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呟きとメモ

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つぶやきやメモを集めたものです。新聞や本で見つけた言葉も含まれています。
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2021年12月の記事一覧

「幸福の総量は一定」か

「幸福の総量は一定」か

 「本当は、不幸な人が減るほど、社会全体も個々人も豊かになるし、安全にもなる。しかし、多感な時期にお受験競争にたたき込まれ、定数の決まった『いい学校』の入学枠を取り合い、そこで心に傷を負った者の中には『幸福の総量は一定』という世界観に染まる者も出るだろう。この世界をゼロサムの修羅場であると思うからこそ、他者を呪い、その脱落を願う気持ちが湧いてくるのだ。」

 今日12月26日の毎日新聞の「時代の風

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噂とは

噂とは

 「検証されていない発展途中の情報の共有と他者の見解の収集を通じて不確実性を管理する手段」。
 ハイジ・J・ラーソン著『ワクチンの噂』を評した内田麻理香がこの部分を引用していた。(毎日新聞)
 噂を肯定的に捉えるとこうなるらしい。今まで噂をこれほど積極的に考えたことはなかったので新鮮に思えた。
 週刊誌記者や編集者も喜ぶかもしれない。週刊誌が大手メディアでは書けないことを大胆に書くこともあるのは知

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社会学者でもある岸政彦さんが織田作之助賞をとった。「普通の人の生活史」の研究でも知られている人だ。『リリアン』

「おっとり刀」=押っ取り刀、という言葉の解説を見た。今日の毎日新聞より

森鷗外の文体

 作家であり医師である夏川草介氏が森鷗外の文体について書いている。(今日の毎日新聞)
 氏は尊厳死とか安楽死という鷗外作品の主題ばかりでなく、その文体に強く惹きつけられるものがあると言っている。

 「緻密で、鋭利で、ときには気品すら漂うその著述は、ともすれば、熟練の外科医の手術野を見ているようである。血管を確保し、神経を認識し、腸管を把持して静かに病巣を露わにしていくように、鷗外は対象に接近して

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今日、印象に残った言葉。「音楽には、人類が歴史上に記してきた日記のようなところがある。」「偉大な音楽家だからといって立派に生きているわけではない。僕にとって音楽は人間を知ることでもある。」清塚信也、毎日新聞より

いしいの揚げもの

いしいの揚げもの

 「おいも、わかきも、おいも」
 むかしの焼き芋屋の宣伝文句だそうである。

 車の1年点検、ディーラーのサロンで、読売新聞に目を通した。すると、今日の「編集手帳」に昔の記事を思い出したと、冒頭のフレーズが引用されていた。

 点検が終わって、家に帰り、ちょっと古くなった静かな住宅街を散歩していたら、揚げ物店の看板が目に付いた。

 「いしい揚げもの店」と大書してあった。

 それで、こんなフレー

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因果関係の探究

因果関係の探究

 <科学的に言えば因果関係を語るときに気をつけなければならないのは、「起こったこと」と同程度に「起こらなかったこと」が重要ということだ。>
 毎日新聞、11月18日の「坂村健の目」の「起こらなかったこと」という記事に注目した。そして、因果関係の研究においては「起こらなかったこと」についての研究も非常に大切だということがよくわかった。

 坂村氏は言う。
<「HPVワクチンを受けたらまひが出た」のが

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学習性無力感

学習性無力感

 「犬を①パネルを押せば電気ショックを停められる②何をしても止められないーの状態にそれぞれ置いた。その後、新たな電気ショックの実験をすると①の犬は回避方法を見つけたが、②の犬は何をしても無駄とばかりに回避行動を取らなかった。無力感はクセになりやすいのだ。」
 マーティン・セリグマンの「学習性無力感」についてこう説明しながら、そこからの脱却を訴える記事を読んだ。10月26日の毎日新聞。
 この概念は

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