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猫とギター

今は夜10時。
町は駅に向かう人やお酒を飲んで酔っ払って騒いでいる人、楽しそうに話しながら散歩をしている人など、皆が好きな時間を過ごしている。

僕はこの時間になるとギターと機材を持って、町に演奏をしに来ている。
ギターは僕の長年の相方だ。

今日演奏する楽譜を開き、販売するCDを置いて、準備を整えた。

足踏みをしてリズムを取り、演奏を始める。
街ゆく人達は少し演奏に耳を傾けては、自分達の会話に戻っていき、立ち止まる人は居ない。

1曲目が終わると、2曲目を歌い始める。
希望を持とうというメッセージを込めた曲で、自作した中でもお気に入りの作品だ。

周りを見ながら演奏を続けていると思わぬ観客が来た。
茶色と黒の柄が混ざった猫だ。
偶然にもギターと同じ柄で運命を感じる。

「ニャーオ」と一言言うと、猫はその場に座った。
猫は可愛い顔でこちらを見ている。
この猫をくび丸と呼ぶことにしよう。

僕は演奏を再開した。
いつもより大きめな声で歌を歌うと知らぬ間に人だかりが出来ていた。

そのまま3曲目、4曲目と演奏を続け、演奏は大盛り上がりでCDを買ってくれる人もいた!

帰る時間になり、ギターをケースにしまった。
ギターをしまうと、くび丸も居なくなっていた。

「君がお客さんを呼んでくれたんだね」

ギターを見て、僕は感謝の言葉を呟いた。

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このお話はspoonの弾き語り配信者のくび丸さんから依頼をもらった為、書いたものです。

書いた期間は10月の半ばで、出産前日も修正をしておりました。懐かしいです。

朗読のような、詩のようなものにして欲しいと言われました。

いつかギターのメロディに乗せて歌いますと言われているので、楽しみにしています☺️

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