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ドラマチックすぎる世界の見方をしていないか?『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』

『ファクトフルネス』を読んでいる。
まだ途中だけど、冒頭の「ドラマチックすぎる世界の見方」がおもしろかった。

あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が耐えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
少なくとも西洋諸国においてはそれがメディアでよく聞く話だし、人々に染み付いた考え方なのではないか。わたしはこれを「ドラマチック過ぎる世界の見方」と呼んでいる。精神衛生上よくないし、そもそも正しくない。

この「ドラマチックな物語」に耳を傾けるのは本能的なものだという。人生に意味を見出し、毎日を生きるために必要不可欠なもの。しかし、ドラマチックなものを求め過ぎるあまり、ありのままの世界を見ることはできないと語る。

『ファクトフルネス』では、ドラマチック過ぎる話を認識するすべと、ドラマチックな本能を抑える術、事実に基づく世界の見方が書かれている。

わたしはドラマチックなものが好きだ。映画、好きな芸人さんのラジオ、ドラマといったコンテンツや、散歩していてふと見える美しい景色といった、自分の心を揺さぶるもの。それらに触れているときは気持ちがラクになる気がする。なぜなら、特に最近は現実に世知辛さを感じるから。だからそこから少しでも距離を置けるようなドラマチックなものに惹かれてしまうのだ。

わたしは「世界の見方」についても、残念ながら冒頭で引用したような先入観を持っている自覚がある。

だから、この導入を読んだときドキっとした。「現実に世知辛さを感じる」というのも、ドラマチックすぎる世界の見方なんじゃないか? と。

正しく世界を見ることができれば、ドラマチックなコンテンツも健全な心で観ることができるんじゃないかなー、と。

そしてこの本を読みながらの新たな発見は、このようなノンフィクションものの本を読んでいると心が穏やかでいられる、ということ。小説を読んでいるときとは別の心の動き。正しい知識を得ているからだと思う。本の選び方について、ノンフィクションとフィクションをバランス持って読むとよさそうと思った。


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