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📖読書記録📖月の商人

読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は、女性が「幸せと成功」を手に入れるための秘宝を小説形式で綴られた一冊をご紹介したいと思います。


●今回ご紹介する本『月の商人』

犬飼 ターボ 著
マザー出版
2019年1月26日 初版発行



今回ご紹介する『月の商人』は以前ご紹介した『星の商人』の続編となっております。


物語は、女奴隷として生きるミーナが仲間の奴隷たちにより起こした主人殺しの騒動に巻き込まれるところから始まります。

騒動の中を逃げ惑っていると、ミーナは崖から落ちて気を失ってしまいます。

ミーナが目を覚ますと、そこはマルマラという町にある元大商人と呼ばれた賢者の屋敷でした。

賢者はミーナが奴隷だと知っており、主人殺しの罪に問われていることを伝えます。

そこで賢者はミーナの免罪金と保釈金を立て替える代わりに、1年の猶予期間で
その倍の額を返すことを提案します。

実際ミーナは主人殺しの騒動には加担をしていなかったものの、奴隷だった彼女自身が自由になるにはその道しかありませんでした。

そこからミーナは、賢者の教えを受けながら借金返済のための商売を学ぶ生活が始まりました。



「成功する者は、どうしたらうまく行くか考える。成功しない者は、自分を責める。(中略)自分責めをやめて、自分育てをするのじゃ」

『月の商人 商売の1歩目p25』より


これは商売の勉強を始めて間もない頃、奴隷として生きてきたことで自分を卑下をする考え方になったミーナに語りかけた賢者の言葉です。

起きてしまった物事を反省するのは大切なことです。だけどいつまで経っても自分責めをしていたら、そこでずっと立ち止まったまま。とにもかくにも、まずはどうすれば良いか考える。

そうなるにはどうしたらいいか、賢者は教えます。

それは「自分が何者かであるか」ということ。

これは私なりの解釈ですが、例えば自分は商人だと位置決めをしておくと、たくさんある道の中で商人ならどれが最適な道か判断しやすくなって、そこからどんどん行動していくようになるということかなと思います。


また、この作品は前作の『星の商人』同様、商売についての心構えや成功する秘宝が語られていますが、今作はあくまで「女性」をテーマにした作品でもあり、女性が商売をする際に起こりがちになる問題点を踏まえた内容も盛り込まれています。

他者と一緒に始めた事業での売り上げた金額山分けがあやふやになったり、儲かる事で罪悪感を感じたりと私にも身に覚えがありすぎる内容にグサグサと刺さりました_:(´ཀ`」 ∠):ガフ…

作中でミーナは賢者や商人仲間の女性たち、市場の人たちの協力を得ながら商売を学んでいきますが、スタムという商人の青年に出会うことで物語が大きく展開していきます。

果たしてミーナは1年間で賢者との約束を守り、奴隷の身分から自由の身になれるのか。

また、何気ない会話が伏線に繋がったり、前作の『星の商人』との時系列が繋がっていたりと読み応えのある作品でした。

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