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【023】「社長は宇宙人」とよくいわれるけれど?

世の中には、言動が理解を超えていたり、突飛なひらめきで行動しているように見える経営者が一定数いるらしく「社長は宇宙人だから」なんて言葉をよく耳にします。

自分の経験から、宇宙人系社長と呼ばれる背景をこんなふうに考えています。
(1)思考レベルや、発想の進化のスピードが猛烈に早い
(2)思考の背景を社員に共有しようとしない

宇宙人は情報を吸収して熟考するスピードが高速で、結果として出てくる意思決定のインターバルが短くて量が多くなります。そのため凡人には「なに言ってるかわかんね」と見えます。

思考の背景には大量の一時情報が根拠として存在するのですが(これが凡人にはひらめきなどの神がかりなものに見える)、いちいちそれらを説明していたら、スピーディーな意思決定によってセーブした時間がチャラになってしまうので、説明努力を省く傾向にあります。周囲を納得させてから前に進めるプロセスも同様に、セーブした時間をチャラにしてしまうので省きがちです。結果として宇宙人系の経営者は「ワンマン」と呼ばれることも多いように感じます。
※ゆえにこの手の経営者の側近には、翻訳者とか宣教師のような役割を果たす人がいる場合が多い。

宇宙人と呼ばれるような経営者の近くで仕事をさせてもらった当初はかなり面食らいました。ただ言動の背景を理解するほどに、自分との圧倒的な能力差を思い知ることになりました。

よって個人的には、理解できないサンドボックスのような領域を一定持っている経営者=自分には無い能力を持っている経営者、という理解をしています。そして、その理解不能な領域を、理解しようと努めることが学びになるので、はたらく環境としては魅力的だと思っています。

もう一つ加えると、意思決定が早くて、しかも剛腕でその決定を実行するということが、必ずしも事業の成功を約束するわけではないのですが、結果としてトライ&エラーの数が多いので、確率が一定ならば、成功する絶対数は多くなります。

ただ、世の中的には、大胆な意思決定の結果うまくいっていることよりも、失敗したことの方がクローズアップされるので、一定の確率でうまくいっていたとしても、失敗した汚点の方が目立つことになります。その汚点を全部抱える覚悟も必要なので、鋼のメンタルでなければ社長は務まらないのでしょう。

ということで、経営者のことは完璧に理解できなくて当然だし、理解できない部分が一定あったほうが面白いという話でした。

…宇宙人たちと仕事をした、いち凡人の感想文です。
リスペクトをこめて。

写真=ドバイの未来博物館外観。Futuristic で宇宙人が住んでいそう(2022年5月撮影byじぶん)


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