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「事物の(物理的な)バリア」の解消を目指す学生チームが、「オンライン講演会」を開催しました!

立教大学ボランティアセンターでは、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す「バリアフリープロジェクト」に今年度から取り組んでいます。

その中で「事物の(物理的な)バリア」の解消を目指す学生チームが、1/11(水)に、『広げよう、心のバリアフリー~「しょうがいの社会モデル」とは?~』と題したオンライン講演会を開催しました。

学生が作成したポスター

バリアフリープロジェクトって何?

ボランティアセンターが今年度から取り組んでいる「バリアフリープロジェクト」は、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す取組みです。

5月下旬からメンバーを募集、8月に実施したキックオフミーティングを皮切りに、【事物のバリア】【制度のバリア】【慣行のバリア】【観念のバリア】の4チームに分かれて、それぞれが感じる「社会のバリア(障壁)」の”解消”に取り組んできました。

チームとして目指したこと

これまで「事物の(物理的な)バリア」の解消を目指す学生チームでは、テーマの軸になる事物の対象を”車いす”に設定し、車いす利用者とそれ以外の人が自然に繋がりやすい機会を提供したいと考え、様々な調査や企画の検討などを行ってきました。

学内のバリアフリー状況を調べていく中では、既存の「バリアフリーマップ」を片手に実際に学内を歩いてみることで、マップに記載されている情報であっても実際には完全なバリアフリーになっていない場合があること、自動ドア・エレベーターなどの設備に関する情報が完全には把握できていないことがわかりました。

そこで、学内の人であれば誰でも自由に使えるスペース(食堂など)へのアクセスや既存のバリフリーマップではわからないような「快適度合い」「混雑度合い」などの点を更新(レビュー)した最新版のバリアフリーマップを作成しようと考えました。

配信中のチームメンバー

バリアフリーマップだけでは…

しかし、車いすユーザーや学内にある「しょうがい学生支援室」のスタッフ等にヒアリングを行う中で、物理的なバリアフリー化を進めるだけでは根本的な改善には繋がらないこと、そして、大学全体でバリアフリーに対する意識を高めていく必要があると改めて感じました。

そこで企画したのが、今回のイベントです。
「心のバリアフリー」を体現する上で重要な「しょうがいの社会モデル」という考え方を広めたいと思い、ゲストとして実際にその普及啓発に取り組んでいる「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」からお二人のスタッフをお招きしました。

ゲストスピーカーのお話

「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」は、「バリアフルレストラン(車椅子ユーザーが多数派になった架空の反転社会を演出)」をはじめ、「しょうがいの社会モデル」という考え方を広めるために様々な取組みを行っている組織です。

最初にお話しいただいたのは、本学の卒業生でもある坂下さん。
学生時代には、「しょうがい学生支援室」におけるサポートスタッフ学生としての活動や経験等を通じて、「”しょうがい”があることで難しいとされることは、本人に原因があるのではない。社会の環境を一度見直すことや手伝いの仕方などの少しの工夫次第で変えることができると実感した」と話されていました。

それらの経験を生かして、現在は「それを自分自身が実践するだけでなく、今の業務を通じて伝えていきたい」という思いで、業務に取り組んでいるそうです。

続いて、佐藤さんには、「車いすユーザーがマジョリティになった社会」を想定した動画の紹介を交えながら、「今の社会の偏り」や「合理的配慮」等についてお話しいただきました。

「当たり前」をひっくり返して考えてみること(――例えば、全員車いすユーザーだったら?を考えること)によって、当たり前のように感じすぎて見えてこなかったものが見えてくる等、「その人が“できない”のではなく、環境が“できなくさせている”のではないか?と、常に考え行動することが大切だ」ということでした。

▼「バリアフルレストラン(公益財団法人 日本ケアフィット共育機構)」

バリアフリープロジェクトの活動紹介

更新中のWheelog

次に、今回のイベントを企画した学生メンバーが、「バリアフリープロジェクト」を通して取り組んだ活動について紹介しました。

「事物のバリア」チームでは、学内のバリアフリー環境をさらに詳しく”見える化”するために、「Wheelog!」アプリを活用したバリアフリー調査を行い、既存のバリアフリーマップに記載されているエレベーターやスロープ、食堂などを車いす視点から確認・入力してきました。
学内のバリアフリー環境が一目でわかるよう最新の情報に更新することで、今後の車いす利用学生や「しょうがい学生支援室」のサポートスタッフ学生の参考にもなればと考えています。

立教大学が2021年に公開した「ヒューマン・ディグニティ宣言」を通じ、立教大学全体でキャンパス作りに関して、機運を高めようとしている今、様々な心身の特性や考え方をもつすべての人々が、相互に理解を深めコミュニケーションをとり支え合うことを大切にしていきたいという想いの込められた報告となりました。

参加者の感想(一部)

  • 当たり前が何かということに日頃からよく注意を払う必要があると感じました。また、(しょうがいのある方に対して)「これができてすごいですね」といった発言には注意しなくてはならないと思いました。

  • バリアフルレストランをはじめ、当たり前が覆されるような体験、お話を聞いて「しょうがいの社会モデル」とはどのようなものなのか理解できました。

  • 今までは、しょうがいのある方に思いやりの心をもつべきだと考えていましたが、合理的配慮の話を聞いてそれだけではいけないと感じました。心の中で思うことは簡単ですが、実際に行動に移すことが重要だということを学び、自分の中の価値観を変えることができました。