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今熱いのはテクノロジー×農業。最先端は第一次産業にもある。


農業の高齢化や人手不足、日本の食料自給率の低さについては多くの方が知っている問題でしょう。


ですが、「やっぱり日本の農家で丁寧に育てられた野菜は美味しいんだよな」と思ったことはないでしょうか。


近年のオーガニックブームとも相まって、農家の方が集まってその場で自分たちで育てた野菜を売っているようなイベントもよく見かけるようになりました。

農家の方の思いと共に彼らが作った野菜を楽しむ事は、一種のライフスタイルとして楽しまれるようになってきていると思います。


このように新たな形で着目されつつある農業ですが、次世代を考えるにあたって知っておきたいのは「アグリテック」です。


マーケットの成長に期待することができ、これからの私たちの生活をより良くしてくれる可能性があるアグリテックについてご紹介させていただきます。


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京都大学で豆腐作りに光学を応用している新潟の老舗豆腐屋7代目斎藤嘉人さん

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アグリテックとは

アグリカルチャー(農業)とテクノロジーを掛け合わせた造語で、日本の農業が抱える高齢化や就業者数の低下等の諸問題を、ロボット技術やICT(情報通信技術)などのテクノロジーを活用して解決しようという試みです。

農林水産省では、「スマート農業」推進プロジェクトとして、2022年度までに様々な現場で農業テクノロジーを導入する体制を整えるなど、アグリテックの現場への実装を目標としています。

スマート農業の推進
2022年度までに、様々な現場で導入可能なスマート農業技術が開発され、農業者のスマート農業に関す
る相談体制が整うなど、スマート農業の本格的な現場実装を着実に進める環境が整うよう、「農業新技術の
現場実装推進プログラム」(令和元年6月7日農林水産業・地域の活力創造本部了承)にも即し、以下の取
組を一体的に進める。(引用: 農林水産省 スマート農業の展開について)


アグリテックが対象としているのは、ロボット導入による生産効率の上昇だけではありません。

データに基づいた経営コンサルティングやバリューチェーン構築のための販売支援サービスなど、生産、販売、経営という農業に関わるエコシステムをテクノロジーを用いて支えています。


日本の農家で育てられた野菜は美味しいけれど、経営難などで立ち行かなくなってしまうというような状況が、テクノロジーによって打開され、将来的には食糧自給率の向上も期待できるかもしれません。


テクノロジーのお陰でもっと日本独自の「丁寧に育てられた野菜」が増えたら、私たちの生活もより豊かになるのではないでしょうか。



ITに興味があるなら、第一次産業に目を向けてみる


IT企業と言うと、サイバーエージェントやLINE、DNAなど、オンライン上でのソリューションを提供する企業を思い浮かべるかと思います。


しかし近年でいうITとは、必ずしもオンライン上で完結するソリューションに限られたものではありません。

介護活動の一助となる人体拡張や最近話題の自動運転など、よりテクノロジーと人間がオフラインで関わり合う分野が成長しています。


こういった中で、今まで人間の手のみで営んできた農業という第一産業が、新しくテクノロジーを活用するエリアとして着目されています。

ある意味テクノロジー(IT)業界の最先端が、第一次産業の中にあるとも言えます。


ITに興味があるなら、食の根幹的な部分に関わる農業にテクノロジーを応用しているアグリテックについても面白いと思うはず。


近年多数のアグリテック企業が立ち上がり始めましたが、以下では3つのおすすめアグリテック企業と試みをご紹介します。


今注目したいアグリテック企業と試み

日本には現在多数のアグリテック企業や試みがありますが、こちらでは注目したい企業と試みを3つご紹介します。

inaho

inahoは、鎌倉に本社を構える野菜収穫ロボットを中心とした農業生産プラットフォームを提供しているアグリテック企業です。

inahoの代表菱木豊さんは、地元の鎌倉の農家さんから話を聞いた際に「農業×AIで何かできるんじゃないか」という思いを持ち、inahoを立ち上げたそうです。

高額な初期投資、地方の人材不足、休みの少なさ等の諸問題を自動野菜収穫ロボットで解決し、農業の未来を変えるようなサービスを展開しようとしています。

――そもそもAIで農業用ロボットを作ろうと思ったきっかけは何だったのですか? 「以前からITジャーナリストの湯川鶴章さんが主宰する「TheWave塾」に参加していまして、そこで専門家の講演を聞くことが多く、「AIの時代が来る。自分もAIを活用して何かやりたい」と思っていました。そんなときに、地元の鎌倉の農家さんから話を聞く機会があり、農業×AIで何かできるんじゃないかと。人手不足、高齢化など、困っている人が多い農業の分野ですが、AIの導入が積極的に進んでいるかといえばそうでもない。可能性があると思いました。」 (引用: asta vision 野菜収穫ロボットが農家の人手不足を救う ――inaho株式会社 菱木豊

企業サイト: inaho

おすすめサイト: asta vision


Legmin

Legmimは、「ロボットと人が協業して野菜を作る」ことをコンセプトとし、農作業を効率化するための自律走行型ロボットと画像解析を用いた作物育成支援システムを構築している企業です。

代表の成勢 卓裕は慶應義塾大学理工学部を卒業後IBMへ就職し、「農業衰退を食い止め、日本の食文化の豊かさを守りたい」という思いでアグリテック企業を立ち上げたそうです。

レグミン は自律走行型ロボット用いて小松菜などの葉物野菜の生産を行っています。農業は収益性が低い、後継者がいない、重労働など様々な課題を抱えています。これらの問題解決に取り組むのが私たちレグミン です。よく「ロボットを売る会社なのか?」と言われますが、私たちは野菜の生産にも重点を置いています。農業衰退を食い止め、日本の食文化の豊かさを守りたいと考えています。現在は、静岡県の三島の試験農場で生産を行いながら、東京 茅場町のオフィスでロボットの開発を行なっています。2つの拠点を行き来しながら事業を進めています。(引用: Wantedly 【創業ストーリー】元IBMが農業ベンチャーを始めたきっかけ ー レグミン CEO 成勢 卓裕

企業サイト: Legmin

おすすめサイト: Wantedly


TECH PLANTER

多くの大学における研究がそうであるように、アグリテックについても大学で様々な研究がされながらも実装に至るまでには大きな壁があり、有用なテクノロジーが埋もれてしまっています。

こういった中でTECH PLANTERは、「良い技術を社会に還元したい」という思いを大事に考え、科学技術の「種」を実用化に向けて芽を出していく支援をしています。

世界を変えたい、技術を実用化したいと考える人と共に活動します
ビジネスプランコンテストを入り口として、技術を愛し、構想に共感できるメンバーを固め、支援体制をつくります。
テックプランターは、起業前の個人・ベンチャー企業を対象とした、リアルテック領域の事業シーズを発掘・育成する取り組み。
固定期間を設けず、通年で支援を提供します。日本国内では10回程度のビジネスプランコンテストを実施し、応募を受け付ける窓口としています。
ベンチャー1社1社にリバネスのコミュニケータが担当につき、実用化目線の研究開発のコラボ、投資の機会や、事業会社とのパートナーシップをサポートします。(引用: TECH PLANTER公式サイト

公式サイト: TECH PLANTER



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少し筆者の自己紹介 - 今知っておきたい「面白い!」を伝えるメディアデザイナー


「本当に良いもの」は、埋もれてしまいがち。

でも、「良いもの」が世の中に溢れたらきっと世界は面白い。


私は隠れた「良いもの」を伝えるメディアデザイナーでありたいと思っています。


今回はアグリテックをご紹介しましたが、その他にも「チル」、「漫画」、「豆腐」、「シーシャ」などの分野で、本気で「良い」と思えるものをまとめたメディアを創っております。


面白い未来を創るものにご興味があれば、以下を是非ご一読頂ければと思います。

美味しい豆腐のために。京大で光学を研究する嘉平豆腐店7代目、斎藤嘉人さん。

「建築漫画家」として活動し、アートとして楽しめる漫画”本”を創る芦藻彬さん

自分を解放できる「チル」な空間を創る。鈴木偉大さん。

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