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私たち、不登校から就職しました【元不登校インタビュー】

初めましての方は初めまして!りえと言います。

私は小中高と不登校になったりならなかったりを繰り返し、大学でも2年ほど休学していました。今は大学で教育心理学関係の勉強をしています。

今回のテーマは「不登校からの就職」。
不登校からの就職は、なんとなく難しそう……と思っている方も多いのではないでしょうか。実際のところはどうなのかを、私の勤め先のNPO、不登校向け家庭教師「YURUMI」で、不登校からの就職を経験している人たちに聞いてまとめてみました。

似たような境遇の方の参考になれば嬉しいです!

パターン1:不登校/休学を明かしながらライターに

何を隠そう、パターン1は私です笑
私は、実は不登校/休学をあまり隠さず就活(インターン活?)しています。というより、私の場合は大学を休学していた関係で在学年数が長いので、履歴書で聞かれるんです。

そのため、開き直って、不登校で休学したことはペラペラ喋っています笑

メリットとしては、配慮が受けやすいこと。
私は体がとても弱く、また発達障害も持ち合わせています。例えば書類提出の遅れがあったり、体調を崩してしばらく復帰できないこととかがあるのですが、そういったところも含めて伝えるきっかけになります。
結果、今のインターン先はどこもとても働きやすいです。長く働き続けられているのはそういった環境の良さのおかげだと思います。

デメリットとしては、業界によってはマイナスに働きうることでしょうか。
私は出版系/執筆系のインターンによく申し込むのですが、とってくれるのはライターなど、在宅系の業務が多いところが中心です。ライティング系ではむしろ「人生経験が豊富」と捉えてくれ、またうつ症状と隣り合わせの繊細さも重視してくれるところが多かったです。
媒体の傾向にもよりますが、多くのところが不登校という経験を積極的に評価して取ってくれました。

似たようなパターンでは、プログラマーなどもいます(弊社のスタッフの場合は厳密には不登校からの就職ではなく、引きこもりからの就職ですが)。

逆に校正や事務など出社してどうこうしなきゃいけないところは、まあぶっちゃけると結構落とされました……。ただし、障害者枠での就業だとまたこの辺は異なるそうです。後述します!


パターン2:不登校を明かさず普通に就活

私の勤め先では、パターン2がやっぱり多いです。
特に大学以降は休学等せずに進学した人だと、この選択をとることも少なくないです。

中高時代は不登校でも、大学進学後ごく普通に就活して大手企業に勤める……なんてこともしばしば。就活の際は、基本的には中高が不登校でも特に聞かれたりはしないようです。

中高時代に不登校を経験し、今は誰もが憧れるようなところで勤務している人にその秘訣を聞いてみると、
「不登校経験については、就活の時は別に触れませんでしたね。学歴がよかったので、その力でなんとかなりました」
というコメントがありました笑

そのため、勉強は好きだけど学校に行くのは苦しい……という人は、
とりあえず大学受験を頑張ってみるというのも手かも。
案外というべきかやはりというべきか、将来への大きな一歩になるようです。

ちなみに、中高は不登校でも大学は楽しんで通っている人はとても多いです。環境も変わりますし、授業選択などの自由度も上がるので、進学をきっかけに楽になった……という声はよく聞かれます。

不登校からの大学進学についてもいつか記事を書くつもりなので、進学に不安がある、という方はぜひそちらも楽しみにしていてください!


パターン3:発達障害や精神障害を抱えている場合〜障害者雇用エージェントに聞いてみた〜

実は「家庭教師のYURUMI」には、障害者雇用のエージェントにて働いているスタッフもいます。そんなスタッフに、発達障害/精神障害などを持っている方の就活はどうなるのか聞いてみました!

※ここでの「発達障害/精神障害などを持っている方」とは、「精神障害者保健福祉手帳を持つ方」のことを指します。

* * * * *

Q.どういう業界で働かれる方が多いんですか?

A.事務職が多いです。求人も、求職される方もほとんど事務職ですね。
事務職が多い理由としては、この辺があげられると思います。

・臨機応変な対応を求められることが比較的少ないポジション
・社外の人とのコミュニケーションが少ない
・クライアントに合わせて働き方を変える必要がない
(=通院配慮が得られやすい)

ただ、もちろん、障害の有無にかかわらず、個々人に寄り添ったポジションを検討する企業さんもいます!

Q.どのような配慮が得られることが多いのでしょうか? フレックスとか歩合制とか……?

A.発達障害をお持ちの方だと、仕事の指示方法に関する配慮をお願いすることが多いですね! 例えば「順序づけて仕事を指示してほしい」など……

歩合制などはあまり聞かないです。特にうつ症状をお持ちの方だと「数値的な目標はプレッシャーになる」という困りごとがよく聞かれるため、むしろ歩合制の方がしんどい場合も多いのではないでしょうか。

ただ、新卒の場合、そもそも精神障害を持っていても障害を明らかにして働く方は少ないです。しかし、それで仕事が合わず転職を繰り返す……ということもあるので、どちらがいいかは一概に言えないですね……

Q.実際に障害を持っている人が就職先を探す場合、どういったところで探すのが良いのでしょうか? また、どういう流れになるのでしょうか?

A.まずは主治医に相談することが大切ですね。特にこれまで働けるような状況ではなかった方は、無理しすぎないためにも、第三者からのアドバイスがとても大事です。

その後は、ぜひエージェントにご相談いただければ!笑 多くの転職エージェントは、
求人紹介→面接対策→入職後の定着支援
を行うはずです。

ただ、エージェントはあくまで株式会社であるため、できることには限度があります。
そのため、
・重度の発達障害を抱えていて配慮事項が多い
・自分の障害を活かして働く方法が全くわからない

というような方は、就労移行支援に通所したり公的支援を受ける方が適しています。

* * * * *

という感じだそうです。
私も発達障害を抱えていて、将来的には障害者枠での就労も検討しているので、自分自身とても勉強になりました!

最後に

不登校という状況になると、将来に関していろいろな不安がよぎりますよね。私も不登校&休学時代は、よく不安に駆られて泣いていました。この先一生働けないのではないか、親が退職したあとはどうしよう……と。
でも、いざ就活してみて、そして周りの就活談を聞いてみて……もちろん万事が順風満帆とまでは言えませんが、「あのとき思っていたより、全然なんとでもなるじゃん!」と感じています。意外といろいろな会社があり、いろいろなサポート機関も仕組みもあるんですよね。

大丈夫! 生きていける!
という気持ちが持てたことは、自分の中でとても大きかったです。

眠れない夜を過ごしている誰かに、届きますように!


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家庭教師のYURUMI
ホームページはこちら:https://www.yurumi.or.jp/
無料相談はこちら:https://lin.ee/k7gmse7
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ライター:りえ
小中高の間、不登校/保健室登校を繰り返しつつ進学。
東京大学に入学後、2年休学し、その後復学。
現在、東京大学文科三類2年



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