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訳あり大学生だった私の就職活動

こんにちは。キャリアコンサルタントの清野です。

私は高校生のころに白血病を発症し、高校を中退しました。
その後、高卒認定から大学へ進学して在学中に子どもを出産し、学生でありながらひとり親として就職活動を行ったのちに、新卒として一般企業に就職しました。かれこれ9年ほど前の話です。
全て同じ経験を持たれている方は、ほぼいないレベルだと思いますが、病気をしたことがある/中退をしたことがある/子どもがいる・・といったような内容はある一定数いるのではないかと思ったので、超簡単にではありますがnoteに綴ってみました。


前提:全てが濃すぎて選考で全部を触れる時間はほぼない。

わたし=白血病×高校中退×学生出産×ひとり親

これからそれぞれの要素に分けて内容を書いていこうと思うのですが、正直一つのことに対して深く根掘り葉掘り聞かれるとかはあまりなかったです。逆に1時間以上かけて丁寧に話を聞いてくださった企業での面接自体は通過をしました。「このままでいいんだな」と就活時の安心材料にもつながったので、その面接官にはとても感謝をしています。(残念ながら社長面接で落ちてしまい入社は出来ませんでしたが。。。)

①相談相手について

キャリア支援センターで支援を断られる。

就活を初めて一番最初に相談をしにいったのは、在学している大学のキャリア支援センターです。当時窓口対応してくれた職員に簡単に事情を伝えたところ「子どもがいる就活生は対応したことがないから、サポートできない。自分で頑張ってほしい。」と言われてしまい、そこからは一度も相談に行くことはありませんでした。

教授、家族のほかに仲間を見つけた。

キャリア支援センターの活用ができなかったため、所属していたゼミの教授を中心に状況の報告や相談をしていました。家族に細かく相談をしていたわけではありませんが、働き始めてからの育児との両立について、実際に社会人経験・育児経験のある先輩として相談をすることはありました。

そのほか、学生ママ・パパの先輩たちをインターネットで見つけてDMをしました。とても優しい方々で、あらゆる学生ママ・パパの方をFacebookで集めてくださり、FBグループでどんなキャリアを歩んでいるのかを教えてくださりました。「全国を見渡せば仲間がいる」というのが心強かったのを覚えています。今でもその方々の活躍をみては強い尊敬の念を抱いています。

②急性リンパ性白血病について

病名を伝えるかどうか。

よく「就活のとき、病気のことを伝えたか?」と質問をいただきます。
私の答えは「はい」です。
ただ、主治医からは「特別話す必要はない」と言われていました。なぜなら、日常生活には大きな支障がないからです。今の生活においても特に制限されていることがあるわけではありません。病気をしていない方と同じように生活ができており、就労についても制限がないため、あえてネガティブ情報を与える必要がない。というのがありました。

現に病気だけでなく障がいを持っている方も、必ず伝えなければならないという決まりはありません。

日常生活において、気を付けなければいけないこと・配慮が必要なことがあり、病状や障がいを伝えた方が良いのであれば伝えるべきですし、私のように特に生活は、他の方と同じように過ごせて特別な配慮がいらないのであれば伝えるかどうかは自分の気持ち次第かなと思います。

経歴上、伝えた方が良かった。

日常生活は特に他の人と変わらず生活をしていますが、私が白血病であることを伝えたのは特異な経歴であったためです。
それは高校の中退です。
学歴欄に「○○高等学校△△科 中途退学」と書かなければならず、病気を伏せていたら「なぜ、中退をしたのだろう」と変に勘繰られることになると思いました。もちろん、理由を聞かれればそのまま答えますが、聞かれないまま進められてしまうと、勝手に理由を想像されてしまう可能性もあり、変に誤解をされたくない、という想いが強かったため、伝えることにしました。

強み材料の一つにした。

高校中退がネガティブにならないように病気であったことを伝えることで、今度は病気自体がネガティブに捉えられてしまうことも考えて、「病気をして高校は中退したけど大学に進学したし、3年間しっかり通えているよ」と出来事自体を強みとして話せるようにしていました。

面接のなかには「今は大丈夫なのか」という念押しの質問もありましたが、「元気になって良かったですね」といった声の方が多かったように思います。

③高校中退について

理由を簡潔に伝えられるように準備した。

②にもある通り、履歴書の学歴欄に「○○高等学校△△科 中途退学」と記載する必要がありました。中退したこと自体がネガティブにならないように病気をして休学をしたこと、2年遅れとなるため1年で大学進学できるよう浪人の道を選んだこと簡単に説明できるよう整理をしていました。

気にされたことは一度もなかった。

準備をするなかで、「復学して卒業しようと思わなかったのですか」とか聞かれるのかな、と思いましたが、正直一度も聞かれなかったです。
大学を卒業すれば最終学歴は大卒になり他の学生と変わらないので、特に気にならなかったのかもしれません。

④学生出産、ひとり親について

子どもがいることを伝えるかどうか。

病気と同様、子どもの有無を伝えるかは私次第です。私は企業説明会の段階から子どもがいることを人事に伝えていました。たまに、「入社手続きのときに伝えた」など選考段階では伝えていないという声を聞くこともあります。そもそも子どもの有無が直接選考結果に関わることを企業側がしてはいけないので、「特に聞かれなければ答えない」というスタンスでいること自体は個人的に問題ないと思っています。ただ、私はひとり親であったこともあり、必ず仕事と子育ての両立で相談することがあると分かりきっていたのと、子どもがいることを伝えたことで難色を示す場合は、入社してからも大変になるだろうと考えて、先に伝えていました。

どう働きたいか、どう働けるか。

就活生は企業を探すにあたり就活軸を決めていくと思います。この時、私は「育児との両立ができる」が追加されました。両立ができるかを考えるときに「どう働きたいか」という理想もそうですが、「どう働けるか」と現状の環境がどうなっているかを整理したうえで、企業に伝えていました。

強み材料の一つにした。

白血病と同じように、この経験もネガティブではなくポジティブに捉えてもらえるように棚卸しをしていきました。休学はせずストレートで卒業をしているので「学業との両立できているよ」だったり、アルバイトもしていたので、「今も働きながら育児してるよ」と入社後もちゃんと働けることをイメージしてもらえるようにしていました。

おわりに

たくさんの企業から選考落ちをして、気分がすごく下がりもしましたが、「これを言わなきゃよかったかな」と病気や子どものことで思うことは一度もなかったので、私自身はオープンにしてよかったなと思っています。
私はオープンにしましたが、求職者側も企業側も全てを洗いざらいにオープンにしなければいけない、と縛られるのではなく、一緒に働くうえで必要なことは伝える、必要じゃないもののなかで言いたくないことは無理に言わない、とそれぞれがストレスを感じない面接になると、より納得感のある面接になるんじゃないかなと思っています。

私自身、たっっっくさん悩んで行動した内容の中から、かいつまんで書きましたが、今回の記事が読んでいただいた皆様の何か役に立ちましたら幸いです。

お読みいただきありがとうございました🌸

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