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どうすんだ親-3~ずっと寝ている母

前回までの話はこちら→

…こんな感じで、掃除をするにも洗濯をするにも、その前に道具が壊れて使い物にならなかったりして、何倍も労力を奪われる…ということを繰り返しながら、時間が過ぎていきました。

この仕事がいつまでも終わらない…という流れは永遠かと思えるほど続くんだけど、もう書くのも疲れたので、ここまでにします。

私が家事に奮闘している間、父・母は何をしていたのか?

母はほとんどの時間寝ていました。
(父のことはまた別の機会に)

母は昨年、認知症と診断を受けました。認知症にはいくつかの種類があるそうです。私は母が認知症になり初めてそのことを知りました。認知症=アルツハイマーと思っていましたが、違うのです。母はレビー正体型認知症と診断されました。

認知症の診断が下るまでの間、母はうつ病じゃないかと自己判断し、そしてメンタルクリニックでもうつ症状があると言われ、家族もうつなんだなと思っていました。

その時の症状としては
・便秘になる
・何もやる気が出ないと言う
・口を開けば心配事ばかり話す
・人との距離感がおかしい(近しい人になればなるほど、触れんばかりの距離に近づき、どうしようどうしよう…と後をくっついてきて離れない)
・変な歩き方をする(両手を前に出して、小刻みにちょこちょこ歩く)
・眠りに入る時に叫ぶ
・寝ていなくても叫ぶ

↑症状が出てきた順番に書きました。

母の場合は最初に便秘になって、下剤のようなものを処方され、それが効きすぎて下痢になり…薬を飲まないとまた便が出ないので、不安になり…というのを繰り返しながら、徐々にうつ症状が出てきて…という感じでした。

便秘の薬やうつが改善する薬のを飲み続ける事半年以上。
私は父母と離れて暮らしていて、盆暮れに帰省するという距離感でした。一緒に暮らす父から母の様子を電話で聞いている限りでは、まぁ病院も行ってるし気長に見ていくしかない。母は若いころに自律神経失調症になったこともあり、これまでもこういうことは何度かあった、大丈夫だ、ということでした。(私はここから先、父の「大丈夫だ」は大丈夫じゃないと実感していくことになります…)

しかし半年ぶりくらいに私が実家を訪れ、寝食を共にした際、私が感じた母の様子は、父から報告を受けていたものとは少し違っていました。私から見ると、母の症状は全く改善されておらず、それどころか私の眼にはだんだん悪くなっているように見えました。

「寝ていると声が出るんだ」
ということは父からも電話で聞いていました。

私が実際に会って聞いた母の声は、最初は寝言なのかな?という程度でした。

ソファーでうつらうつらしている母が突然「おーい」と言いました。あぁ、父が言っていた「声が出る」というのはこれかな?と思いました。一度で終わったので、そのままにしました。すると間隔をあけてまた「おーい」と叫びました。繰り返しながら、だんだん声が大きくなっていき、「おーい、おーい、おとうさーん」と父を呼び始めました。こちらは寝ていると思っているので、少しそのまま様子を見ましたが、「おとうさーん、おとーーさーーーん!!」と最初は寝言っぽかった発音も徐々にはっきりしてきて、声もはっきり大きな声になってきたので、「お母さん、お父さんはいないよ」と声を掛けました。すると黙ったので、「お母さん起きてるの?」と聞くと「起きてる」と言いました。「なんだ、寝てるのかと思った」と言ったことには返事はなく、目をつむったままでした。

そして、しばらくするとまた同じことを繰り返すのです。その声はだんだん激しく強くなりました。何度目かに「お母さん、そんな大きな声で叫んだらびっくりするよ」と私が言うと「声が出ちゃうんだ」と言いました。「寝てると声が出ちゃうんだ」と言うのです。「じゃあ、寝るのをやめたらどう?さっき起きてきたばかりで朝だし」と私が言うと「でもこうやってると楽なんだ」と言います。「そうか…楽なんだ…じゃあ仕方ないか…」と言って、何もやりたくないと言っている母がそれをしたら楽ならさせてやる方が良いのかな?などと考えて、また様子を見ることにしました。

そんなことを日に何度か繰り返しているうちに、母の叫び声は徐々に長くはっきりとしたものになっていきました。

…今回はここまでです。

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