見出し画像

【046】社員株主の視点から見た株主総会 オーナーシップを持って働くことの面白さ

先日、自分が働いていた古巣でありかつ投資先の一つでもあるサイバーエージェントの株主総会に参加してきました。

サイバーエージェントがマザーズに上場した後の2002年、同社に入社した際に、私はわずかばかりのストックオプションをもらいました。すでに上場した後のストックオプション付与だったうえに、ITバブルが弾けた後のネット不況期…内心は経済的な価値は期待できないだろうなというのが本音でしたが…それでも少額で権利行使をしたのは、株を所有することが経済の勉強にもなるだろう程度の期待値でした。

そうしてサイバーエージェントの社員兼株主になったのですが、はからずもこの経験を通して得られたのは、名実ともにオーナーシップ持って働くことの面白さでした。

それに味をしめて以来、私は上場・未上場に限らず、チャンスがあれば自分が働く会社の株主になることを好んで選択してきました。

と言うのも、たとえ持っている株の比率はわずかであっても、会社のオーナーになると仕事に対する視点が変わります。目先の評価のためではなく、本質的に価値貢献したいという気持ちになるのは自分が単純だったせいもあると思いますが、株を持っていたことの影響が大きかったように思います。

株主総会に参加して、株主の声を聞くことも有意義です。

そういえば、私がサイバーエージェントの株を持ち、初めて参加した株主総会はちょっとした恐怖体験でした。当時はブログサービスが黒字転換できず、株価低迷が続いていたのですが、まず株主総会当日に会社から「社員株主は会場に先に入って、特に男性社員は前の方の席に着席してください」とメールのアナウンスがありました。万が一の時には人間バリケードになれってことで…逆に怖いもの見たさというか、密かに好奇心でワクワクしていたのはここだけの話です笑。

実際に総会中は怖い人たちの「金返せ!」などの叫び声が飛び交っていたのですが、その声を聞きながら、株主側であると同時に社員でもある私は、これは死ぬ気で頑張らなきゃ…と思ったものでした。

株を持っているだけなら、クレームを叫んだり、業績改善を祈ることしかできないけれど、社員ならばそれを実行する権利があります、それが社員株主という立場の面白さだと思います。

結果として、私も在籍中の業績改善にほんの少しは貢献できたような気がしていますが、それはオーナーシップを持って仕事をする機会を与えてもらったおかげだと思っています。

付け加えると、退職した現在も市況の影響による上下動はあれど株価が堅調なので…会社に対しては感謝しかないです。ありがた過ぎる。

余談ですが、当時の長期間にわたる業績最底辺期間とその後のV字回復を成した経験も、今となってはこの会社からもらったギフトになりました。この経験のお陰で、会社の業績がどんなにどん底の状況にあっても、明日はわからないという希望を持つことができるので。

と言うことで、勤務先の株主になるということは、サラリーマンであってもマインドは経営者の視点で仕事にコミットできる魔法だと思います。もちろん、常にその機会が与えられるわけではないし、株主になってからもインサイダーゆえの面倒はあるのですが、個人的にはおすすめです。

特に人数の少ないスタートアップ企業においては、一人が会社の業績に与える影響が大きいので自分が株価をあげる立役者になる可能性もあれば、逆に足を引っ張る疫病神になる可能性もあります。

こんなエキサイティングな働き方、最高だと思いませんか笑?

写真=2022年サイバーエージェント株主総会ではお馴染みのウェルカムサインが(撮影byじぶん)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?