脳卒中リハビリをする上で知っておくべきワード②
こんにちは、理学療法メモです。
前回につづき脳卒中リハビリで重要なワードについてザックリと解説していきます。
今回は目にみえない内容が多いので、すこし難しく感じるかもしれません。
どうかアレルギーを起こさないようについてきてくださいね。
錐体路(皮質脊髄路)
まず錐体路と皮質脊髄路の違いから
錐体路とはその名の通り、延髄錐体を通る経路(みち)のことをいいます。
皮質脊髄路とは大脳【皮質】からはじまり、【脊髄】まで下降する経路のことをいいます。
今回は「錐体外路」についても解説するので錐体路というワードで進めていきます。
これらは一次運動野から投射する運動神経繊維としてのイメージが多いですよね。
ですが、この表現には少し語弊があり、
錐体路は一次運動野だけではなく、ほかの補足運動野、運動前野や感覚野などからも投射があるとされています。
これが何を表しているかというと、
一次運動野のみが障害されたとしてもまだ回復の余地をのこしている
ということです。
細かなことですが、覚えておきましょう。
錐体路のおおまかな役割
次に錐体路の役割です。
それは前頭前野でつくられた運動司令をもとに筋肉を動かすこと。
そのためこの経路が損傷すると、
手足を動かしたいのに筋肉が動かしづらくなる
などの、運動麻痺という症状を呈します。
また運動麻痺だけでなくバビンスキー反射や、深部腱反射の亢進といった錐体路徴候も見られます。
そしてこの錐体路の約80%が延髄の錐体で交叉[錐体交叉]し、反対側の四肢遠位筋(手の指や足など)を支配します。
なので錐体交叉よりも上部で損傷すると、損傷側とは反対側の手足に症状がでるのです。
残りの20%は、交叉せずに同じ側を下降し近位筋(体幹や肩、股関節まわり)を支配すると言われています。
こういったことから、脳の損傷では単に健側・患側といった分け方ができないので、麻痺側・非麻痺側と分けることが多いです。
錐体路の経路を確認
最後に錐体路の経路を確認しましょう。
錐体路は一次運動野⇨内包⇨延髄錐体(交叉する)⇨脊髄外側の順で下降します。
錐体外路
錐体外路とは?
ここまで錐体路について解説してきました。
では錐体外路とはなんでしょうか?
厳密にいうと語弊があるかもしれませんがザックリとまとめると
錐体路以外の運動経路で姿勢制御にかかわる経路といったところでしょうか。
具体的な経路としては、、、
橋網様体脊髄路
延髄網様体脊髄路
外側前庭脊髄路
内側前庭脊髄路
視蓋脊髄路 etc.
まだもう少しあります(笑)
これらの経路は動物実験レベルから役割を推測されていますが、
ヒトにおいてどういう役割を果たすのかまだハッキリと解明されていません。
大事なこと
今回はこの辺にしておきますが、一つ重要なことがあります。
それは、
随意運動(錐体路)の裏には必ず姿勢制御(錐体外路)が働いている
ということです。
どちらも相互的に協調しあって初めて円滑な動作が成り立ちます。
目の前にいる対象者の方が
随意運動ができないのか。
姿勢制御ができないのか。
はたまたどちらもできないのか。
これらをいま一度考えてみると介入の糸口がみえるかもしれません。
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