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【049】採用失敗の原因は面接官にある?正しい採用スキルで求人応募者数を増やす方法

採用面接に臨む人向けのハウツー本やネット情報では、候補者の見極め方を中心とした、質問の問い方やチェックすべきポイントなどがフォーカスされることが多いですが、面接官の聞くスキルについての重要さが語られることはなかなかありません。

個人的には、相手の能力や考えを引き出すためには、見極める能力と同じくらい、面接する側の聞く能力が重要だと思っています。

単に相手の話を聞いているだけでも、その人の人柄や頭の良さ(あるいは悪さ)がにじみ出てしまうものだからです。候補者から「この面接官はダメだな…」と思われたが最後、そんなレベルの人を面接にアサインする程度の会社なのだと判断されて、会社ごと見限られてしまいます。(そんな打ち明け話を一度ならず何度も聞いたことがあります)

見限った瞬間に候補者は自己開示をやめてしまうので(入社するつもりがないので省力モードにはいる)、面接官としてはその候補者の真価を知ることができないまま“不合格”判定を出すこととなります。その結果、その面接官の面接の欠点を認識する機会も失います。仮に合格を出して選考を辞退されたならば、面接官に問題があった可能性に気付くことができかもしれませんが…反省の機会も失うのです。

よって面接官は見極めるスキルと同様に、相手の話を引き出すスキル、そして話をしながら自分のパーソナリティを伝えるスキルを磨く必要があると考えています。

例えば、コミュニケーション能力の高いと思われる人ほどうっかりやりがちなのは、相手が話している途中で自分(=面接官)の持論を展開してしまうケース。これにはふたつの地雷を踏むリスクがあります。

一つは、本当はもっと深掘りできたかもしれない話を聞くチャンスを失う地雷。もう一つは、相手の話しの腰を折って、聞かれてもいない持論展開をすることによって、独りよがりなコミュニケーションをとる人間であることが露呈する地雷。

かつて面接官の同席指導をしていた頃によくこんなアドバイスをしていました。
・面接官の持論は、その件について質問されるまでしまっておく(相手が質問に答えているのをカットしない) 
・候補者の発言に共感を表すのは相手に最後まで発言してもらってから。途中で1番美味しいところを面接官が奪わない

後者は具体的にこんなイメージです。
面接官が相手の話中に「…わかります!それはXXXってことですよね!」と先に結論を発してしまうことです。共感を示したい気持ちはわかるのですが、相手に結論を話してもらってから共感を示した方が相手の満足度を高めることができ、その後も心地よく話してもらうことができるからです。

面接が終わってみて、一番発言したのが面接官の方だった…なんてことがたまにありますが、その場合は上記を疑ってみるといいです。


ところで、上記のような相手の本音を引き出すスキルについてとてもわかりやすく書かれている本があるのでご紹介します。

面接のための本ではないですし、タイトルも「新時代の話す力」ですが、話すためには聞く力が重要であるという背景とともに、聞く技術に関するパート(第七章)でがっつり実践的なノウハウが展開されています。

本のアドバイス通りに実践をするのは簡単ではありませんが、たくさんのエラーケースを織り込みながら説明してくれているので、自分ができていないことに気付くことができます。そういう意味では、読んですぐに活用できると思います。

面接力のための本ではありませんが、面接をするすべての人におすすめしたい一冊です。


写真=聞く力ということで、ニースのビーチにあるオペラハウスの写真。2019年の5月に訪れた際にはジャズのライブをやっていたので、耳の保養として聞いてきました(撮影byじぶん)

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