見出し画像

【011】ダイバーシティ&インクルージョンのために戦う人の「正義感」と「不寛容」

ダイバーシティ&インクルージョンの領域での発信は炎上しがちなので、細心の注意が必要であることはわかったうえでの、単なる私の感想です。

日本のジェンダーギャップ指数は、先進国中で最下位ということは言い尽くされている通りだし、自分の数十年のキャリアの中でもジェンダーギャップ当事者としての体験も充分してきたので、これが解決すべき筆頭課題の一つだということは、よくわかっています。早く解決したいと心から願っています。

でも、ちょっとしたことで炎上するから怖いんですよね。

本来は国や企業、個人も興味関心を寄せて、アクショをとることが望ましい領域なのに、炎上テーマゆえに自由に発言できる気がしない。

例えば、理系の女性に光を当てて理系女性を増やそうというアクションがある一方で、「リケジョ」という言葉は差別用語であると言う意見もある。
「イクメン」という言葉に対する、賛否両論も有名どころです。

良かれと思って使ったキーワードが、紙一重で「差別」扱いになるという、この手の現象は価値観の変化の過渡期だからこその、健全に前に進んでいる証拠。

ジェンダーギャップが解消した暁には、イクメン、リケジョどころか、「ワーママ」や「女性活躍」という言葉は役目を終えて、そんなキーワードこそ差別だ、といわれる時代がくるのだと思います。時間はかかりそうですが。

いずれにしても、言葉は時代の要請に応えるべく生み出され、役目を終えれば消えていくだけなのに、この領域の言葉使いに厳しい人が多いような気がします。

ダイバーシティ&インクルージョンの実現のためには、立場の違う相手のバッググラウンドや価値観を、想像力を働かせて理解しようとする姿勢が大切だと思っています。

でも、表面上の言葉だけを槍玉にあげて、その背景を想像しようとしない正義感と不寛容さが、炎上を生み出しているような気がして、それらがダイバーシティの本質に反しているように思うのです。

そう感じるのは自分だけかもしれませんが、発言者の使った単語の是非も大事ですが、その背景にある想いを想像して、健全な議論ができる社会にしていきたいですね。

写真=ドバイのショッピングモールの一角でやってた eden gallery の展示で見つけた作品(2022年5月撮影byじぶん)



この記事が参加している募集

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?