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高齢者の足に視点を向ける

フットケアが日本に到来して約30年。私は、足のケアができるフットケアサロンなどが無い地域に暮らしている方や外出が困難な方にも身近に足のケアが受けられるようにと2018年より地元宮城県内の在宅や高齢者施設などへ訪問によるフットケアを始めました。この仕事を通じて私が感じていることのひとつは全国各地の至る所に足のケアができる専門職や専門医の数が少なく、足のトラブルを抱えている高齢者の気持ちも足のケアも見過ごされがちになっているのではないかということ。それは高齢者が足を使う動作、活動や運動等を控えることにもなり兼ねないことでもありフレイル或いは要介護状態へと負の連鎖を招く恐れも潜んでいるのです。専門職の皆さんが自分の職務の中で「できること」「できないこと」も勿論あることだと認識しております。先ずは、身近な高齢者の足へ視点を向けられる人が広がっていくこと。そして高齢者自身によるセルフケアができる人も含めて足のケアができる人の普及、そして介護士さんなどの高齢者に携わる専門職の『職務内で可能な足のケア』が今後広がっていくことや変わりゆくことに繋がればと想いながら今回は視点を変えて綴りました。


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立ち上がる際に爪先側に荷重が掛かるため、このような爪ですと爪は余計皮膚に食い込みやすくなり痛みを生じる場合もあり得ます。歩行の際も、歩く度に爪が皮膚にあたり痛みが生じたり、爪が邪魔をして足のユビを最大限に使うことができずに不安定になりやすい足元になる為「痛くて」「怖くて」と高齢者が歩くことを控えたり、歩きたくないという気持ちが湧くのも分かります。


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言いたくても言えないという高齢者もいらっしゃいます。年代問わず足の爪の端を切ることが難しいと言われる方がとても多いです。切り方次第では、このように爪が棘のようになり歩く度に痛みを生じることがあります。


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関節リウマチや脳梗塞後遺症などの理由で、足のユビを曲げ伸ばしすることができない方もいらっしゃいます。足のユビは歩行、立ち上がり、立位保持動作にも関連してくる部位なのです。「しっかりと歩きましょうね」と声を掛けられる前に、しっかりと足を観てもらってから声を掛けてもらいたいのではないでしょうか?


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老化や疾病等により、今までできていたことも、できなくなってくることがあります。日本人は靴を履く文化がありますので靴にも視点を向けて高齢者をケアしていく必要性があるのだと私は1人の介護士としても想うのです。




*掲載しているお写真はcommyunityfootcaresalonフットスタースマイルにて訪問をしているお客様のご同意をいただいき参考写真として使用させていただいております。


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