くした夫が主人公です。
SNSアカウントに残された妻の声を毎日聴かずにはいられない夫ロス。ある日突然、イヤホンから妻の声が彼に話しかけます。

デジタル上で蘇った妻と、その裏に隠された危険なテクノロジー。死後の世界と繋がるために、どこまで人が犠牲になるのか。

映画「Her/世界でひとつの彼女」、「Ex Machina」、Netflixでも見られるTVシリーズ「Black Mirror」を彷彿とさせる世界観のストーリーです。

全10話で各エピソードは30分前後、5時間強で聴けるストーリーです。

3.おすすめポイント

おすすめポイントは3つ。

①カンヌ受賞したポッドキャスト
②企業ポッドキャストの成功事例
③フィクションの収録テクニックの違いが楽しめる

まず、カンヌライオンズでゴールドを獲得したポッドキャストという事です。実は私自身「カンヌ映画祭」と最初勘違いしていたんですが、世界最大の広告祭と言われるカンヌライオンズで「The Message」が、当時あったサイバー部門で入賞しています。

そして、それが企業ポッドキャストの成功事例とも言われている所が次のポイントです。リリース後、すぐにiTuneのチャートTop10にまで上り詰め、当時で4百万を超えるダウンロード数を記録したそうです。

そして、実際に実在する「デジタルツイン」というテクノロジーを元にストーリーが組み立てられてる事で、あまり表には出てこないGEのソフトウェア開発のアピールにも繋がる、巧妙なエンターテイメントに仕上がっています。

最後のポイントは、フィクションの収録テクニックの違いが楽しめる事。ちなみにそれぞれのストーリーで異なる方法を使っています。

まず「The Message」では、登場人物にポッドキャスターがいるんです。そのキャラクター設定があることで、情景をリスナーにわざわざ説明するという作業が不自然にならない工夫がなされています。

「LifeAfter」では、会話とは別に、主人公が見ている事や考えている事をナレーションで入れる、という方法をとる事で、リスナーが常に決まった主人公目線でストーリーを聴く設定がなされています。

この2つの手法は以前「イッキ聴きしたくなるポッドキャスト」で紹介した「Homecoming」という別のフィクションドラマとも違って、作り方も興味深い番組です。

最近、暗いニュースばかりで少し現実逃避したい、という時にもおススメなこのポッドキャスト。是非聴いてみてください。

それでは、次回のnoteで。

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