見出し画像

自戒②

横井也有の『鶉衣』に「嘆老辞」があります。リンク先の全文に目を通すとわかるのですが、歳をとってしまうと友達は亡くなり、若い人たちと楽しもうとしても若い人たちの流儀がわからず、身体も衰え、若い人たちから疎まれている様子をみると、上手に老いることの難しさを感じます。

しかれば、人にもうとまれず、我も心のたのしむべき身のをき所もやと思ひめぐらすに、わが身の老を忘れざれば、しばらくも心たのしまず。わが身の老を忘るれば、例の人にはいやがられて、あるはにげなき酒色の上に、あやまちをも取出でん。されば老はわするべし。又老は忘るべからず。二ッの境まことに得がたしや。(『鶉衣』「嘆老辞」)

『徒然草』『ラ・ロシュフコー箴言集』『鶉衣』を読んでみて、昔の人は年寄りを尊敬しているイメージだったのですが、そうでもなくて驚きました。それと同時に、人生の引き際を見定めることの難しさも実感しました。

この記事が参加している募集

推薦図書

最後まで読んでくださった方ありがとうございます。よろしければサポートいただけますと幸いです。本を買い、noteを書き続け、読書文化の輪を広げるために使います。