後書き

『人形使いと夜の女王 ―学園を毒電波で支配してSNSで宣伝すればロケット小説を書籍化出来る説―』はこれにて完結となります。

最後までお付き合いいただきありがとうございました

はじめに伝えたいことなのですが、自作小説を宣伝するためにわざと記事を炎上させた、というコメントがありましたが私にそのような意図はありません。

あの記事を書いた時点でこの小説は影も形もありませんでした。記事に対して否定的な意見が届いたことをきっかけに小説を書き始めたのです。順序は記事→小説となります。

ここまで読んでくださった方ならばおわかりでしょうが、私が最初に投稿した「自作を宣伝しまくるラノベ作家に言いたいこと。批評を許さないラノベ作家に言いたいこと。」というタイトルの記事には否定的な意見が沢山届きました。

プロの作家や編集者からも「作家がSNSで宣伝して何が悪い」「作品を書いたことも流通に乗せたこともない素人の意見」「神様気取りのお客様」「出版業界にとって害悪」「寝言は寝て言え」「ただのアホ」と様々なコメントを頂きました。

中には「宣伝を不快に思う心理もわかる」「批評は自由のはず」「宣伝は編集の仕事で作家がやるべきではない」と肯定的なコメントもいくつかありましたが、割合で言えば9:1くらいの差があるでしょう。

様々なコメントが届きましたが、特に「批評は何も生まない」という意見にはとても憤慨しました。

この小説を執筆した目的は自作を宣伝しまくる作家への当てつけです。

怒りを糧にして、自分の作品を売ることしか頭にない作家を皮肉りたいがためにこの小説を作りました。

本来は自分の仕事のはずなのに、宣伝を作家に押し付ける怠慢編集者に対しても同様です。

小説のラストで人類が滅亡する結末にしたのも、滅びつつある出版業界を揶揄しました。

作家と編集者が自分の作品を売ることばかり考えて宣伝しまくり、かつ批評を誹謗中傷扱いして言論弾圧すれば出版業界は縮小する一方です。

多くのコメントを頂きましたが私の意見は変わりません。

過度の宣伝を行う作家は出版業界にとって害悪であると思います。

作品を批評する読者は出版業界にとってプラスであると思います。

私はこれからもラノベのレビュー続けます。買った作品が面白かったら高評価をつけます。つまらないと思ったらレビューで低評価を下します。

なんだかんだ言ってラノベが好きなので。

そして、今回はじめて小説を執筆しましたが書くのも結構面白かったです。四連休があったとはいえ20日で9万字近く執筆出来たのもその作業が楽しかったことが大きいです。

読む楽しさだけでなく書く楽しさもあるということを学べたという意味でも、記事にコメントをしていただいた方、小説を読んでコメントしてくださった方に感謝します。

それではこの辺でお別れです。さようなら。


〈2020.8.1追記〉

そもそも私の主張が伝わっていない、曲解されているのではという不安が浮かんだので改めて最初の記事を要約します。(私の文章力不足のせいですが…)

1.ラノベ作家が自作を宣伝しまくる

2.宣伝の効果によって初めてラノベを買う人が現れる

3.初めてラノベを買った人が「つまらない」という感想を抱いたとする

4.つまらないという感想を抱いた人が「これは自分に合わないというだけなのか?それともラノベってこんなもんなのか」と疑問を抱く

5.その点を確かめる為にネットでラノベの感想や書評を検索する

6.検索して出てきたのは宣伝ツイートや好評ばかり。否定的な意見や詳細な批評が存在しない。

7.批評が無いために自分に合わなかったのか、それとも自分が買った作品がハズレだったのかが判断できない。

8.その結果、初めてラノベを買った人が「この程度のものなのか」と作品と読者層を含めた業界全体に対して悪い印象を抱いてしまう。たまたま質の悪い作品を引いた人がラノベ全体をつまらないものだと勘違いしてしまう

9.この現象によって新規の読者層が入ってこず、業界全体が衰退していく

私はこの現象を危惧しているために「ラノベ作家は宣伝に頼らずに作品の質で勝負しろ」「読者にも批評をさせろ」と主張しているのです。

6の段階で批判的な意見や詳しいレビューを発見したのであれば「たまたまこの作品がハズレだっただけか」「主人公が弱いパターンを好む人もいるのか。自分には合わないだけか」とラノベに見切りをつける事態は回避できるはずです。その為にも読者の批評は業界にとって必要なはずです。

この現象は初めてラノベを買う人だけでなく、普通の読者にも当てはまると思います。

「このラノベがすごい!」「本屋大賞受賞!」といった大々的に宣伝されている作品を買って「つまらないな」と思った人が「一押しの作品がこれなら全体のレベルは知れているな」と思うのではないでしょうか。

作品を売る為に宣伝が必要という主張もわかりますが、作品の質を捻じ曲げてしまうほどの行き過ぎた宣伝は悪であると思います。作家は自分の作品を売ることばかり考えずに作品の質を上げろ、宣伝は編集の仕事なのだから執筆に集中しろ、と言いたいのです。

作者が「作品が売れなくなるから否定的な感想は書かないでほしい、合わないと思ったら何も言わずにブラウザバックしてほしい」と批評を封じ込めるのは自分で自分の首を絞めていると言いたいのです。

改めて言いますが「宣伝によってつまらない作品が売れる」という現象は業界を滅ぼします。

「面白い作品が売れる」という健全な業界にするためにも作家や編集は行き過ぎた宣伝をやめるべきで、読者も「面白かった」「つまらなかった」とレビューをどんどん発信するべきだと私は思います。

(8月27日追記)

予想以上に小説ページへのアクセス数が多くて驚いています。

せっかくなので小説部分だけを他の小説サイトに転載しようかと思います。

現時点ではカクヨムに投稿しようと考えています。誤字脱字の修正の他、読みやすいように章の統合も行いましたので、気になる方はそちらも読んで頂ければと思います。



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