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ストレスは本当に悪者なのか

 こんにちは。
 愛媛県で理学療法士、スポーツトレーナーとして活動しています宇治村信明(うじむらのぶあき)と申します。

 今回は、"ストレス"についてお伝えさせていただきます。

 
 はじめに、皆さんは"ストレス"をどのように捉えていますか。

①ストレスは健康に悪いものだから、なるべく
 減らしたり避けたりしないといけないもの
②ストレスは役に立つものだから、なるべく受
 け入れて利用し、うまく付き合っていく必要
 があるもの

 皆さんは①と②のどちらでしょうか。
 一般的に"ストレス"は悪者だと思われているため、①を思った方が多いのではないでしょうか。

 ストレスが溜まる、ストレスでしんどい、ストレスで体調が悪い、ストレスで腰が痛い。

 一般的に"ストレス"という言葉は、悪い文脈で使われています。できるだけ軽減し、解消しなければいけない対象としてみなされている"ストレス"。

 果たして"ストレス"は、本当に悪者なのでしょうか。

■ストレスの捉え方 -全ては思い込み-
 
 『ストレスは健康に悪い』。
 現代人のほとんどはそう思っています。この"ストレス"について、いろいろな報告がされています。

『ストレスは健康に悪い』と考えていると、
健康不良や死亡率が高まる

 
 ということは、『ストレスは悪者だ』と思うことが有害であり、ストレスは人間を成長させ、さらにストレスへの向き合い方次第で健康や幸福感にも良い影響を与えるものだということです。

 また"不安"や"緊張"も大きな"ストレス"を感じることだと思います。

 "不安"や"緊張"については、どう考えていますか。
 "不安"はエネルギーを減らし、消耗させるものだと思いますか。または"不安"はエネルギーの源だと思いますか。

 "緊張"してしまうのは、自分がプレッシャーにうまく対応できていないからだと思いますか。または"緊張"は脳と身体が力を出そうとして、頑張っている反応だと思いますか。

 "不安"や"緊張"を感じることは、『興奮やエネルギー、やる気の表れだ』と思うことで、自分の実力を最大限発揮することができます。

ストレスに対処するための最善の方法は、
ストレスを避けよう、減らそうとするのでは
なく、ストレスについての考え方を改めて、
ストレスを受け入れることが重要。

 
 "ストレス"に対する考え方を改めることで、全てその思い通りになるということです。

 また"考え方"でストレスホルモン(コルチゾールとデヒドロエピアンドロス)の分泌が変わることも報告されています。

①コルチゾール
 糖代謝や脂肪代謝を助け、身体と脳がエネル
 ギーを使いやすい状態にする
② デヒドロエピアンドロス(DHEA)
 神経ステロイドの一つ。脳の成長を助ける
 男性ホルモン。

 
 この2つのストレスホルモンは成長するのに必要ですが、ストレス反応によってこの2つのホルモンバランスの不均衡により影響が出てきます。

 以上のことから、まず"ストレス"を感じたら、ストレスを認識し、身体にどんな反応が表れているのか確認してみましょう。
 そしてストレスを受け入れ、悪いものではない捉え、良い影響に転換するためにどうすればいいか考えてみましょう。

■ストレス反応の種類

ストレス反応には、様々なものがあります。

闘争・逃走反応(脅威反応)
 動物の恐怖への反応で、差し迫った危機的状
 況において、戦うか逃げるか身動きを止める
 方法で生き延びるために備わったと考えられ
 ている。
チャレンジ反応
 自信が強まり、進んで行動を起こし、経験か
 ら学ぼうとする。心拍数上昇、アドレナリン
 急増、筋肉と脳にエネルギーが送り込まれる
思いやり・絆反応
 勇気が強まり、進んで人の世話をし、社会的
 な関係を強化する3つの中で特に『チャレン
 ジ反応』は重要です。『チャレンジ反応』
 は、日常生活やスポーツ競技において最高の
 パフォーマンスを発揮するのにとても必要不
 可欠なものです。

 
 実力を発揮したい時は、"チャレンジ反応"ほど役に立つストレス反応はありません。
 "チャレンジ反応"が起これば、力が湧き、実力をフルに発揮して、経験から多くのことを学ぶことができます。また健康にも良い影響を与えます。
 
 しかし、プレッシャーがかかった時に、"チャレンジ反応"を起こすのが理想的ですが、"脅威反応"が起きてしまうことが多くあります。

 人間はプレッシャーにがかかった際に、どの反応を起こすのかを決定する要素があります。それは、『プレッシャーに対処できる自信を持っているかどうか』です。
 人間はストレスの多い状況に直面すると、その状況と自分の力量を無意識に天秤にかけ、自分の対処能力を判断しています。

 自分の持っている力や手段を明確に意識できている(自分の強みを認識すること)と、"チャレンジ反応"が起こりやすくなります。

 "不安"や"緊張"で鼓動や呼吸が速くなっているのは、身体がエネルギーを与えようとしている証。身体が緊張しているのは、ストレス反応のおかげで力が湧いている証。手に汗をかいてきたら、それは自分の求めているものがそばにあるから。

 "ストレス"を受け入れることは、勇気をふりしぼって自分の力を信じる行為です。自分には能力があり、何かあれば身体が助けてくれると考えることが重要です。
 "ストレス"を感じなくなったら、やりたいことができるはずだという考え方は間違いであり、"ストレス"でやりたいことができない、自分はダメだと思う必要はありません。
 ストレスに対する考え方を変えることで、自分の持っている力に気づけ、勇気を出すことができます。

 このようにストレス反応に対する自分の考え方を変えていきましょう。すぐに変えることは難しいと思いますが、意識して取り組むことでパフォーマンスも変わってきます。

■まとめ

 今回、"ストレス"についてお伝えさせていただきました。

 悪いものだと認識されている"ストレス"。今回の記事を通して知っていただきたいのは、『ストレスは害になるが、ならない場合もある』ということ。

①ストレスは健康問題のリスクを高めるが、周
 りの人を手助けしたり、仲間のためにボラン
 ティア活動を行ったりすると、このようなリ
 スクは見られない。
②ストレスは死亡リスクを高めるが、目的意識
 を持って生きている場合は、このようなリス
 クは見られない。
③ストレスはうつ状態になるリスクを高める
 が、苦しみの中にも良い面を見だしている場
 合は、このようなリスクは見られない。
④ストレスは無力感をもたらすが、自分には対
 処する力があると思うと、このような影響な
 見られない。
⑤ストレスは心と身体を衰弱させるが、ストレ 
 スのおかげで力が湧き、やるべきことができ
 る場合もある。
⑥ストレスは人を利己的にするが、ストレスの
 おかげで利他的になれる場合もある。

 
 このように"ストレス"は改めて悪いものではありません。ストレスに対する考え方を変え、良い影響を与えていきましょう。

 
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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