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見知らぬ人から、手作りお菓子のおすそ分け?世界で広まっている"フードシェアリング"

先日、友人の生活しているフィンランドへ遊びに行ってきました。
彼女には以前、現地での生活についてSHOCK TUCKに寄稿をしてもらったのですが、そのときに教えてくれたのが自分が食べられない・いらないものをシェアするという文化。記事の中にも、道端に「ご自由にどうぞ」と置かれたバケツいっぱいのりんごの写真がありました。

フィンランド・タンペレについての記事 by ハナ

今回 私自身もフィンランドを訪れてみて、食に限らずモノを大切にする文化に関心を受けたのですが、そんな滞在中のある朝 フィンランド伝統のシナモンロールを食べようとカフェに連れて行ってもらったときのこと。

「食べ物をシェアする、こんなアプリもあるんだよ〜」

友人が教えてくれたのは、"ResQ Club(レスキュー・クラブ)"。「サステナブルな飲食店やスーパーと、お手頃価格で高品質なものを食べたい消費者をつなぐ」フードシェアリングサービスを展開するフィンランドの会社です。

この「フードシェアリング」という言葉、近頃はメディアで取り上げられることも増えていますが、何のことかご存知でしょうか。

直訳すると「食べ物を分ける」ことですが、特にレストランやカフェで売れ残っていて、1日の終わりには捨てられてしまうかもしれない食べ物を、割引価格でお客さんに買ってもらうことで フードロスを減らそう!という取り組みを指すことが多いです。

位置情報を利用したマップやリストで、このような飲食店とお客さんをつなぐお手伝いをしているのが、フードシェアリングサービス(アプリ)。
フィンランドでは先ほどのResQが主流のようで、シナモンロールを食べたカフェにもこんな表彰状が!(ほぼフィンランド語なので私は読めませんが... "Best of ResQ"とあります)

私が現在留学しているイギリスでも、複数のフードシェアリングサービスがあります。

Too Good To Go(トゥ・グッド・トゥ・ゴー)

こちらはデンマーク生まれですが、イギリス、ベルギー、フランス、ドイツ、ノルウェー、スイス、スペイン、そしてオランダでも展開されているサービスです。

フィンランドの前にフランスを旅していたときにも、リヨンのレストランにToo Good To Goのステッカーが貼られているのを見かけました。イギリスでも有名なチェーン店から個人経営のカフェまで、数多くのお店が参加しています。
驚いたのは、現在留学中の大学内のカフェや食堂でも利用できること!昼食のピーク時間を過ぎても残っているサンドイッチなどを、割引価格で買うことができました。

こちら↓は、街のパン屋さんで利用したときのレシート。食べ物をフードロスから救ったことで、どれだけのCO2が排出されるのを防いだのかが表示されます。夜通しテレビをつけっぱなしにしているとかかるぐらいのCO2が排出されるのを防ぐことができたみたい(分かりやすいのか、分かりにくいのか?笑)。

Karma(カルマ/カーマ)

スウェーデンのスタートアップによって開発されたアプリで、現在イギリスではロンドンのみでサービスが展開されています。私自身はまだ使ったことがありませんが、お気に入りのカフェも参加しているようなので タイミングが合えばトライしてみたいと思っています。

ここまでイギリスで利用されている2つのフードシェアリングサービスをご紹介しましたが、「イギリス生まれちゃうんかい!」と思った方もいらっしゃるかもしれません・・・

イギリス生まれのアプリも、ありますとも!
しかも、他のサービスとは少し特徴が違います。

OLIO(オーリオ)

最近イタリア語を勉強しているので、OLIOと聞くと「オイル?」と思ってしまいましたが、多種多様なものの集まりのことを指す単語なんだそう。

他のサービスと何が違うのかというと、OLIOで食べ物をもらうのは無料!そして、もらう側はもちろん 食べ物をあげる側も、ほとんどがお店ではなく一個人なのです。

賞味期限が近い(たまに切れているものも!)加工品、開封済みの茶葉、さらには手作りのお菓子まで、出品されている食べものはバラエティに富んでいます。
衛生面や、(見知らぬ人どうしが時間と場所を決めて会うので)安全面など、日本で同じサービスをやろうと思ったら浸透するのだろうか?とも考えてしまいますが、人とのつながりが希薄になりがちな都会に暮らす人たちが フードシェアリングを通して知り合えるのは素敵だと思います。

私も一度、授業で友人とプロジェクトを行った際に、OLIOを通して手作りのピーカンパイをおすそ分けしてもらったことがあります。このときは直接相手に会わず、その人の家の近くに置いておいてもらったパイを取りに行ったのですが、パイには「お口に合いますように!」という手書きのメモが。ほっこりしました。

このように、フードロスを防止して環境への負荷を減らしつつ、飲食店にとっても消費者にとってもWin-winな状況を生み出すフードシェアリング

住んでいるエリアによっては出品数が少なかったり、購入品の受け取り時間が閉店間際になることが多いので ちょっと急かしてくる店員さんがいたりと、誰もが気軽に楽しく使えるサービスだとはまだ言い切れませんが とても画期的です。

日本にも"TABETE"や"Reduce Go"などのサービスがありますが、私はまだトライできていないので 使ったことがある方がいれば是非お話を聞かせてください!

OLIOのようなサービスはまだ無いかもしれませんが、身近な人とフードシェアリングを始めてみるのもいいのではないでしょうか。特に寮やシェアハウスで生活している人は、使い切れない食材や作りすぎたおかずをルームメイトにおすそ分けするのも立派なフードシェアリングです☺︎

では!

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