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頑張る理由って難しい

母の為に頑張ってきた。そんな人生でした。

母に誉められるように勉学に励み、交換留学の権利を得て、名の知れた企業に入り、仕事に勤しむ。
幼い頃から家業や家事を手伝うのが当たり前。

「この子がいると助かるの」
嬉しそうに母が他人に私のことを自慢しているのを聞くのが誇らしかった。嬉しかった。

母が末期癌を患った時もそれは変わらなくて。
会社で働きながら、毎週2日間のお休みで実家の家事を行い、母の代わりに家業の手伝いをしながら、九州で治療する母の元へ行く。そんな日々が2年間続きました。当時の私にはそんなに難しいことではなかったんです。頑張れば頑張るほど、母が誉めてくれた。

「貴女が私の娘でよかった。」
それは最大の誉め言葉でした。

でも、母は死んでしまいました。
誰かの為に頑張りたいのに、その「誰か」がいなくなってしまった。母以上に大切に出来るものを、私は3年経った今でも見付けられずにいます。

何のために、誰の為に頑張ればいいのかわからない。
毎日生きるのってそんな簡単じゃなくて、頑張らなくちゃいけないのに、その頑張る理由が分からないんです。

簡単なようで、難しかったんですね、頑張るための理由探しって。

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