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3.私がラジオディレクターになった理由~夢を叶えた就職活動~

●はじめに

この記事は前回の「私がラジオディレクターになった理由~夢を馬鹿にされた高校生から夢に触れた大学生時代~」の続きです。
今回は就職活動の頃のお話を書いていきます。

●就職活動がスタート

いざ就活となると「どんな職業につけばいいのだろう」と悩みました。
できればラジオの道に進みたいけど、例年の採用を見ていても基本的にラジオ局は毎年採用はしていません。
就職留年できる余裕はなかったので、何としてでも就職はしなければいけない状態でした。
ラジオだけに絞るのはあまりにもリスクが高いことから、"音楽に関われる仕事"という軸にしました。
受けた企業は以下の通りです。

・テレビ局
・ラジオ局
・広告会社
・テレビやラジオ、広告の制作会社
・レコード会社

最初の頃は"音楽に関われる仕事"を幅広く探していました。
色々受けたり企業研究をした結果、後半は「ラジオの仕事ができないなら、編集業務をしたい」と思い、ラジオ以外はテレビのポスプロや技術職を中心に応募していました。

●なかなか受からない採用活動

最初は、エントリーシートを出しますがなかなか通りません。
先輩などの意見を聞きながら、ほぼ毎日書き続けること1ヶ月。
ようやくエントリーシートが通り始めます。

ただ次は、面接に行けても緊張して一次面接で落ちてしまう…
どんどん行きたい会社の選択肢が減っていきます。
でも途中で「これから働く会社なのに緊張しているようではダメだな」と思い始めました。
そして「とりあえず受かってからどうするのか考えよう」と思って就活をしていました。

就活を始めて3ヶ月、新卒で入った会社の入社試験が行われました。
面接は3回。すべて個人面談。加えて適性検査。
面接にも慣れ、あまり緊張することなく自分らしく話をしていました。(というよりこの頃は、受けてもどうせ受からないだろうという諦めも半分入っていました。)
いつもなら一次面接で落ちていたのに、入社した会社だけがトントン拍子に選考が進んでいきました。

そして最終面接をした数日後に電話をもらい内定をいただきました。

●受かってから…

内定をいただいた数時間前にちょうどもう一社、最終面接の連絡を受けていました。
受けてから決めようかなとも思いましたが、交通費もかかるので改めて内定をもらった会社と最終面接予定の会社と比べました。

〇内定をもらったA社
・大阪勤務(転勤無し)
・ラジオの制作会社(本社の子会社)
・ラジオ制作業務を担当する
・ADスタートだけど将来的にはディレクターやプロデューサーになれる
・ずっと聞いていた局のラジオを手掛けている

〇最終面接予定のB社
・東京勤務(転勤無し)
・テレビの制作会社
・テレビの編集業務
・好きな番組を手掛けている制作会社

ラジオの仕事ができる、地元である大阪で勤務ができるという理由から内定をもらった会社の方が良いと思い、最終面接を辞退しました。
しかし、時期的にこれから選考をするところも多く、内定後も何社か受けたい会社がありました。
会社側に相談したところ当時の採用担当者から次のような返事をいただきました。

採用担当者「新卒は一回切りだし納得して入ってくれる方がいいから気にせず受けても大丈夫」

お言葉に甘えて自分の納得がいくまで就活を続けました。

結局他の企業にはご縁が無く、そのまま入社することになりました。
ただもし聞いた時に「内定出したんだから他の会社は受けるな」と言われていたら「もし受けていたら受かってたかもなー」と後々後悔していたのかもしれません。

●就職活動で気になることや経験したこと

ここからは、就職活動をしていた時に経験したことや気になったことをまとめてみました。

就活中どれくらい応募した?

私の場合ですが以下の通りです。

・ネットなどでのプレエントリー:100社以上
・エントリーシート:50社以上
・面接:20社近く
・内定:1社

正直かなり多い方だと思います。
就活解禁日にジャンルや企業を絞らず手当たり次第プレエントリーした結果、翌日から約半年間、毎朝8時頃から夜の10時頃までメールが鳴りやまなくなりました…。
少し就活を休みたい日も絶えず就活メールが届くので、精神的に追い込まれます…。
ちゃんと絞ってからプレエントリーするのを強くおすすめします。


また、エントリーシートは最初なかなか受からなかったので「数打てば当たる」精神で毎日のように送った結果、後半は9割の確率で通るようになりました。
ただその結果、毎日どこかしらの面接に呼ばれ、もはやどこの会社を受けているのか分からなくなるという状況が発生しました…
待合室での先輩社員さんの話で業務内容を知るなんてこともよくありました。
ちなみに入社した会社も一次面接の控室で詳しい業務内容を知りました。

ラジオでの採用試験で何をアピールした?

「ラジオが学生時代から大好きだった」とアピールしました。
また「好きなラジオ番組は?」という定番の質問に関しては、私は過去に受けた会社が手掛けていた番組名を答えアピールしました。
ちなみにこの質問、受けてる会社が手掛けている番組を言った方がいいのかなと思っていましたが、採用担当者に聞いてみると、

採用担当者「好きな番組に関しては、もちろん会社が手掛けている番組名を言われれば嬉しいけど、他局の番組や過去に放送されていた番組でも問題ない。それよりもなぜ好きなのか、どのようなところが良いのかをしっかり答えられる方が重要」

番組名よりも好きな理由を重視して質問をしていたようです。

なぜ採用したのか聞きました

入社してから数年後、なぜ私を採用したのかを聞く機会があったので聞いてみました。

「適性検査の結果、求めている性格の人だった」
「最終面接で『一分間で自己紹介してください』といった結果、1分ぴったりで自己紹介したのが自分と同期だけで印象的だった」
「社長の出身大学が私と同じで数人で悩んだ時に推していた」

運や偶然もある気がしますが、このような回答をいただきました。
適性検査に関しては、"何があっても簡単に心が折れたりめげたりしない人"を探していたようです。

あとは面接でどれだけ印象に残るかどうからしいです。
一日に何人も面接していると、どんな人だったかだんだん分からなくなるようです。
ただ、インパクトがありすぎても落とす場合があるとのことです。

一次面接の際、個人面接ですが隣のブースで同時に面接が行われていました。
隣のブースでは面接官と就活生の間に共通の趣味があったようでとにかく大盛り上がり。
こちらは淡々と「志望動機」などを伝えていましたが、完全に落ちたと思いながら面接していました。

内定後、同期が一人いましたが、一次面接で大盛り上がりしていたその子の姿はありませんでした。
なぜその子を採用しなかったのか、数年後当時の採用担当者に理由を聞くと以下のような返事がきました。

採用担当者「すごく面白くてキャラもよかったけど、あくまで制作は裏方業務であってラジオで喋る仕事ではないから、今後一緒に長く仕事するとなると少し違うと思った」

どのような職種を受けるかや面接官によって考え方は違うので何とも言えませんが、私も他の企業ですごく面接が盛り上がったのに落とされることがありました。一概には言えませんが「仕事をするうえでの気が合うと日常的な会話をしていての気が合うは別なんだろうな」と思いながら聞いていました。

また、面接前後も会社の防犯カメラを見たり、控室の先輩社員さんが就活生の行動や様子をチェックしていたようです。
会社のすぐ外にある喫煙所でたばこを吸っていたり、控室で話していて一緒に働きたくないと思った人は不合格にしたようです。

就活中の変わった質問

「学生時代頑張っていたこと」「志望動機」などは定番ですが、私が色々な企業を受けていて一番衝撃だった質問がこちらです。

面接官「この色鉛筆を目の前にラジオのリスナーさんがいると思って1分間で説明してください」

面接官が持っていたのは、赤と青の色鉛筆でした。
必死で鉛筆の説明をしていたのが記憶に残っています。
ちなみに同じ面接官の面接を受けた他の就活生が聞かれた質問がこちらです。

面接官「好きなおにぎりの具は?」

ちなみにこの質問をしたのは、後の上司です。
数年後どういう意図でこのような質問したのかを上司に聞いてみたところ次のような返事が来ました。

変わった質問をした上司「仕事以外に雑談することも多いので、雑談レベルの質問に対してもきちんと受け答えできる人が良いなと思って質問していた。後は、普段採用活動をほとんどしないからどんな質問をすればいいのか分からなかった。」

もちろん面接官にもよりますが、一見変わった質問が飛んできても冷静に答えるようにしましょう。

●終わりに

結果的に、私は中学生の頃からの夢だったラジオのお仕事をするという夢が叶いました。
実際に5年間働いて毎日大変でしたが、楽しいことややっててよかったと思ったこともたくさんありました。
採用基準に関しては、会社によって違うので参考程度にご覧ください。

今回で「私がラジオディレクターになるまで」は完結です。
次回以降は、私の経験をもとに、ラジオ制作の仕事内容や求人の探し方、やりがいなどをご紹介する予定です。




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