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心の豊かさを育てること

働かせてもらっている絵画教室の先生が言うには「児童画」というジャンルがなくなりつつあるとのこと。

子どもたちが自分のあたまの中の世界を表現する絵、というのががなくなっているのだそうです。


オリジナリティのない絵を描く子どもたち

たとえば「春」というお題で絵を描くとすれば、みんな必ず決まって桜を描き、野原を描き…と大体同じような絵を描いてしまうといった感じ。

土の上を歩いている昆虫だったり、水たまりに映る桜の景色だったり…というように、自身の身の回りからヒントを得てオリジナリティある絵を描く子が少なくなっているんですね。

風景画にしても大体が景色の名所だったりいわゆる「映えスポット」のような場所で写真を撮ってきて描く。
大多数が思い浮かべるものであれば安心感があるのでしょう、みんな誰もが知っている景色を描いてしまいます。

自分の感性というよりは「誰もが美しいと思う場所」を描く。
そしてそれらは大体スマホかタブレットの中で見つけたものです。

あらゆるものが完成された状態ですぐに手に入ってしまう時代ですから、それも仕方のないことといえばそうなのかもしれません。
学校で必要になるぞうきんだって100均に行けば買えますし、古いタオルを縫うお母さんは少ないでしょう。
大人も自ら作る環境にはもういませんから、子どもなら尚更ですよね。


経験させることが心の豊かさを育てる第一歩

私が大切にしたいと思っていることは本物を見たり、感じる力を養うことです。
自身の中で五感を通して「経験」を積むことが心の豊かさになっていくと思っています。

難しいことは考えなくても大丈夫です。
例えば小さなお子さんであれば、公園でたんぽぽが咲いていたのをじっくり見るとか、お花をつんでみた感触はどうなのかとか、強く握ると手が黄色くなるとか、つんでしまうともう元には戻らないとか、そんなことでいいんです。

公園ならただ石をたくさん集めたり、草花を集めるという子もいると思います。
大人からすればたったのそれだけ、と思うかもしれませんが子どもにとっては大発見があったりするものです。

様々な経験をもとに発想力は生まれます。
逆にいえば発想は経験なしには生まれない、ということです。
それがやがて「自ら行動する力」を育てることと思っています。
経験の引き出しをたくさん作ってあげたいものです。

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