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「私の好きが詰まっている世界」Dò/she代表、小嶋美樹さんへインタビュー。

憧れと経験からオリジナルの仕事を作り上げた人。自分の強み・弱みを分析して生きている人。
出会った頃はまだまだ知らなかったけれど、現在の彼女からは強くそう感じる。

こじみきこと、小嶋美樹さんとは2018年のフランス・パリでの出会いから、本当によく話し合う仲だと思う。
コンスタントに近況もアップデートしているはずだったけれど、改めてインタビューという形で過去も含めてお話を聴くと新鮮な話題もたくさん。
人間関係を築き上げているからこそ、多くの人に届いてほしいと思わせてもらえたインタビューです。


▼美樹さんプロフィール

小嶋 美樹(こじま みき)
・ミス・コンテスト業界8年目
・2021年 ロングドレス選びに苦労した経験を元に
 コンテスタント向けのドレスレンタルサービスをスタート。

ーDress your own beauty.
あなたらしい美しさを身に纏う。

ー2022年はどんな年だった?

2022年の漢字はずばり「考」。
年始に「社長になる」って決めて、しっかり自分と向き合った。
仲間も増えて、市場調査やマネジメント、資金調達、プレゼンに数値だったりとか、考えることがすごく多いって実感した。

社長って決断の連続。
思考するって、自分の時間もメンタルも必要で、むずかしいこと。
今の事業が2年目に入って認知度が広がってきたからこそ、営業時間や同意書がなかったことにも気づいて、お客様と一緒に変化してきた年になった。
昨年秋にいろいろなタイミングが重なって、会社を手放すかを考えるほどパンクしそうになったんだよね。
だから休暇をもらって、ゆっくり考えたんだけど・・・。

自分が1から作ってきた会社が、狭い業界でも誰かの憧れになったり、夢を与えられるものになっていたから、これは続けていきたいって思えたんだよね。
Dò/she =自分の子供のような存在だと気づいた。
大きくすることもむずかしいけど、一番むずかしいのは継続すること。
私は継続することが苦手で、これまで1年ごとに転職や立ち上げをしてきた。
Dò/sheは2023年で3年目に入る事業だから続けたい。
それに、今や私一人のものじゃないから、続けなきゃいけない。

ー起業の理由は、理想のドレス?

ミス・コンテストは本当に華やかなステージなんだけど、「どうして日本のドレスは他の国と比べてこんなに華やかさがないの?」って思った。
照明が当たって光る感じや、生地の質感も。

分かる範囲で最も良いドレスを選んでいたけど、大会のためのドレスってコンテストに挑戦する世代にとっては大きい出費なんだよね。
私は10回近く出場したけど、一生に1回の子だっている。
なら、同じ金額でももっと華やかなドレスを着てほしいと思った。
勇気を持って決断して出場している子に向けて、世界基準のドレスを提供したかった。

ー取引先、フィリピンとのご縁は?

コロナ禍で、ミス・コンテスト大国のフィリピンから大会が消えた時期があったんだよね!
だから現地のドレスショップの人たちの力になれたら・・・と思った。
コロナ禍前に住んでいた国でもあるし、彼らの手助けにもなったらいいなと思って、パートナーシップを組むようになった。

ーコンテスト業界にいる理由は?

もともと美容の仕事が好き。

美容学生時代の友人に、外見を「ミス・コンテストみたいだね」って言われたのをきっかけに、初めてミス・コンテスト業界を知った。
こんなに華やかな業界があるんだって。
当時、ミス・ユニバースのナショナルディレクターでフランス人女性のメゾット本を読んだのね。
その本の1ページ目に「内面の美しさが大事、それが一番の自信」と書かれてあって。

ヘアスタイルやメイクで外側を綺麗にするのが美しさという考えがガラッと変わった。
内側って磨けるんだ、中身を磨くのも美しさなんだ!ってすごい衝撃を受けた。

もともとモデルになる夢はあったけれど、自分が一般的なモデルのカテゴリに入ると思っていなかったし、勝負したいけど不安もあった。
でも内面を磨いて順位を決めるミス・コンテストの世界なら、自分も磨ける自信がある、そこをみてもらえるんだって思えた。

あとは、一緒に挑戦する女の子がどんどん綺麗になっていく姿を身近に見ていられるのが大好き。
大会前のビューティキャンプ初日に、スニーカーとリュックで来て怒られて泣いていた子が、ドレスやハイヒールを履きこなしていくシンデレラのような姿が印象的だった。

ミス・コンテストの世界には、私の好きなものが詰まっていた。
今は実質ドレスを貸しているけれど、ドレス屋さんをしているというより、お客様が自信を持ってステージに上がるお手伝いをしている感覚。

ーコンテストに出場していた当時、「自分さえよければいい」という気持ちにならなかった?

最初はそういう気持ちだった!
他に出場者の短所を見つけたり、今思えば良くないけれど自分を持ち上げていることに必死だった。

けど2020年の大会ではみんなの魅力を知って、「誰が勝ってもいい」って気持ちで挑んでいる自分がいた。
自分も全力で努力しているし、その方がメンタルも落ち着いて。
みんなも素敵だよねって気持ちだった。
そのマインドになってからは、結果にこだわらなくなった。

ーミスコンだから言えること?他のことでも言える?

うーん・・・結果を受け入れるってことかな
もちろん出場するなら目標は、優勝。
勝ったら代表として責任を持って行動するし、もし勝てなくても精一杯準備してきた自分に自信をもって生きていける。
勝負事で「絶対勝ちたい」って執着心がなくなった。

ーそれは起業したから?

なぜかわからない。(笑)
順位付けがあるから努力するし、順位付けがあるから精神的に不安定になることも知ってる。
だけどステージを楽しんでほしい。
結果に繋がらなかったときに、ドレスやスピーチを悔いるんじゃなくて、どんな結果でも楽しむことが大事。
過去は1位を取らなければその後は活動できないと思っていたけど、冷静に考えるとコンテストの結果がなくても、どの業界のリーダーにもなれる。

私はグランプリになったことがないけれど、こうして現在はドレスレンタル事業をしていて、コンテスト業界に携われている。
納得できる努力をしてコンテストに熱中した結果、こういう生き方もあるんだよ?っていうロールモデルになれたらと思うな。

ー今後、コンテストの運営はしない?

しない。
私は今の立ち位置だから、様々な大会に出る子を応援できる。
中立的な立場で携わっていられるからできることが多いのかな。

ー起業1年目と2年目の違いは?

私の知らないところでDò/sheが大きくなっていること。
少しずつ、自然と広がってきてるのを実感していて。

「来年はDò/sheのドレスを着たい」って声も間接的に聞いたりして、誰かの夢や憧れになっているって知ったときは本当に嬉しかったし、私にとってのやりがいになる!

ー小嶋美樹、自身の違いは?

2021年の自分は必死だった。(笑)
平日は会社員もしていたから、朝から晩まで働いてなんぼって感じで、自分に構ってあげていなかったんだ。
メイクもファッションも必要最低限で、食事の時間も1日の休みさえ惜しいし、毎日目の前の業務をこなすのに必死だった。

2022年に入ってから、大好きなメイクやファッションは忙しくても楽しもうって思い直した。
自分を綺麗にしておくことは自分だけのためではなくて、Dò/sheのためにもお客様のためにもなるって。

そうしたら周りの人に「最近、楽しそうですね」「綺麗になりましたね」って言われたりして。(笑)
美容は一番好きなことだし、自分を大事にすることで幸福感が周りに伝わっているのかな。
落ち込んでいた時期には、仲間に心配をかけてしまったし、うまく息抜きするように心がけるようになった。

ー他に進めてるプロジェクトは?

フェムテックを学んで、女の子が身体と向き合うことを広めたい。
ミス・コンテストと真逆にあるようで、直結してると思うんだよね。

モデルやコンテストのために身体作りをする子って、痩せすぎていたり、婦人科の悩みと隣り合わせだと思う。
それに、20代の女の子たちに正しい情報を伝えなきゃって使命感みたいなのがあるのかな。
自分の身体を学ぶことも美意識の一つだから。

医療もダイエットも、自分の特徴を知ったうえで何を選択してカスタマイズするのかが大事なんじゃないかな。
SNSからの情報や流行り、友達や有名人がやっているからではなく、自分が心地よく続けられる習慣が見つかれば楽なのにって。

ー女性社会、どのように変えたい?

Dò/sheのサブタイトルが、dress on your beautyなんだけど。
これです!っていうパッケージを提供したいんじゃなくて、その人が持つ魅力に合うもの、魅力を引き出せるものを提供したい。
生涯、女性の魅力を引き出したいって軸は変わっていないのかも。

―今、大切にしているものは?

人かな。
最近、自分を作ってるのが周りの人だって気付いた。
誰かと連絡をとって、それが仕事になっていったり、他愛もない会話からビジネスアイデアが生まれたり。
そうやって人と交わっているのが私の生き方かな。

ー好きな言葉は?

Life is beautiful.
年を重ねるほどに美しい人になりたい。
年を重ねて中身も外見も、人間性も含めて魅力をアップデートしていく人生にしたいな。

ーインタビューを読んでくれた人に伝えたいことは?

自分自身と向き合うことから逃げないでほしい。
情報が溢れていたり、周りのものが目に見えやすい時代。
だけど、あなたの周りじゃなくて自分の中にあるものをしっかり見つけてほしい。

紙とペンがあれば今すぐできる。
自分が出来ること、考えていること、本当に求めているものはなにか?を書き出してみたり。
まずは自分の中身を見つめる時間を作ってみてほしい。

そうしたら住む場所、付き合う人、部屋に置くものだったりが決まってくるんじゃないかな。
私は「美しい」って言葉が本当に好きで、美しいって決まりがないじゃない?
磨かれた鏡はキレイって言うけど、何十年も動いている古い時計は美しいって言ったりするでしょ。
皆さんの人生、内側にある美しいものを今後も大事にしていきたい。


ーこじみき、ありがとうございました!


話すときの目の輝きや、声から伝わる温度感などから、好きを追求することの大切さを改めて実感させられる時間でした。
これから何年も続いていく、Dò/sheの変化、美樹さんの変化を楽しみにしています!


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