「わたしを利用してくれてありがとう」--何にも繋がっていない人生なんて、想像もしたくない。
6月11日、カート・ヴォネガット・ジュニア著『タイタンの妖女』ハヤカワ文庫、読了。
「比喩の森の中のけもの道をかき分けかき分け歩いているような読み心地。」
と、タイタンの妖女を読み始めたすぐの頃私はTwitterに投稿していた。
この小説は荒唐無稽な事柄で埋め尽くされているが、どれもこれも、大切なことについて語られている。物事の本質が語られている。これから読む方は、どうかそこが地球でも、火星でも、水星でも、タイタンでもまたはどこでも構わないから、場所にはこだわらないでほ