ビジネスの未来を考える3冊 -自立を促すソーシャル・ビジネス-
ソーシャル・ビジネスという概念
10月10日(日)、朝5:30から、モーニング読書会にて『メガトレンド』を読みました。メインファシリテーターはhiroさん、私はサブファシリテーターとして参加しました。今回のテーマは新興国のトレンドでした。
今回印象に残ったのは、ソーシャル・ビジネスという言葉です。『メガトレンド』にあったのは、グラミン銀行とダノンの例です。バングラディッシュの貧困層を救うためにムハマド・ユヌスが設立したグラミン銀行とフランスのヨーグルト会社ダノンが共同で事業を起こし、地元の雇用を創出し、ヨーグルトで栄養失調から人々を救ったという話でした。注目すべきは、この事業によってグラミン銀行もダノンも配当金は得ないことです。ソーシャル・ビジネスは、地元の人たちの自立を促すことのみを目的にしたビジネスだということです。
Z会の『テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]」には、グラミン銀行創設者のムハマド・ユヌスの講演が掲載されています。グラミン銀行とダノンが共同で事業を興した経緯がわかります。『メガトレンド』よりも詳細に書かれており、参考になります。
ビジネスの未来 -資本主義の是正-
世界規模の格差問題をみると、資本主義的ビジネスの恩恵に預かれなかった地域や人々に目が行きます。
そもそも資本主義はどのようにして始まったのか。諸説あると思いますが、世界規模で分業体制が確立したころだとも言われています。『近代世界システム』の著者、イマニュエル・ウォーラーステインは、中核・半周辺・周辺の3地域に分け、分業体制を説明します。中核国が周辺国に工業製品を売り、周辺国が原料・材料や換金作物を中核国に売る、というような分業を世界規模で行います。この分業によって中核国には富が集中します。
この分業体制はいまも続いています。この分業体制の負の側面を是正には、どうすればよいか。施しを与えて富を再分配するのも一つの方法でしょう。しかし、その方法では、施すものと施されるものの固定した依存関係を生み出しやすいと考えられます。そう考えると、人々の経済的自立を促すソーシャル・ビジネスという発想が必要だと思いました。