見出し画像

【048】エンジニアの習性に学ぶ:採用するなら自分より能力の高い人

採用においては、「自分よりも優れた人材を採用するべきである」とよく言われます。これは当然のことで、既存メンバーよりも能力の高い人を雇用し続けなければ、組織がその総合力を高めることができないからです。

でも”採用あるある”なのが、採用責任を持つハイアリングマネージャが自分の組織内のポジションが下がることを恐れて、自らの上位互換になる優秀人材を採用したがらない、という現象です。

そんな、お山の大将が採用権限を持ち続けると、その人の能力がその部門のCAP(上限)となります。他のチームの能力が上がっていても、その部門がボトルネックになって、事業全体に悪影響を及ぼします。

ところで、自分の経験の範囲内での感覚ですが、エンジニアについてはこの”採用あるある”現象があまりみられないように感じています。エンジニアは、過去の職場の上司や、業界内でのトップティアのエンジニアを喜んで組織に招き入れようとします。ゆえに自らが組織の能力のCAPにならずに、チームの戦闘力を高め続けることができる。(もちろん例外はあるでしょうが、おしなべてその傾向が強いように思います)

エンジニアと一緒に仕事をしてきて感じることですが、エンジニアは自らの組織内のポジションよりも、自分の技術力を高めることに興味関心がある。自らの技術の向上が停止してしまうことが、何よりも恐怖なので、むしろ自分より優れたエンジニアと一緒に仕事をすることを好むのがエンジニア特有の生態なのかもしれません。そして、自らの属する組織がどのようなエンジニアで構成されるチームなのかにもこだわりがあるので、全体にハイレベルなチームを形成することを指向します。

こんなふうに、自分よりも優秀な人を招き入れることができれば、周囲に学んで自分の市場価値を上げることができます。だから個人視点で見ても、社内のポジションを固持することより、優秀人材を採用することのメリットの方が大きいのです。なにより仕事のできる人と働くことは最高に楽しいわけで。

こんな、エンジニアのような採用スタンスが当たり前になるといいよね。

写真=WEB3事業を国策として推進するドバイのイノベーションハブ施設の壁に描かれた壁画。(2022年5月撮影by自分)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?