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演劇は好きですか? 高田由紀子「オン・ステージ!」

 こんにちは、もしくはこんばんは。秋野凛花です。

 今日は読書記録、第2弾!

 というわけで早速参りましょう! 今回私の上げる本は……こちら!

高田由紀子「オン・ステージ!」(ポプラ社、2021年)


 というのも秋野、児童書が大好きでして……。

 中でもこれは最近の児童書の中で、一番お気に入りの作品なので……ぜひ語りたかった……!

 というわけで、レッツゴー!


あらすじ

 主人公、舞城ひかりは中学一年生。特技は妄想トリップ! まだ見ぬ中学生活に妄想を膨らませながら入学したのも束の間、ある日彼女は空き教室で、古い台本を見つける。そこに現れたイケメンの男子、一色瞬……彼の正体は、ユ○レ○!? ひかりは彼に脅され、しぶしぶ演劇部に入部することに……。


 ……と、あらすじの時点で既に面白いんですよね〜。

 ひかりちゃんの特技が「妄想トリップ」という点にとても共感できますし(私もよくやります……笑)、男女バディ、ユ○レ○っていう少し不思議要素が入ってくるのがとても素敵です✨

 丁度私も「舞台系の小説が書きたいから、少し参考にしようかな」と思っており、軽い気持ちでこれを買ったので、読み終わった後は偶然でいい本を見つけてしまった〜! と、大歓喜しました笑


個人的面白ポイント

 あらすじの部分でも述べましたが、まず、男女バディという面がいいんですよね……。

 ひかりちゃんは動く側、瞬くんは陰からそれを支える。瞬くんは一見、ひかりちゃんをいいように扱って、自分の成仏の為に動かしているだけに見えるのですが……それでもひかりちゃんの気持ちを大切にして、ひかりちゃんが「楽しい!」と思えるようにしている、という関係性がとても……!! いい……!!

 ……いや、成仏の為にこき使っているというのも……間違いではないか……笑

 瞬くんは家で演劇の自主練習をするひかりちゃんに、いわゆる「鬼指導」をしていきますが、そこに演劇に対する真面目さ、真剣さ、情熱を感じることが出来るから、ひかりちゃんもそれに答えようとする。本気になるって、楽しい!! と教えてくれているような気がします。

 あとはひかりちゃんが可愛い。(完全に秋野の趣味!笑)

 演劇に対するトラウマを抱えつつも、瞬くんや友達や演劇部員の皆、そして何より自分の為に、演劇に向き合っていく姿勢がとても健気です……。

 たまにそれがから回ってしまったり、上手く行かないことも多くあるけれど、それでも諦めない姿勢。とても素敵な女の子です!

 アサダニッキさんのイラストも相まって……本当に可愛いですし、どのキャラも魅力的です……。(部長の白石先輩、霊感を持つ玲子先輩、超イケメンの東條先輩、親友の奈々ちゃん……挙げていったらキリがない!)

 更に、作中で出てくる演劇の台本は全て、高田由紀子さんのオリジナルなんですよ!!

(3巻のあとがきからの情報です)

 台本の内容は本編の人間模様やキャラたちの心情とリンクしており……等身大の演劇に、本を読んでいる私たちも、その演劇にあっという間に魅せられてしまいます。 

 何よりその台本が面白い……小説の中で物語を2つ楽しめるって、お得ですよね!笑


 まだまだ語りたいことはありますが、とりあえずこの3点のみで……。


ネタバレを含む感想

 ここまでで、「この本読んでみよう!」と思ってくださったそこの貴方は、念の為ここでそっとページを閉じておきましょう。

 ……。

 はい!! 語ります!! 笑


 いいですか!?


 ……はい、今度こそ語ります!


 2巻の最後でひかりちゃんが東條先輩に告白されてしまった時はどうなるかと思いましたが……(しかもひかりちゃん、満更でもなさそうだった……)。

 1巻と2巻で何だかんだイイ感じだったひかりちゃんと瞬くんは付き合わないのか!? というか瞬くんユ〇レ〇だから、ラブ展開にはワンチャンいかない……? 瞬くんは生霊に逝かされかけるし(日本語が……)、もうどうなってしまうんだ!?

 ……と、本当に最終巻は文字通りハラハラドキドキしながら読んでいました……(もちろん、演劇の市大会の結果にもドキドキしましたよ? 恋愛ばかりを考えてるなんて、そんなこと……あります、すみません😅)。

 結果的に市大会金賞。瞬くんも実は生霊で、きちんと強い意志で自分の体に戻ってひかりちゃんの前に戻って来てくれた時は……涙腺が緩みました……。

 触れる! ってひかりちゃんが驚いているシーンが一番好きで……。そうだよね、ずっとこうして触れたかったんだもんね、好きな人だもんね……って少しクスッとしつつも本当に、心底大好きで泣けてきました。

 良かったね、ひかりちゃんに瞬くん。

 二人の未来に幸あれ!!

最後に

 3巻で終わってしまったのが本当に惜しい作品です……。でも生きているうちに最後を見届けることが出来たのが良かった……。

(いつも最終巻が辛いときはこう言い聞かせるようにしているのです……)

 ひかりちゃん達に出会えて本当に良かったし、何より演劇がもっと好きになりました。機会があれば演劇とか見たいな……劇団四季とか……後生の為にも……なんて思えた作品です笑

 後悔はさせないので、ぜひこのnoteを読んで興味が出た人は読んでみてくださると幸いです!! 「オン・ステージ!」はいいぞ!!

2巻

3巻

 それでは最後に、私の好きなこの作品の煽り文句で締めたいと思います。

「違う誰かを演じて、新しい自分に出会う。」

 矛盾のように思えて、でも真理を突いた、そんな素敵な言葉だな、と思いました。

 

 それでは今回はこの辺で! また次の記事でお会いしましょう!

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