自分の好きなことを
自分で選んで良かったことは、大学を辞めたこと。3年半以上いたけど、今思えばやっと自分の気持ちに気づいたり、守れたりしたのかも知れない。
高校の時、先住民の話に興味を持ち、自然をもっと知りたいと思って、農学部に進学した。
座学で学ぶ学術的な話。この時点で違和感があった。自分が学びたいのは自然の中で生きていく術。サバイバルとか自給自足とかそう言う学びをしたかった。でも、「せっかく入ったのだから」という思いや、「あと少し頑張ろう」との思いにダラダラと続けてしまった。
そして、大学4年目後期、研究が進まないことや他の細かい悩みが募り、大学を辞めることにした。
限界が来てたので、自分で選んだとは言い難いかもしれない。でも、何度も今の自分の思いを紙に書き出し、確かめ、多くの人に反対される中それでも辞めたのは、やはり自分で決めたと言っていいと思える。人が反対する中で、自分の感覚と考えを信じるのは大きな決断だった。
思い返せば、大学進学が決まった時、すでに進学を辞めたいと世話になっていた人に相談していた。とりあえず入学したが、何となく自分の気持ちを誤魔化していたのかもしれない。
今までも、自分の思いとは裏腹な決定を気づけばよくしていたと思う。
辞めてから、解放感で休まった。その後、今後の不安で、不安定な時期が来た。ちょうど海外旅行をしたい気持ちだったが、コロナ感染拡大の為、やめて。国内歩き旅に出た。何故国内歩き旅かと言うと、大学に入ってから、1番楽しかったのが1年目の夏休みを使った歩き旅だったからだ。
2月末、地元の子から「やりたいならやったほうがいい」と後押しをもらって、歩き始めた。雪が降ったり、とても寒かったが、歩いているうちに今までの自分の気持ちが自然と整理されていった。そして今また、自分の道を歩こうとしていると思えた。結局県外の友達に会いながら、600kmくらい歩いた。かつての歩き旅はよく車の人が乗せてくれて助けてもらったが、コロナもあって、全て自分で歩いた。富山から、四国を通って広島まで。そこで、自分の好きなことをやっていい。好きなことに力を入れて、そのことばっかり一生懸命考えていいと思えた。
そして、1人に飽き、寂しくなったので、歩き旅は辞めて、友達に会いに行った。茅葺屋根の萱を刈るバイトをしていて、自分も一緒にやった。そこで今まで会ったことのない知り合いができた。僕と同じように大学を辞めてから、自営業を始めた人、季節労働で生活してる人、インドに夢を抱いている人、好きな人を追っかけている人などなど。色々な価値観で生きてる人が当たり前のようにいた。自分がよくも悪くも特別ではなく、安心した。
バイトの後は、そこで出会った人の繋がりで山奥で生活しているという人に会いに行ってみた。高学歴だが、世の中に嫌気がさし、バックパッカーで世界を回ったりし、ゲストハウスを経営したりした後、山暮らしを始めたらしい。
今思えば僕のやりたかった、サバイバルや自給自足に近い生活だった。三週間でたくさん学んだ。
その後、山小屋でバイトしてみたり、山奥の学校の寮の舎監をやってみたり、している。山の暮らしに憧れて、かつ、人と関わりたいのかも知れない。
いつも手探りで、「今の自分に胸を張れるか?」と言われればまだ自信はない。今もまた少し立ち止まっている。でも、「大学ではなく自分の好きなものを」選んでから少しずつ変わって、少しずつ自分の夢や自分自身に近づいている気がする。だから、やっぱり自分で選んでよかった。
*大学を辞めることを勧めている訳ではないで、注意です。
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