ブルースだってただの唄 感想1
今日は朝から雨で寒かったけれど、近所のお母さんたちと月1でやるKPOP韓国語の日で、マスク越しだけれど、歌詞を見ながら好きな曲を聴いたり、教科書を読んだり、推しの話をしたりしながら楽しく過ごし、午後は娘の作品が美術館で学校の作品展示されていたので、それを見に行き、うちに帰ってからは本を読んで過ごした。
こんな風に休みの日を過ごすのがとても好きだ。雨の音を聞きながら、暖かい部屋で本を読む。なかなかまとまってその時間がとれなかったのだけど、今日の午後はゆっくりできて、この本も読み終えることができた。
「塩を食う女たち」を読んだ後からずっと読みたかった本。1980年頃、黒人の女性たちがどのように生きていたか、名翻訳者でもある藤本和子さんの北アメリカの黒人女性への聞き書きをまとめた本の第2弾。
前回は広範囲に渡っての聞き書きだったけれど、今回は「女たちの家」と呼ばれる町の中にある刑務所で臨床心理士として働く女性と、その刑務所にいる女性たちから聞き書きをしたものがメインだ。
読み終わって1番印象に残ったのは特別収録された一編「十三のとき、帽子だけ持って家を出たMの話」だった。
私が結婚前、母に今の夫の話を切り出した時、母は「黒人と韓国人だけはダメ」と泣いて反対した。私はどうしてもそれがピンと来なかった。私は平和や共生を謳う私立の学校に幼稚園から高校まで通っており、母もその学校の教育を気に入っていたから。
逆に夫の両親も最初は反対だったようだが、その後はあっさりと「日本人の嫁」を受け入れてくれた。特別収録された一編は、その受け入れた「日本人の嫁」を見る視点になんだか似ていたから、最後にとても親しみを持って読んでしまった。
掃除の仕事をしている家(おそらく白人)の息子が日本人と結婚していて、時折うちに寄る。朝起きるのが遅く、朝はボーッとしているがどうやら本を書く人らしい。うちらの話を聞きたいと言って、それを本にした。今回はその本を読んだ日本人も一緒に来て一緒に話を聞いている。このうちの主の息子は来る度いつも顔を真っ赤にして走っている。健康のためだというけど、そこまでしてやる必要あるのか?みたいな部分が、とても好き。
そこには、けったいだなとか、へんなの…と思いながらも異種なものをそのまま受け止めている視線があるだけ。それがいい。
2につづく。
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