優しい接客

今月末に、
88歳を迎える父親のお祝いを
家族で実施する予定。

今回は、
各自でプレゼントを用意しようということに。

色々悩み、
私は集音器にしようと考え、
ビッグカメラへ。

知人から、
「最近は骨伝導の集音器があるらしいよ」
と販売可能なURLを頂いていました。

ですが、
体の一部として身につけるものなので、
現物を見ないで購入するのが怖かったため、
店頭に行ってきました。
・補聴器に抵抗があること
・頑なに付けたがらないこと
・新しいものに好奇心が旺盛なので骨伝導タイプなら興味を示すかもしれないこと
などを伝え、
製品を選んでいただくことに。

私とおそらく同じぐらいの世代の
とても親身に寄り添ってくれる店員さんが
接客してくださいました。

店員さんのお母様も
耳が遠いらしく、
「ただでさえ抵抗があることに加えて、
知識豊富なことがかえって気に入らないみたいで、
絶対に付けてくれなくて困っています」
とのこと。

骨伝導タイプに関しては、
・軽度な状態なら多少聞こえは良くなる可能性がある
・重度な場合、設定をかなり上げなければならず、
振動により頭痛を引き起こす可能性がある
と教えてくださり、
骨伝導タイプは断念。

また、
補聴器をつけてもすぐに聞こえるわけではなく、
人の声を認識できるようになるまでに
2〜3ヶ月はかかるとのこと。
付け初めはまず、
周囲の音全てが騒がしく感じ、
その音の中で徐々に人の声を認識できるようになり、
その後ようやく声として聞くことが出来るようになるそうです。

このような段階を知らずに、
つけて直ぐに
「聞こえるようになった？」
と聞くのは、
最も本人を追い詰めることになるそうです。

お話を伺うまでは、
全く想定していませんでした。

ネットで購入し、
そのまま渡していたら、
間違いなく会う度に、
「どう？聞こえる？」
と聞いてしまっていたことでしょう。

詳しく説明を伺い、
本人の意志確認無しでは装着してくれる可能性は低いと判断し、
購入を断念。

帰り際に、
「お互い頑張りましょう」
と店員さんが声をかけてくださいました。
こんなに心情に寄り添ったお見送りの言葉を頂いたのは
初めての経験でした。

この店員さんと出会えなければ、
大失敗のセレクトをしてしまうところでした。

丁寧に教えてくださり、
寄り添って接客をしてくださった店員さんに
感謝でいっぱいです。

同じ接客業の立場として、
大切な事を学ばせていただきました。