見出し画像

もっと、子どもの話を聞きたい

私が保育士になってしたかったこと。保育士になった今もしたいと思っていること。

「せんせー!」と呼ばれた時に「はい、なあに」と立ち止まって耳を傾けたい。

「せんせー見て見てー!」と言われた時に「はい、見てるよー」と言って、最後まで見届けて、にっこり笑って「できたね」と言いたい。

「せんせー一緒にやろー」と言われた時に、「うん、一緒にやろう」と言って遊びたい。そのうち仲間が増えて、私のことを忘れるまでは付き合いたい。

泣きながら「せんせー」と言ってきたり、人知れず泣いている子のことはすぐに気が付いて声をかけたい。

なんでもない話でも、誰でもよくても、たまたま私がそばにいたからでも、とにかく話しかけたいと思ってもらえたら、いくらでも聞きたい。

「ちょっと待って」「今はできないんだ」
は、言いたくないけど、言わなきゃいけない時が多くて、嫌だなと思う。

学童で働き始めたときに、よく知らないおばさんに話を聞いてほしい子がこんなにもたくさんいるのか、と知って驚いた。

たくさん話が聞けるようにと思って資格を取ったけれど、資格を取ったら他にしなければならない仕事が増えた。あれ?なんでだろう。一か所に集中しないで全体を見て、と言われたりもする。「せんせー一緒にやろー」と話しかけてきた子に「ごめんね、今は一緒にできないんだよね」と言いたくないことを言わなきゃいけないことが増えてしまった。あれ?おかしいな。

もちろん事故予防のため、危険回避を意識していることは大切だと思う。でも、未来に気を取られすぎて今が疎かになるのは本末転倒ではないだろうか。工事現場の監督みたいに、子どもと距離を取って安全確認だけに目を光らせているのは、奇妙な光景に思えるのは私だけだろうか。せっかく複数人職員がいるのだから、もっと良い方法があるはずだし、その違和感をためらいなく発言でき、話し合える関係性の職場で仕事がしたい。

せっかく保育士になったのだから、なりたい保育士になれるようにできる限りの努力をしようと思う。

だって、やっぱりどう考えても、「話を聞いてほしい」「こっちを見てほしい」という目の前の子の要求に、あとでじゃなくて「今」応えることは、とても大切なことなんじゃないかと思うから。

これからも、少しでも「子どもの話を聞く」時間が増えるように工夫して働きたい。


いただいたサポートは、2022年8月から個人で行っている、子育て支援活動の資金にさせていただきます。地域の子育て中の人たちが交流する場所をつくっています。