見出し画像

商業出版する方法#96〜出版が決まるまでにも意外な紆余曲折が待っている!?

元KADOKAWAの編集者で、ビジネス・実用書の出版コンサルタント渡邉理香です。

私の出版コンサルを導入いただき、商業出版されたこちらの本、絶賛発売中です〜。
(画像クリックでamazonページに飛びます)

画像1

今回は、こちらの企画の経緯をたどりながら、いかにして出版が決定していったかを振り返り、リアルな商業本刊行までの道のりをご案内します。


1)渡邉が出版企画書を全部書く!てなプロデュースコースがあるわけで。
私の出版コンサルでキモになるのが何よりも「出版社の編集者にオファーされやすい企画書をクライアントさんと共に仕上げていく」ということ。
ただ、益田さんの場合は、ご自身も経営者として、ライフコーチとして多くの受講生を抱えて全国を飛び回っていた日々(コロナ禍以前ですから)。
なので、私のコンサルでは「クライアントさんに渡邉が取材をさせてもらって、渡邉が出版企画書を仕上げ、出版社にアプローチする」というサービスコースがあります。
益田さんの場合は、そのコースをチョイスいただいたこともあり、セッションで益田さんにさまざまなお話を伺って、私が出版企画書を書く!ということになっていました(その意味ではコンサルというよりプロデュースですけどね)。

何回かコンサルティングのミーティングを行わせてもらい、一つ企画書が出来上がりまして、早速にメールであったりダイレクトに出版社への郵送であったりでアプローチ。

すると・・・ある1社の副編集長さんから「企画に興味があります。一度お打ち合わせさせてもらえませんか?」とメールが来ました。


2)某出版社の副編集長からのアドバイス
まだその頃はコロナ禍でもありませんでしたから・・・。直に東京駅近くのカフェでお会いさせて頂きました。
私も編集者人脈はそれなりにあるものの、出版世界の全ての編集者と知己を得ているわけでもありません。
その副編集長さんは、初めてお会いする・初めて繋がりをもたせてもらった方でもありました。

企画書を見てもらって、実際打ち合わせさせてもらっている中で、出てきた言葉は、その時表してた出版企画書のテーマが良いとかではなく、、

「お金のエピソードでまとめたらいいのではないですかね?」

という一言です。

まあ・・そのエピソードが出てきたのも、企画書内の目次・項目案にあった言葉群が引き金にはなったのですが・・・。

そして話す中で、一緒に益田さんが日々かいてらした「アメーバブログ」を二人で閲覧することになったのです。

副編集長さんと一緒にブログの記事をどんどん読んでいく中で、、

「あー、やっぱりこのかたはお金の自己啓発的な内容に、企画をずらしていく方がいいかもしれないですよね〜」

ってお話が落ち着いたわけで。。

実は提出した企画書は「50代の女性の変革的な生き方」をテーマとした自己啓発の内容でした。

しかし出版企画(テーマ)を若干ずらす、という視点が引き出され、結果として落ち着いた。

「お金の話を基盤とした自己啓発書で、今一度企画書を書き換えてもらうことはできますか?」

と副編集長さんから改めて依頼を受け、私は二つ返事で再び益田さんに連絡を取り、項目アイデアを出してもらいつつ、再度仕上げ直し、副編集長さんへ提出しました。


3)せっかく書き直した企画書、出版社の検討結果は・・・!?
副編集長さんからのアドバイスをもとに、企画書を練り直し、仕上げ直して再度提出。企画会議にはかりますね!と連絡をもらいました。

が、最終結果は・・・

「大変申し訳ございません。企画会議で諮ってみたのですが、企画が通過しませんでした・・」

というご連絡でした。

これについて、私は「えーー!なんでだよー!ひどいじゃないか!」なーんてことは微塵にも思いませんでした。

こういう「実際の最終企画会議で、通過見込みがひっくり返る」なんて実によくある、まさに「出版あるある」だからです。

だから出版活動をしているあなた、勘違いしないでくださいね。
現場の編集者が味方になったとて、会社として稟議決裁が降りないと企画通過にならないわけですから、その辺は恨みっこナシでお願いしますm(--)m。


4)他の編集者にも企画を相談してアドバイスをもらってみた。
知己を得ている編集者やフリーの編集者たちにも相談し、どうすればこの企画がよりよくなるかを特別に聞いてみました。

やはり大事なのは「編集者の反応」ですからね。
アドバイス、、というより「こういう切り口はどう?」「この方向性ではどうかな?」「この項目の意味すること何?」というディスカッションを数名の方と行わさせてもらいました。

それらの意見を参考にしながら、最終的に渡邉として「これでいけるか!?」と思える企画を立案し、3回目の企画書の書き直しを行い、整え、改めて出版社にアプローチをしてみました。
すると、今回刊行の後押しをしていただいた「ぱる出版」の女性編集者さんにつながって「本にしたい」とのご連絡を頂けたわけです。


5)企画書は何度も書き直していいし、出し直していい。
ここで改めて伝えたいこととして、出版企画書を提出する頻度です。
時折、企画書がダメならもう2度と提案してはダメではないか、とかいう”立ち上がらない”人がいますが違いますね。
ダメなら、切り口を変えて何度でも書き直しアプローチし直すことです。
それでいいのです。出版社は何も気にしていません。

出版社に断られたらまるで自分が必要とされていない、というような人もいらっしゃいますが、それは違います。
あなたが必要とされているのではなく、企画が必要とされていないのです。
それだけ。
そしてその企画は残念ながら「読者」も必要としていなかったりする。
だからこそ、断られたり、残念連絡がきたことで落ち込んだり、自己肯定を下げてもいけないし、出版社やプロデューサーを恨んではいけないのです。

ダメなら切り口を変える。視点を変える。企画を変える。
それで企画書を作り直していくだけです。


実際出版社の編集者も、企画会議で一気に企画が通過する!な企画書作りをいつもいつもしているわけではありません。
何度も紆余曲折があるのは「前提」として、同僚の編集者・上司・営業や広報の意見を伺いながら、真の商業本としての企画を立案し続け、企画書をかきづつけ、企画を通し、本にするための動きをします。

行ったりきたり。あっちやこっち。。
視点やアイデアを張り巡らせながら、企画書を作っては企画会議に持っていって協議を繰り返しているものなのですよ。

プロでさえそうなのです。
本を出したい!と思う人であれば、何度もやり直したって全然いいわけです。


6)まとめ
ということで、今回は事例シェアとして「紆余曲折」があったことを公開させていただきました。
いや、もっといえば「なかなか決まらなかったけど、3回企画書書き直して決まりました」ってことでもあります。


そんな事象があったとはいえ、商業本として・商品として本は出ました。今益田さんはまさにその本を1冊でも広めるべく、著者として販促活動に奔走中です。それもビジネス・実用書の著者としての行動でもあります。


一見遠回りに思えることが、意外なる近道になることもあります。
効率と生産性が叫ばれる昨今ですが、思った以上の努力と実に泥臭い行動が、クリエイティブの世界ではむしろ素晴らしい効率と生産活動を生み出している側面があることも、覚えていただけると幸いです。


ーーーーー
*ビジネス・実用書で商業出版したい!ビジネスパーソン向けのメルマガやってます→https://rikabook.com/pubmerumaga



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?