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お雛様物語に前章があることを知ってから

毎年、お雛様が7段飾りに鎮座されると、胸がぎゅっと締め付けられる。

私が生まれて初めての雛祭りに、祖父母達が用意してくれた雛人形は、父方の祖父母の家にずっと置いてあった。3月3日になると、大好きな祖父から携帯に電話がかかってくるのが恒例だった。今年もお雛様をお祝いし、私の婚期が遅れないよう、もう片付けたよの報告。

祖父母亡き今、お雛様は私の手元にある。

年に1度お雛様とご対面する度に、「おじいちゃん、おじいちゃんの努力もむなしく、私はお嫁に行ってないよ。ごめんー。」とつぶやく。それに、お内裏様も、女官たちも、五人囃子らも、本当にすまぬ・・・私の為に毎年揃ってもらうのに、本当に・・・

それは、謝罪に始まり、あー、今年も結婚しなかったという現実に一瞬触れ、そして、おじいちゃん達に愛されてたな。本当に。で、締め括られる。

「お雛様なんて場所とるし、もう呪いのようだし、捨てちゃおうよ!」なんてひどいことを母に言ったことがある。

でも母が姪っ子の為に、姪っ子らしいただ一つのひな人形をあちこち探し回ってるのを見て、私のお雛様物語にも前章があったことを想像し、考えが変わった。大切にする。

兎にも角にも、今年も健康でお雛様を祝えてありがたや。おじいちゃん、おばあちゃん、ご先祖様、いつもお身守り下さり、ありがとうございます!

最後までお読み頂きありがとうございます。 いとうれしです。