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僕の通学路を福島行きの高速バスが横切る

※大学時代に書いたものをリライトしています

「これに乗ったら東京に行けるのかぁ」
都会に憧れる田舎の高校生が新幹線を眺めながら言いそうなセリフだ。

田舎に憧れる半都会住みの大学生(僕)は全く逆のことを毎朝思う。
「これに乗れば福島に行けるのかぁ」

毎朝通る高速バス
僕の通う早稲田大学は最寄り駅が地下鉄東西線の早稲田駅だ。だが、僕はその駅を使わない。受験をした時からずっと、JR山手線の高田馬場駅から歩くのが好きなのだ。

もう4年生になるがほぼ毎日歩いている。早大生の中では「馬場歩き」と言われている行為だ。

高田馬場駅から早稲田大学へは一本道で、「早稲田通り」と呼ばれる道を歩けば大学に到着する。高田馬場を出て10分弱歩いたところに大きな交差点がある。そこは「馬場口」という交差点だ。この「馬場口」でクロスするのが「明治通り」という大通りだ。「明治通り」は渋谷のあたりから新宿を通ってそのまま池袋の方まで続いていく。

新宿を出発したバスが通るのが、この「明治通り」なのだ。高速バスを使って福島や仙台に行くとわかるが、「バスタ新宿」を出発した東北方面行の高速バスは明治通りに入って池袋・王子を経由して首都高に入り、そのまま東北道や常磐道に抜けることが多い。

そのため、新宿発で東北に向かう高速バスは必ず「馬場口」を通過するのだ。僕は大学の2限の時間に登校しているとかなりの高確率でこのバスに遭遇する。

「これに乗れば福島に行けるのかぁ」
そう思うと高い位置にある窓から外を眺めている乗客が無性にうらやましく思えてくる。


バカみたいだがバスを見るたびに本当にそう思っている。

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