商業出版する方法#39〜本の初版部数はいくらくらい?2021年度版!
ビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。
商業出版における「刷り部数」について、簡単に記しておきます。
現状、大手を含め、ビジネス・実用書の世界での初版平均部数は・・・
3000部〜(多くて)10000部
といったところだと思います。
私が勤めていた時代と比べ、「最低3000部」というのが結構一般的にもなってきました。
それなりに、名の知れた有名老舗出版社でも、3000〜4000部からのスタートが多く出てきています。
私が勤めていた時代は「5000〜6000部」が一般的なところでしたが、どんどん初版の部数が下がっているのかな・・・?
まあ、でも会社やジャンル・著者ステイタスにもよりけりかな、、と色々考えをめぐらせます。
一方で、このご時世でも「1万部」で勝負をかける!出版社もまだまだあります。この部数は完全に、著者の近著の売れ行き実績などが視野に入り部数決定される、といったところでしょうか。
私の出版コンサルのクライアントさんでも「1万部からいくそうです!」とお知らせいただいたこともあります。
基本、大手級の版元にはなってきますが、それにしても「すごいなー!」って思いました。
そしてここから重要ですが、商業本は、3000部とか1万部が初版であれば、それだけ売れればいい!ってことではないです。
3000部「からスタート」です。
1万部「からスタート」です。
要はどういうことかというと、それだけ売って満足してもらっちゃあ困るよね!という感覚です。
あくまでも、この部数からスタートするのであって、3000部以上・1万部以上売り抜いていく!という現れです。
その意味では、ここは結構著者にとってプレッシャーにもなってきます。
もともとそうですし、現在はなおさらそうですが、ビジネス書や実用書は「著者の方でも販促を行っていく」というのが常套の世界。出版社も動くには動きますが、販売&営業手法において、読者への強力なセールスはできづらい状況です。
だからこそ、著者の方でもしっかり販促ができる「環境」を整えることが何よりも重要です。
ファンを先に作って、本が出たら買ってもらう!という状況を仕込んでおく必要があります。
本は刊行して、本屋さんで売れば勝手に売れていく・・・。。ということは今やほとんどなくなりました。
「著者の販促案」も企画書に盛り込むことが必須、となっている今、著者としても本を作れば終わり、ではなくその後の活動も非常に大事になってくることを覚えておいてもらえると良いでしょう。