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[番外編]ワンピースは、なぜこんなにも売れ続けるのか?

この世はビジネス戦国時代。の導入の参考にもさせていただいている、私の大好きな大海賊時代の漫画本『ONE PIECE』をマーケティング目線で見ていけたらと思います。

映画「FILM RED」公開記念、単行本5億部突破記念として、「なぜ売れ続けるのか?」「なぜ世界で愛されているのか?」を分析していきます。

その前に尾田先生はじめ、ONE PIECEスタッフの皆様ありがとうございます。そしておめでとうございます。これからも応援そして楽しみにしております。

*読者の皆様へ
ネタバレは基本含みませんので安心してみていただければと思います。


1:未知の謎が読者を惹きつけ、焚き付ける

ONE PIECEの主人公「麦わらの一味」にはそれぞれしっかりゴール(目的)があります。

モンキー・D・ルフィ:大秘宝ワンピースを手に入れ、海賊王になること
ロロノア・ゾロ:世界一の大剣豪になること
ナミ:自分の目で見た世界中の海図を描くこと
ウソップ:勇敢なる海の戦士になること
ヴィンスモーク・サンジ:伝説の海「オールブルー」を見つけること
トニートニー・チョッパー:「万能薬(=何でも治せる医者)」になること
ニコ・ロビン:空白の100年を知ること
フランキー(カティ・フラム):自分の造った船が世界の果てに達するのを見届けること
ブルック:グランドラインを一周し、ラブーンに再会すること
ジンベエ:魚人族と人間の和解

明確な目的がありますが、それを達成するために必要な「ONE PIECE(ワンピース)」が謎に包まれているのです。

ONE PIECEという物語の根底には、この[未知の謎]があり、読者に対して徐々に解き明かされるワクワク感や、考察し議論し合う楽しさを与えています。

「答えがわからないと知りたくなる」この人の心理をすごくついています!

*ツァイガルニク効果
達成できなかったこと、わからなかったことが記憶に残り気になる心理現象。
簡単にいうと、「最後までやり遂げたい」ということである。

そして、ONE PIECEでこの[未知の謎]をより引き立てているのは、尾田先生の巧みな伏線回収です。

謎は、人を惹きつけるとお伝えしましたが、謎が多すぎても、解決しすぎなくても求心力は減っていきます。

その辺がやはりうまいのが、ONE PIECEです!(尾田先生は読者を飽きさせません!!)

途中の物語で見せる伏線張りと伏線回収!
その結果読者は、伏線回収を楽しむだけでなく、自身で伏線を探すようにもなり考察を楽しむ読者も増えています。

各SNSで考察が議論され、考察の部分を見返す読者も増えてよりONE PIECEを楽しめるようになっているのです。(ONE PIECEファンが、違うファンを楽しませてくれるそんな状況が出来上がっています。)

それでも中々当たらないのが、この伏線なんですよね、、、
だからこそ、より考察隊は熱が入りますし、読者もさらに尾田先生の回収を楽しみになっているのです。

*尾田先生が意図としていない部分まで伏線として議論として使われていたりで、尾田先生に対する期待も伺えますね。

最近では、さらにONE PIECEファンを焚き付け、期待させる、こんな発言も、、、(実際ファンは大熱狂でした!)

25年が下ごしらえらしいです、、、。(マーケティングでいう土台設計に25年、、、すごい、、、)

これからのONE PIECEが一体どうなるのか熱狂すること間違いなしですし、当てに行きたくもなります。

ONE PIECEは本当に読者を焚き付けるのが上手なんです。

こういった、ファンマーケティングは今すごく重要視されています。

1*ファンマーケティングとは

熱狂的なファンを増やし、中長期的に売上を拡大させていくもの。
今の時代のSNSとの相性も凄く良く、しっかり導線を組むことで、 LTVは確実に向上します。

ファンマーケティングを構成するもの

①共感:企業理念、提供するサービス・コンテンツなどのコンセプトなど、顧客の共感を生むためには伝えていくことが必要不可欠です。しかし、それがしっかり伝わると購入前の不安が減り購買促進・シェア拡大にも繋がります。

②愛着:これまでブランドが歩んできたこと、泥臭さなどのブランドストーリーは離れ難い愛着につながります。また、顧客に伝えるだけでなく、何か体験を提供することができれば、より愛着は増してゆきます。

③信頼:ユーザーに情報や過程を公開することで、信頼につながります。事業を行う上で当たり前ですが、顧客と真摯に向き合うことが必要です。
ファンの信頼を一度失うと、悪い噂の方が早く伝わるので、目の前の利益より中長期目線で考えていきましょう。

より詳しい、熱狂的なファン「カルトブランディング」の作り方などに関しては以前の記事に書いていますのでぜひ読んでみていただければなと思います。


2:自由も弱点も誰しもが持っているもの

ONE PIECEの舞台は海賊と、今はなりたくてもなれない夢の存在。
知ってはいるけど、今はなれないそんな夢の生き方、夢の物語を擬似体験させてくれるものでもあるのです。

でも、なぜそれがここまで読まれるのか、愛されるのか、、、
それは、みんな自由を望んでいるからです。

作中でも度々登場する自由という表現。縛り(トラウマ・種族など)からの解放など数々表現されています。

めちゃくちゃ感動のシーンですよね。ロシナンテ大好きなんです。

実は、私含め読者の皆さんが望んでいる自由という夢をONE PIECEが表現してくれている、叶えてくれているのです。
それをどこか自分と重ね、「自分も大丈夫だ」と思えたりするわけです。

そんな、今の時代にはない遠い海賊という話だけどロマンがあり、みんなが望むそんな舞台設定が求心力を強めているんだと感じます。

そして、それをさらに強めているのが、絶妙なキャラ設定による親近感です。
「夢見たいな話×完璧な人間」であれば、達成して当たり前感が出てしまいますが、出てくるキャラクターには弱さ・弱点もあり、どこか重ねてしまったり・親しみやすくなったり・応援したくなったりするわけです。

しかも、その弱さも結構な頻度で出てくるので、キャラクターも成長しているんですが「変わらない弱さ」みたいなのがあって良いですよね。

ルフィ:悪魔の実の代償の金槌。そして素直で騙されやすい
ゾロ:方向音痴
サンジ:徹底的に女に弱い

などなど、各強いキャラにもそれぞれ弱い一面があり、その弱い部分を違う仲間が補い合うなど、仲間の絆もONE PIECEはファンを熱くする要素ですね!
(*友情・仲間の絆・ライバル、家族愛は本当に万人に響く感動の題材ですよ)

本当にONE PIECEは、笑いあり、感動あり、謎あり、高揚感ありなど全てが詰まった最高の漫画です!


3:現代とリンクするONE PIECE〜Dの意志〜

これが個人的にはONE PIECE最大の面白みです。
尾田先生はどこか現代のこれまでの歴史と、ONE PIECEをリンクさせているように感じます。そして読者である私たちに何かを伝えようとしてくれています。

世界の創造主であり、人を奴隷のように扱う「世界貴族、天竜人」
空白の歴史をひた隠しにし、知ろうとするものを消す「世界政府」
自由を追い求め戦い続ける「海賊、麦わらの一味」

『何が善で、何が悪なのか』についてとても考えさせられます。

そしてこれは現実の世界でそういった時代や国があった話です。

他にも世界の数々のリアルとリンクさせている話が多く散りばめられており、尾田先生の知識量というか頭の中には驚きを隠せません。

その中でも、度々登場する物語の鍵となる『Dの意志』について少しだけ話したいと思います。(あくまでも個人的な考察です)

結論『Dの意志』についてはわかりませんが、実はリアルにも本当に存在したということです。

それが縄文時代にあったとされる『Dの染色体』です。(戦国マーケターとして歴史を掘り下げます!)

通常染色体はX・Yしかみなさん知らないかと思いますが、実はそこからさらに遡ることが近年ではできているんですよ。

ハプログループの図

通常日本やアジアにはOやC系統が多いと言われていますが、その中でもD系統は縄文人や一部の地域(チベットやインドなど)しかみられない異質なものだったんです。(さらにいうと、D1b系統は日本国内でしか見つかってないんです)

日本だけに突如現れた遺伝子なのです。(これにより、これまでの研究が覆ったのです)

そして、このD1b系統の縄文人の特徴・縄文時代の特徴は、「争いのないこと・分け与えること」です。

長年争いのない時代を、Dの染色体をもつ縄文人は作り上げたのです。

そして話を戻して、ONE PIECEの『Dの意志』
尾田先生は一体この意志を本当の意味で継いでいるルフィに世界をどうして欲しいのか?
また、リンクしているのであれば我々読者にどんなことを伝えたいのか?

このONE PIECEの奥深さは本当に面白いです。

ただの王道のバトル漫画ではなく、考えさせられる漫画です。

だからこそ、若い世代だけでなく多くの大人も魅了されここまで読まれ続けているんだと思います。

ONE PIECEの完結を今後も楽しみに色々考えていきたいと思います。


4:最後に〜応援される人は感謝を忘れない人〜

色々書かせていただきましたが漫画の中身も本当に面白いですが、何より尾田先生の人柄こそONE PIECEを見たくなる秘訣なのかなと思います。

というのも、尾田先生は他の漫画家の方々にすごく感謝や敬意を表し漫画でそれを伝えています。

他の漫画家への隠れメッセージで度々話題にもなっているくらい、非常に伏線回収もですが、隠れメッセージみたいな遊び心が多い方です。

自分の今いる環境、ジャンプという世界で頑張ってきた漫画家仲間、押し上げてくれた方々に本当に感謝を忘れずにいる姿は本当に尊敬する限りです。

そして何より、地元熊本に対しての熱い思いを持っており、実際にワンピース像を置いて復興支援を願ったりしております(私自身も日本一周しているときに全部見てきました。ぜひみなさんも見てみてください!)

ルフィ像

その時その時に感謝しているからこそ、いろんな方が応援し、それが更に広がってより大きな輪になっていった結果が”今”なんだろうと思います。

そんな尾田先生だからかけるのがONE PIECEなんだと思います。

本当に色々大変恐縮ではありましたが、ONE PIECEへの想い、売れる理由、現実の歴史とのリンク、人柄など長く語らせていただきました。

何が言いたいかというとぜひみなさんにも見ていただければと思うのと、そこから色々少しでも感じていただけていただけたらなと思います。

届くかはわかりませんが、再度改めて尾田先生初めワンピーススタッフの皆さん本当にこれからも応援しております!

そして私自身も、頑張る人を心から応援し、人から応援される事業を築いていきたいと思います。

最後になりますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
今後も日々の発信や質問等はInstagramで受け付けているのでぜひ気軽にご連絡ください。

自分の思うゴールに自分らしく進んでいきましょう。
今のその環境に感謝し、関わってくださる方に感謝し成長していきましょう。
そうすれば、愛され成長し続けられる事業・人になります。
このビジネス戦国時代を勝ち抜きましょう!


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