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商業出版する方法#85〜ある大物著者から編集者に対するSNS上のメッセージが強烈に印象に残った件。

元KADOKAWAの編集者でビジネス・実用書出版コンサルの渡邉です。
今回、長文ですのでご注意ください。


先日Facebook上で、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのベストセラー著者であり
精神科医の樺沢紫苑先生が以下の発言をしておられました。


========
編集者各位
出版依頼をする場合は、
最低、自己紹介は書いてください。
残念な事に、
90%の出版依頼で自己紹介が
書かれておりません(笑)。
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その後、コメント欄で以下の続きがあります。


========
ちなみに、自己紹介とは、
今まで手がけた代表的な
書籍(数冊)とその部数です。


たったの2~3行でよいのですが、
それすら書いていないというのは、
社会人としての常識を疑います。


ほとんどの編集者は、
「○○出版の××と申します」の1行だけ。
1年目のペーペーの編集者か、
20年目のベテラン編集者かもわからないのに、
会うだけ時間の無駄というものでしょう。


また、本気で一緒に本を作りたいのなら、
その著者のSNSくらいはフォローして欲しいですね。

定期的に「自己紹介を書いてください」
投稿をFacebookに投げおくことで、
Facebookをフォローしているのかが、
一瞬でわかる、という仕組みでございます。
==================

詳細URLはこちらから。
https://www.facebook.com/kabasawa2/posts/4179053305484456


この発言について、渡邉の見解をお伝えしておきましょう。


1)大物&ベストセラー著者らしい発信

久々というか、いわゆる「大物著者」とらしい発信が顕著に出たなあ、という感想です。


これはね。
すごく良い意味です。


私はもう出版社の編集者ではないのですけど
「そうか!そうだよね!」
という改めての発見でしたし、
「そういうことか!」とも気づきがありました。

かくいう私も、出版社時代は自著を含めた紹介を著者への依頼のさい、あまりしていなかったなあ、、というのがありました。


それもこれも「会社員」だったしKADOKAWAという名前がどうしてもインパクトが強かったこともあり、まさに「会社の名前」で仕事をしていた、というのは完璧にあります。

だからこそ、反省しますね。
そして、「ああ、こういうことを各出版社の編集者に先生は求めているんだな」と明確に発言してくれたことに感謝します。

なんたって、今樺沢先生は「ご多忙!!」な渦中なのですよね(多分)。


本も売れているし、youtubeをはじめとしたSNSの発信もめちゃくちゃ活発です。


メディアからの「依頼」がとにかく耐えないのだと思います。

かつ今は「メンタル」に関する人々の関心は10年前よりもさらにさらに注目を浴びています。

コロナ禍だったり、天変地異が頻発していたり、経済や社会情勢は不安定の一途。

変化も激しいし、「うつ」をはじめとしたメンタル疾患にかかる人は数倍も増えていて精神的に病むのは「誰もが当たり前になる」の状態。


だからこそ、こういった著者先生が今まさに求められている!と言っていいでしょう。

つまるところの売れっ子&ベストセラー著者、売れに売れている著者先生です。


そのような著者さんだからこそ、出版社(の編集者たち)は


「あの先生は今有名だし本も売れている。本書いてもらえれば出版社としても利益になるから著者として確保したい!」

ってなると思います(はい、ぶっちゃけ)。

よって「争奪戦」状態になっていると・・・想像できます。

そんな中で著者サイドとしてもどこの出版社と組むかどんな編集者と一緒に仕事をするか、シビアに見極める必要がある。


でないと、確かに「時間の無駄」ですからね(^^;;。


 
 
その意味では大物著者らしい発言だなあと感じ入るし、久しぶりに
著者らしい発信だなあ〜と思いました。


2)編集者も完璧な人たちばかりではないし、ヘンテコなやつもいる

私が知己を得ている編集者には、あまりそういう人は見かけませんが・・・。

編集者の中には確かに「礼儀しらずすぎてアホやな」みたいな人も
一定数いるようです。


私がよく聞く話でどうなのかな・・・と思える編集者は、、


>著者に連絡をほとんど取らない


>なぜか編集作業が一旦停止されていて
なかなか本が出ない


>編集担当本をSNSなどで
宣伝しようともしない
(ただ自分のこだわりを持って
作って終わり、みたいな人)

>編集者が企画を立てないで
考えようともしないで
企画書もなくいきなり著者に連絡し、
一緒に企画を作ってもらえるよう
催促してしまう


>新人嫌い
(→知名度がないからダメでしょ、
って一刀両断なタイプ)


・・・・・・
他にもいろいろあるのですけど、、こういう感じがおもかな。


変な意味で「高圧的」だったり自分の言うことをきかせる!といった強気バリバリの編集者もいます。


そのくせ自分は、本の宣伝とかにはあまり関わらない(関われよ!って私個人は思いますけどね)。。

樺沢先生の場合だと売れている著者先生でもあるので、中には変てこな依頼をしてくるメディアや編集者なども多くなってきているのではないでしょうか。

なお「著者にしたい人のSNSくらいフォローして」ともありましたが、渡邉からすれば「著者として依頼したい人のSNSや発信を見ないヤツも確かにいるんだよな・・・」って思いました。


著者として依頼したいな、と思える人のSNSやブログ既刊本があれば、目を通すのが編集者の仕事として普通ではあるんですよね。

それすっ飛ばして「とりあえず依頼して、とりあえず打ち合わせに行かなきゃ!」みたいな編集者は、私は直接知り合いにいませんが、そんな人もいる・・とは聞くことがあるので・・。

だからこそ、売れている著者先生からすれば「面倒!」って思うケースもあるでしょうね。


>>
定期的に「自己紹介を書いてください」
投稿をFacebookに投げおくことで、
Facebookをフォローしているのかが、
一瞬でわかる、という仕組みでございます。
>>

これが本心でありエッセンシャルな部分ですね。
自分の発信をちゃんとみてくれててマジのマジで真剣に本作りをしたい!、力のある編集者や出版社と組みたい。


その見極めのための投稿なのでしょう。。。


3)著者と編集者は、対等でお互い思いやりを持った関係性と「読者」への意識が何より大事だよね、って話。

フリーであっても、本の編集などにまだ携わることもある渡邉からしても思うのですが・・。


やはり本作りは著者と編集者の「共同関係」が大事であり、


どちらかが、どちらかの利害やエゴだけで動いてしまうと良い本はできないかな・・と思います。

出版社も著者もそうだと思いますが、どうしても自分の利益のことだけ
自分のことだけにベクトルが向いていると、良い本は生まれないし読者にも支持されません。


私が思うに、出版社の編集者でも優秀な人はいっぱいいます。本当に読者や出版のマーケットを考えて企画をたて、本作りをし、広めるための知恵と行動を日々やって戦っている編集者の方は多いですよ。

そして、著者さんでも「もっとたくさんの読者に、購読される企画はなんだろう」
「本当に読者のためになる本って何かな?」
「売れる本ってどんな内容だろう」
てことを愚直に考え、プレッシャーに押し潰されながらも、執筆作業に明け暮れる大御所著者もいらっしゃいます。

何よりも大切なのは「読者」を向いて真摯に考えることではないかな、ってシンプルだけどそこに行き着くと思います。

本をなかなか「買って読んでもらう」ことが容易ではなくなった時代だからこそ、知力を使い倒す必要があります。

あなたのビジネスとかクライアントとか、、そういうのではなくて何よりも「読者」です。

本は、あなたのビジネスの宣伝のツールでは、、やっぱりないです。


エンターティメントであり知識・智慧シェアのパッケージ商品です。
(商材でもないです)


「読者」にとって本当に有益な本ってなんだろうと、「読者」が買って読んで、

・ためになった
・勉強になった
・感動した
・意識が変わった
・行動が変化した
・生き方に良い影響が
もたらされた・・・!


そういう声をどれだけたくさん広げられるか、ではないかなって思います。


シンプルだけど、「購読する読者」に徹底してフォーカスし、考えることが大切かな、って思いますね。

あと、樺沢さんがおっしゃっていることって「ビジネス上のコミュニケーション・マナー」の大事さもあると思うので、自戒を込めて私も真摯に受けとめたいと思います。


今日はここまで!
読んでくれてありがとうございました!


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