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二度目のイタリア・人が変われば場所も変わる?!(コンチキツアー1−15)

ずっと参加したかった、英語を使った国際ツアー「コンチキツアー」での思い出です。
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

太陽の登場

「太陽〜!久しぶりに見る気がする」
「入国した途端に太陽が出てくるなんて……さすがイタリア、ラテンの国!」

このイタリアから姿を現した太陽は、常連として姿を現し、私達コンチキツアーを見守ってくれることになった。

コンチキツアーで訪れるイタリアの都市は、オーストリアのインスブルックと違い、全て1回目のイタリア旅行でみゆと、ツアーで訪れていた(イタリアンイレブンを中心に書いた、11のイタリア旅エッセイも、ぜひお楽しみ頂きたい)。
ただ、どの都市もまだまだ訪れられなかった場所があったから、今回は前回行けなかった所も開拓できるのを、とても楽しみにしていた。

二回目のイタリア

ヴェニス、ローマ、フレンツェ、ピサ……。
幸い、コンチキツアーのそれぞれの都市での滞在時間は、日本のイタリアよりも長めだった。だから、一回目のイタリア旅行では行けなかった所も、コンチキツアーメイト達とたくさん散歩できた。

「ここ、親友が見たがってたの」
「それじゃあ、後から撮った写真、送ってあげないとね!」
共に、初めてのイタリアを訪問した親友みゆや、ツアーで仲良くなった方々に、当時を懐かしみながら写真やメッセージも送った。

目でも香りでも楽しめる、イタリア料理

一回目のイタリアでは、日本人向けにガーリックがだいぶ控えめにされている印象があったが、今回のコンチキツアーが使用したレストランやホテルでは、ピザにもパスタにもガーリックがふんだんに用いられていて、ますますイタリア料理の良さが活かされていた。


特に、フィレンツェ郊外のトスカーナの村でのディナーは、美味しい空気と色鮮やかな野菜、料理が絵になり、このツアーでのイタリア料理のハイライトだった。

古代歴史ガイドの英語リスニングに挑戦

欧米の人々も古代の歴史に強い憧れを抱いているようで、ローマの紀元前の遺跡「フェオ・ロマーノ」では相当長い時間、詳しい説明が入った。
グラディエイターやカエサル、クレオパトラを想像しながら、炎天下の中一生懸命英語の説明を聞いたが、相当専門的な単語の連続で難しかった。

「Rina、今のはつまり、カエサルの心情を説明していたの」
「Rina、日本語のチラシ見つけたよ!これ見ながら、歩いたらいいよ」
「ここ!グラディエイターで例えたら、序盤の部分だ」

少し混乱した表情をしていたのか、ツアーメイト達が私を気にかけ助けてくれたおかげで、初めてのイタリア訪問で聞いた古代ローマの説明をなんとなく思い出せたり、おぼろげに理解できたりした。
それぞれの都市の奥深さを知ると同時に、ツアーメイトとの絆が更に深まったのも、イタリアだった。

体調不良者続出も、何のその

「どうしよう……熱が38°をこえちゃったみたい」
「大変だね!私、薬持ってるよ」
「そういうベスも、声、どうしちゃったの?」
ツアーは早くも後半に入り疲れも出たのか、たくさんのツアーメイトが、過多な行動から声が出なくなったり、熱が出たりした。
毎日を心から陽気に楽しんでいたカナダのコニーの熱と、夜になるとますます元気が増す、オーストラリアの華やかなベスの声枯れは、特に深刻だった。

「大丈夫?私も今夜はホテルに残って、まったりしていようかな」
「ダメだよ、Rina。みんなで楽しめるローマの夜は今日が最後だから、絶対一緒に、町の中心に遊びに行こう!」
ルームメイト・ジュリーはディナー後、私を一人にして出かけることは全くなく、イタリアでも彼女の誘いで気付いたら、ディナー後は毎日外出していた。

「うーん……なんか私も、このままだと声枯れしそうで心配なんだけどなぁ」
「Rina〜、ホテルに残ったらつまらないよ?私、これ位の声枯れには慣れてるし、今夜も遊びに行く!」
「私も、解熱剤を飲んで最後まで、ローマもフレンツェも楽しみ尽くすわ!Rina、どこも悪くないのに一緒に行こうよ」

どんな状態でも、彼らは観光を休むことも、ナイトライフを休むこともしない。
「どうなってるの?このバイタリティー……!」
私の心配など無用だったかのように、具合が悪かったベスやコニーも、ディナー後、溌剌としたメイクアップ姿で共に町へと繰り出した。

ラテン民族の代表国・イタリアのバー&クラブ

タクシーと地下鉄に乗って、郊外からローマやフィレンツェの中心部へと向かった私達。
「yeah!今僕らが乗ってる地下鉄は、あのローマの地下鉄だよ!」
ビデオ撮影を始め、私達にも陽気にカメラを向けてくる、3人のティム三兄弟だった。

「世界で一番スリが有名な町で、撮影してて大丈夫なの?」
「世界一安全な、僕達ボディーガードが一緒じゃない!安心して、Rina。僕らは自由なんだ!」
「ティム2番、名言ね!Life is beautiful(人生は美しい)」
「あなたのも名言よ、ジュリー!」
治安が悪いと言われていたローマの地下鉄で写真を撮るなんて、ますますスリに遭う危険が高まりそうだった。でもコンチキツアーメイト達と一緒だと、危なげなく楽しめていた。

ローマでもフィレンツェでも、バーやクラブには地元のイタリア人はもちろん、世界中から集まった血気盛んな若者が集結していた。
しかもそこは、ラテン民族の代表国、イタリア。
情熱に圧倒されていたのは束の間、私もますます陽気になって行った。
「言語は違うけれど、ブラジルと似たものを感じるよ。この曲も僕、大好き!」
ブラジルのガルシアは、序盤からあっという間にイタリア人と見分けがつかなくなり、ほとんどバーカウンターではなく、ダンスホールで踊り狂っていた。

「ほら、Rinaも踊ろう!」
バーカウンターでジュリー達と騒音に負けずお喋りしていたら、ガルシアが私達を誘い込んで来る。
さすが、サンバの国・ブラジルで育ったガルシア。
どんな曲でも、とても楽しい気分で踊らせてくれる。
あまりの熱気に、喉が乾くのも早い。

新しいニックネーム「Nina」

「アペロール・スプリッツだった?飲みやすいね!」
「アメリカーナっていうカクテルもあるんだって。アメリカ人として、頼んでみよっと!」
「私も飲ませて、ジュリー」
「もちろん!わ……Rina、そろそろNinaになって来たね!」
ツアーメイト達から、アルコールでますます陽気になった時、私は「Nina」というニックネームをプレゼントされた。

「もう、Ninaになったね。君の顔、今日も最高のワイン色!」
「そんなに赤い?お姉ちゃんをからかわないで、ルイス!」
アルコールで顔がワイン色に染まりだすと、ジュリーやオーストラリアの弟・ルイスをはじめ、
「RinaがNinaになって来た!」
と、コンチキ内でしか分からない表現で楽しまれることになった。

陽気なカオス

場がますます盛り上がると、情熱的な現地のイタリア人とコンチキツアーメイトのような旅人達はますます混じり合い、飲んでいた私達もいつの間にか、円陣の輪の中に入れられていた。
グラスを置き、私達は円陣を組み、掛け声に乗ったり、応援歌のような即興的な歌を熱狂的に歌ったり、踊ったり。まさにカオスだ。
この、イタリアのどこまでも陽気な「カオス」を、私はツアーメイト達や現地のイタリア人達と五感で味わった。

魅惑の国、イタリアの美しい芸術、奥深さは、歳を重ねる事に今後、ますます知り深めて行けると思う。
ただ、コンチキツアーメイト達が一緒だったからこそ感じられた、現地人と旅人で作った陽気なカオスは、あの時しか味わえなかった気がする。

再訪こそ、旅の御酸味

二回目の場所や、すっかり慣れた場所でも、その時、そこに居合わせたメンバーだからこそ作り出せることがある。
コロナの脅威が去ったその時、再び色々な人達と、色々なシチュエーションで、世界を、日本を、再訪しよう。

#イタリア #ローマ #イタリア料理 #コンチキツアー #カクテル

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