マガジンのカバー画像

歳時記

6
運営しているクリエイター

記事一覧

盆踊り

盆踊り

盆踊りは迎え火、送り火、精霊流しなどとともにお盆行事のひとつです。お盆は日本古来の農耕儀礼や祖霊信仰と仏教の死者供養が融合したもので、かつては旧暦7月15日前後に、現在は東京や一部地域をのぞいて、新暦8月15日前後に行われています。

祭祀祭礼の中の儀式としての盆踊りは、次第に芸能的要素を強め、江戸時代には娯楽として発展していきました。地方ごとに様々な盆踊りが存在し、特に秋田県雄勝郡羽後町の「西馬

もっとみる
七夕

七夕

7月7日は各地で七夕祭が行われ、織姫と彦星が年に1度天の川で会える日として親しまれています。

奈良時代に中国から伝わった五節句のひとつ「乞巧奠(きこうでん)」と日本古来の禊の儀式「棚機津女(たなばたつめ)信仰」が融合したものだと言われています。7月7日夜に行われたので七夕とも呼ばれ、宮中の節会として採り入れられました。

乞巧奠は神々の着物を織り裁縫を司る織女にあやかり、祭壇に五色の糸を通した針

もっとみる
夏越の祓

夏越の祓

6月30日の「夏越の祓(なごしのはらえ)」は別名「水無月祓(みなづきばらえ)」とも呼ばれ、一年の前半の穢(けが)れを落とし、無病息災を祈願する行事です。起源は日本神話「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」の禊祓(みそぎはらひ)にあります。

神社の鳥居や参道に設けられた茅(ちがや)の草で編んだ輪を「水無月の夏越の祓する人は、千歳の命延ぶというなり」と唱えながら3度くぐる「茅の輪くぐり」を行い、心身を清め

もっとみる
端午の節句

端午の節句

5月5日の端午の節句は菖蒲の節句とも呼ばれ、男の子の健やかな成長を願って鎧兜や五月人形、こいのぼりを飾り、かしわ餅やちまきを食べるのが一般的です。上巳(桃)や七日、重陽の節句などとともに、奈良時代に中国から伝わりました。
奈良・平安時代、宮廷では軒下に菖蒲を挿したり、髪飾りにした他、薬玉下げるなどして災厄を除ける宮廷行事のひとつでした。鎌倉時代になると武家の間で菖蒲は「尚武(武道・武勇)」に通じる

もっとみる
十三参り

十三参り

十三参りは4月13日(旧暦3月13日)、数えで13歳になった子どもが虚空蔵菩薩にお参りする風習です。虚空蔵菩薩は13番目に誕生した智恵と福徳の仏ということから、十三参りは、別名「智恵もらい」「智恵参り」とも呼ばれています。
13歳は自分の干支が初めて巡ってくる年、心身ともに子どもから大人へと変化する大切な節目です。女の子は初めての厄年でもあり、厄落としの意味も込められています。男の子は羽織袴を、女

もっとみる
桃の節句

桃の節句

3月3日のひなまつりは、上巳の節句と呼ばれ、端午の節句や七夕の節句とともに五節句のひとつに数えられています。桃の季節なので桃の節句ともいわれます。起源は中国の伝承に由来します。古くから桃には長寿や魔除けの力があると考えられており、季節の変わり目に水で身を清め、宴を催し、災厄を祓っていました。この習慣が平安時代に伝わり、紙の人形に穢れを移し、水に流す流し雛になったといいます。その後、貴族の中で流行っ

もっとみる