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浅田真央サンクスツアーは伝説。異例づくしのサンクスツアーが尊い理由

先週、ギリギリ千秋楽前に、浅田真央サンクスツアーを見に行ってきた!「こんなことやってくれるスケーター、もういないだろうな・・・」と思ったので、思わずレポ。

ちなみにサンクスツアーとは、現役引退を発表した浅田さんが、「真央さんが滑ってるところまだ見れてないよ・・・!」と惜しむファンに、感謝の気持ちを届けるために全国を回って、これまでのプログラムを披露する!とファンにとってはキュン死しそうなプロジェクト。アイスショーのチケットって結構高いなか、「家族数人でも見に行けるような値段に」と、チケットの値段も通常の1/3くらいに抑えた、すごく良心的なファン感謝イベント。

では、さっそく!!!


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高校の部活の応援並みの距離で浅田真央が観れる?!

今回、何よりも驚愕したのは、会場だった。スケオタ未満、しかしにわかファンよりは以上である、を自認する私が最後にフィギュアスケートの試合を見に行ったのは、2019年の世界選手権@さいたまスーパーアリーナだった。ビヨンセのコンサートとか、スポーツの国際大会をするような、日本最大級規模のスタジアム。

ほかには、スターズオンアイスっていうオリンピックのメダリスト達が共演するアイスショーを、これまた大きな横浜アリーナに見に行ったり。

言わずもがなだけど、浅田真央さんはそういう場所のトリを飾るようなスター選手なので、「浅田真央が滑る」=で、そういうアリーナを、無意識に想像していたのです。でも、前日に行き方を調べてはじめて、「あれ、『埼玉アイスアリーナ』ってさいたまスーパーアリーナじゃない?で、このスタジアムはどこに?」とネットで検索。そこではじめて、それが、県のスポーツセンターみたいな施設であることを知ったのだった。

ちなみに、さいたまスーパーアリーナ↓

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埼玉アイスアリーナ↓

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この時点で、「???」と少し不思議に思いつつも、あまりその意味を理解しきれず会場へ。しかし、会場入って5分でその違いの意味をようやく理解した。(遅?!)

スケートの試合やアイスショーに行ったことがある人ほど、会場に入って目に入る光景に、「え、こ、こ、こ????この距離で見れるの???」って感じると思います。ちなみに驚愕のあまり、席から撮った写真です👇

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うぉぉぉぉぉぉ。

ちなみに、さいたまスーパーアリーナでいえば、S席、A席、B席、Sの上のプレミアム席という席ランクがあって、プレミアム席なんて転売サイトで買ったらチケット一枚10万なのですが、サンクスツアー@埼玉アイスアリーナは、末席的なランクの席(5千円)でも全席スーパーアリーナのプレミアム席相当でしかないという、観客にとっては嬉しさ以外何者でもない状況なわけで・・・!
( ;´Д`)

画像はさいたまスーパーアリーナからお借りしましたが、会場の箱の小ささにより、「赤線で囲った『プレミアム席』の近さの観客席しかそもそもなかった」ということですね、今回。。。

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そして、やっぱり、近いってすごかった!

これまで何度か競技会やアイスショーに行ったことはあっても、現地でそんなに細かく演技が見れたこととかって、なかったんですね。だって、豆粒なんで。。。

でも、サンクスツアーは、本当に、テレビで見てるくらいのズーム感で見れました。表情も体の動きも、上から見下ろすのとは全然違った。いや、プレミアム席ってすごいんだなぁ、10万払っても試合でも一度このクラスの席で観戦してみたい・・・!!!そう思うほど。

今までもこれからも、もうこんなことをやれてやってくれるスケーターはいない

ショーが始まってから、ただの一観客に過ぎない私は(そこまで熱狂ファンではないはずなんですが...)、ずっと泣いていた。暗闇とマスクでよかった、と思いながら。自分がなんで泣いてるのかわからなかった、でもそこにいることに泣く・・・というんですかね。なんかいろんなことを、思ったから。

会場は、浅田真央一色だった。公演前には、リンクに設置された大画面に、浅田真央さんがコンテンポラリーダンスを踊っているストナのCM映像が流れていて、その真っ白い服で踊っている姿もオーラが凄くて。

(コマーシャル用の声とかは商品は入っていない、シンプルにコンテンポラリーダンスとしてだけの映像が流れていて、とても雰囲気があって素敵だった...)

他にも真央さんがCMしてる、ストナとかエアウィーブののぼりもポスターもスタンドも、アイスリンクの通路にズラリと並ぶ(そりゃ、ここぞとばかり宣伝するよな!って感じ笑)。

他にも真央さんがCMしてる、ストナとかエアウィーブののぼりもポスターもスタンドも、アイスリンクの通路にズラリと並ぶ(そりゃ、ここぞとばかり宣伝するよな!って感じ笑)。

・・・当たり前だけど、誰もがこんな終わり方、できない。

競技人生の幕引きに、自分の名前を冠したショーを座長として全国を回るって、スケーターとしてはこれ以上望めない最高の終わり方。

それだけ求心力があって、3年も全国ツアー続けても全公演でチケット完売の興行を成立させられる選手って、「日本のフィギュアスケートの一時代のトップスケーター」だけでは足りないくらいで、そのなかでも長く時代を牽引して世の中の注目を一心に浴びてきた国民的なスター選手じゃないと、できない。真央さん以外だったら、羽生選手とか安藤美姫さんとか、それくらいの人じゃないとそもそもそんな試みすらできないと思う。

でも逆に言えば、そんなことできる稀代のスケーターって、各県のスケートリンクで手作り感溢れるショーをやるような地道な活動しなくても、スターズオンアイスとか、プリンスアイスワールドとか、一流のスケーター達が共演する花形アイスショーの主役として、1曲2曲だけソロで滑るってことが、いくらでもできるじゃないですか。

現役引退後のフィギュアスケーターとしてのパスって、ワールドクラスの実績があれば1回数百万でアイスショーに出て、オープニングとフィナーレ以外は1曲か2曲滑って終わり──そういうものですから。

そういうショーは、一緒に滑る相手も選りすぐりの世界的な名スケーター。ほおっておいてもきっちり合わせてくるプロばかりで、演出も会場もショービズのプロが手がけ、ショーとしての格も高くて、華やかで、美味しくて、楽しそう。

「たった一夜の引退公演」の代わりに

でも、それに対してサンクスツアーって、全っ然違うんですよ。チームMAOとして公演に参加するスケーターは、日本の代表を目指してしのぎを削ってきた選手も1〜2名いるものの、ほとんどはそうじゃない、習い事としてスケートをやってきて今はインストラクターをしている、みたいなメンバー。

プルシェンコを相手役に日本を代表する大きなアリーナで一度だけ引退公演をする代わりに、「これまで滑ってきたプログラムをメドレー形式でつないで、これまで応援してくれたみんなに観てもらう」って想いに賛同してくれるジュニアのスケーター(年齢ではなく技術的に)を公募で募って、オーディションして座長としてまとめてあげて、技術や状態にも気を配って興行をするって、信じられないくらい泥臭い話で・・・

もっと楽な生き方いくらでもできるだろうに、それに身を捧げてくれる尊さっていうか。。。

それが「やりたいこと」であるという人の、魂の高さというか。。。

みんながトップスケーターの集団ではないので、自分が引っ張らなくてはショーにならないというのは真央さん自身が誰よりもわかっている様子で、ちょっと引っ込んではすぐまた出てきてくれます。

MC的な途中差し込みの映像に、「真央ちゃんの圧倒的出演量!」「もう、それはしょうがない!笑」って無良くんとの掛け合いが一度映像で流れたけど、ホントにそんな感じ。でもそれって、すごいんだよ。「ザギトワ来るんだ、やったー!」ってスターズオンアイス行っても、ザギトワ滑るの2時間で2曲くらいですからね。w

開始10分間くらい自然と流れる涙が止まらなかったのは、なんかボーッと雰囲気に酔った頭で感動していた。でも後半に行くに連れて、ロジカルさが追いついてきた頭で、浅田真央のソロパートが続く毎に別格なまでの凄みをひたすら感じるにつれて、「こんなこと、やってくれるなんて・・・」ってそういう全部に感動した感じだった。

それを全国津々浦々で、200回もやってくれる、って

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私が見たのは198回目公演だった。千秋楽まであと5回だとか。利益が出ないような格安料金設定で県のスポーツセンター回って、経験の浅いメンバーの分まで自分が盛り上げるって出ずっぱりで80分間滑り続けて、自分の体にムチ打ってそれを200回もやってくれて、そうすることで全国に「感謝を届けたい」って──なんて愛なんだ。

200回の公演と収容人数だけ人の人生を照らして、その空間を一緒に作ったスケーターたちの人生も照らして、すごい女神。

最後に、真央さんが3年かけて200回やったサンクスツアーのマップを。こんなこと、もう誰もできないよーーーー!!!

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