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①「~というのは・~っていうのは」「~というと・っていうと」「~という~」必要? 不要な「いう」を削ってスッキリ文章・話し方

基本の文章

最終更新日 2024.04.09


読まれなくなったとはいえ、新聞は150年の歴史を誇る。新聞や雑誌を読まず、テレビも見ない。時代は確実にインターネット上のウェブメディアが主流となった。 

かつては電車の中で新聞や書籍を読む人の姿が見られたが、今では乗客のほとんどがスマートフォンを手にしており、笏(しゃく)を持つ貴族が椅子に連なり座っているようだ。 

旧マスメディアがスマートフォンやパソコンなどのデバイスに取って代わられたことは、電通が毎年発表する「日本の広告費」からも明らかだ。 

インターネット広告費は2009年に早々と新聞広告費を抜き、2019年にはテレビ広告費を上回り、2021年に初めて四大媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)を上回った。 

近代広告メディアの主役だった新聞は、技術の進化によりラジオやテレビが台頭し、やがてテレビにその座を明け渡した。そして長らく王者だったテレビもウェブメディアに抜かれ2番手となり、新聞は3番手以下に凋落した。

 しかし、新聞や雑誌はおよそ150年にわたり情報の信頼性や伝達力を高める基幹を担い、そのノウハウを継承したテレビは85年(NHK、民間放送は73年)の歴史がある。

インターネットに抜かれた新聞とテレビ

ウェブ7割でも確認のため裏を取る
ウェブメディアが普及していなかった時代の取材活動は、電話や書籍、図書館、辞書、資料提供、対象者との面談などを通じて情報を収集し、事実を確認していた。しかし最近ではインターネット上にある情報のうち、7割前後は基本情報を得ることが可能だろう。
 
例えば企業の本社所在地や社長名などはウェブメディアで簡単に確認でき、不明な用語も辞書を引かなくてもすぐに調べることができる。
 
それでも報道機関は、電話やメール、ビデオ通信、または直接当事者に会って情報の裏取りを行う。"そんなことネットに書いてあるだろう"と考えられるかもしれないが、ほとんどの情報がネット上で入手可能な今でも、ネットで得た情報を裏付けながら確認する。
 
倫理規定や広告掲載基準などのさまざまなルールに基づき、正確な情報を伝えるために訓練され経験を積んできた報道機関こそが信頼できるメディアといえる理由だ。
 
ウェブメディアのほとんどがビジネス(広告的意味合い)目的で使用され、情報発信も自由であり、個人でも可能なため、その利便性から市場の拡大が進展した。その一方で客観性や中立性が失われる。

本稿では主に、比較的接触しやすいテレビ番組などの会話を参考に、「重複表現」に焦点を当て、気付きやすいメディアから伝わる文章や話し方を考える機会の提供としたい。

▍書き方

逆三角形
①最も重要なのは最初に結論から書きだす(リード)、第一段落見出しで関心を寄せる
②次に大事なこと
③その次に大事なこと
④その次に大事なこと
⑤雑誌は、さらに背景や苦労話などを深く掘り下げる

逆三角形型の書き方

見出し(タイトル)
一般の文章は「起承転結」といった具合に経緯をたどって結論を最後に書くことが多いが、新聞記事はまっ先に結論を書き、その後に説明を加えていく。ニュース報道も同じだ。

的確にニュースのポイントを読者に伝えることができるだけでなく、記事を短くするときも後ろから削っていけば重要な結論を落とさずに済む。

  • タイトルや見出しは最初に目にする看板

  • 一目で目を引き、基礎知識がなくても理解されるよう見出しタイトルを見れば済むような必要な情報を盛り込む

  • 簡潔、分かりやすやすさの極致

リード
紙は限られたスペース、短時間で伝えるために分かりやすくなった。

①リードだけ読んでも理解できるよう工夫
②長くなり過ぎないよう220字以内を目途に
③本文との重複に注意を
④1節ごとに記述をまとめ、長文にならないよう気を配る

本文
5W1H
必ずしも六つの要素が含まれているわけではないが、読者目線に徹し、読者に対し持つ意味や値打ちも大切な要素だ。

読者が誰なのかを意識する

新聞やテレビは大衆メディアで、対象はオールターゲットだ。関心を持たれるテーマかどうかは別として原則、義務教育終了者でも分かるよう心掛けている。近年は高校進学率が上がったこともあり、少し事情は変わりつつある。

さらに、背景、経緯、特徴や差別点などを段落で分け、写真や図解、表、グラフの活用を念頭に。

分かりやすくコンパクトに情報を端的に伝える5W1H

①When いつ
いつ行われる(た)のか、日時、期間
②Where どこで
どこで行われる(た)のかの場所
③Who 誰が
登場する人、関係者は誰かなど、行為の主体者
④What なにを
行われる(た)のは、どんなことか
⑤Why なぜ
なぜ行われる(た)のか、背景、目的
⑥How 方法・量・価格
どのように行われる(た)のか。
量(How many)・価格(How much)

日付と文責者(所属や執筆者など)の表記で顔の見える情報へ
最近のウエブサイトでは、SNSは別として
①の「When」いつの情報なのか不明なものが多く見受けられる。
少なくともヘッダーやフッダーのいずれかに「2024年2月29日」のように年月日は記載してほしいものだ。
さらに文責となる所属名や執筆者名を記載すれば、顔の見える情報として、信頼性の向上につながる。

これら新聞やテレビ・ラジオのニュース報道が行う原稿の書き方だが、プレスリリースの書き方にも応用できる。


文章校正する際のチェックリスト

  • 誤字脱字

  • 文法間違い

  • 表記揺れ

  • 不自然な表現

  • 句読点の誤り

  • 漢字の誤用

  • ら抜き言葉(「見れる」「来れる」→「見られる」「来られる」)

  • 冗長な表現

  • 論理的な矛盾

  • 校正の際には、以下の点に注意する。

  • 文章全体の流れを考慮する

  • 書き手の意図を尊重する

  • わかりやすく、読みやすい文章にする

  • 具体的な校正方法は、以下の三つの方法がある。

  • 自分で校正する

  • 校正ツールを使う

  • 人に校正してもらう

  • 自分で校正する場合は、以下の点に注意する。

  • 声に出して読む

  • ゆっくりと読む

  • 句読点や漢字に注意する

  • 文法のチェックをする

文章校正は、文章の質を向上させるために欠かせない作業だが、上記の方法を参考に、自分の文章に合った校正方法を見つける。


本稿では、特に「冗長的」になりがちな「という」焦点を当てていきたい。

重複しやすい「という」

というのは っていうのは
という っていう

ということ(で) っていうこと(で)
というところの(を)
っていうところの(を) 

文章を書くときの基本は、分かりやすく伝わりやすくすることだ。
話し言葉も同様で、頭の中で考えた内容を文章にしていく。
中には声を出して書き起こす人もいる。 
過去の読み書きや会話、テレビなどさまざまなメディアから得た情報が、文章力や言葉遣いに反映されている。 
文章では同じ文言や言葉が何度も使用されることがあるが、口語ではさらにその傾向が強くなる。
重複とは、同じ物事が二度以上繰り返されることを指す。
蛇足(だそく)は、本来の価値や良さを損なう余計な物事や行動を指す。
冗長(じょうちょう)は、不必要に長く重複したり余分なものが多い状態だ。 

これらは小説や映画、ドラマ、漫画、シナリオなどの創作物を除けば、役に立たない場合が多いようだ。 頻繁(ひんぱん)に使うと文章や会話は長くなり、不明瞭になることも。「ようするに何が言いたいの?」となる。会議では、「半分の時間で済むんない?」と感じる話し方をする人は案外身近にいるものだ。 
一方で創作物では、繰り返すことで強調効果が生まれ、作品や登場人物に個性が生まれることもある。  

「いう」「言う」どっちを使う?

一般的に文章では「いう」「言う」の実質的な意味が薄れた場合に、平仮名書きか漢字に変換する。 

「という」を使うときは、
①強調したいとき
②伝聞か一般的に知られていない場合
③無意識に物足りないと感じ、勢いを付けるなど

推敲時に、なくても意味が通じるところは削るか他の表現に変えてみるといい。

繰り返して使ったり、同じ表現しかない文章は単調になるので、飽きられる。ボキャブラリーがない、語彙力(ごいりょく)がないと思われるかもしれない。
多様な表現力で、変化に富んだ文章・話し方は引き込まれるものだ。

例えば、
あっという間に 横浜という地域 こういう事態に そういうことはない
そういえば どちらかといえば
 

伝聞などでは、
~という ~いう というわけです といわれている といわれる
 漢字がの「言」が適切かどうか迷ったら平仮名書
といえども いえども 

本稿では主に、比較的接触しやすいテレビ番組などの会話を参考に、「重複表現」に焦点を当て、文章や話し方を考える機会としたい。 

重複・冗長的表現を削ってスッキリした文章・話し方に
同じ用語を繰り返しやすいのは「いう」を盛り込んだ言葉だ。
っていう ということで っていうことで
というところの(を) という部分の(を)
っていうところの(を) っていう部分の(を)

伝聞も交じると次のようになる。
というわけです といわれている といわれる 
…など、「いう」を織り交ぜた言葉は度々使われる。
会話は自由でいいが、使用頻度が文章にも反映されるので気を付けたい。 

「等(とう)」
このほか使用頻度の多い用語
省庁、大学、政治家など「等」(文章・話し言葉)。とう、とう、とう言っているので、仮面ライダーかよと突っ込んでしまう。

 「ほんとに」
話し初めや話す前の勢いや助走のように使われたり、改言などで思わず言ってしまのは「ほんとに」だ。 

ニュース・報道
「いう」の場合、本来は簡潔に分かりやすく伝えるニュース報道でも頻繁に出てくる。

言葉のプロと呼ばれるアナウンサーですら、「いう」を織り交ぜ、そこに必要? と思われる場面が結構多い。 
テレビや映画などの映像に重ねて表示される文字は、一般的には「字幕」または「キャプション」と呼ぶ。 

外国語映画やビデオの翻訳文であれば「subtitle」、一方、聴覚に障害のある人や音が出せない状況のためのビデオ説明文であれば「caption」や「テロップ」だ。 

番組では出演者の会話をテロップにするが、明らかに不必要なときは修正して表示している。 

「という」は伝聞、一般的ではなくあまり知られていないときに使用するが、それ以外のほとんどは重複・冗長的・蛇足表現で、これらに気を付ければ文章や会話もスッキリする。 

ニュース報道などは基本的に全てが「伝聞」となるのだが、伝聞だから全てに「といいます」「ということです」付ける必要があるかどうかは疑問だ。

 詳細な取材を通し、組織として報道する著作物として情報発信をするのだから、自信を持って自社のコンテンツとして捉え、伝聞で使用する「といいます」「ということです」を間引いてもいいのではないか。
次項に事例を示したい。

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