中山間地域ど真ん中!オンライン経験者を増やすための『はじめてのオンライン飲み会』
こんにちは!天孫降臨の地、鹿児島県霧島市でライター業と地域づくりのお仕事をしています。白水梨恵(しらみず りえ)です。
昨日の夜、ちょっとしたチャレンジをしてみました。
『ZOOMでオンライン飲み会』
ちょっと今さら感、感じました?
SNSで毎晩のように見るオンライン飲み会のスクリーンショット。私も何度も参加しましたし、知り合いには「2週間連続です」なんて人も。
でもね、昨日私がやってみたのは、巷とは少し状況が違います。
名付けて
\ ここは中山間地域! /
\👏👏スマホdeはじめてのオンライン飲み会👏👏/
説明しよう!
街中育ちの私が移住を決意するほど熱中している町、霧島市横川町。
人口3889人(令和2年4月1日時点) 高齢化率 約41%
町の面積の約82%が山林という、なかなかの中山間&過疎地域。
2020年4月(つまり最近!)ようやく光回線が開通したものの、山奥の一部地域は開通エリア外、しかもケータイ電波がほとんど届かない地域もあるという、オンライン化社会の波に真っ先に取り残されそうな田舎です。(愛情を込めて田舎と呼ばせていただきます)
そんな平均年齢の高い過疎の町でオンライン飲み会が開催され、4月29日昭和の日の夜、無事に10名で3時間にも及ぶ大盛況オンライン飲み会が開催されました!
始まるまで結構不安だったこの企画。大盛況のカギは『念入りな事前準備』と『飲み会への執念(笑)』だったと考えます。
今後への備忘録として、そしてどこかの田舎で同じようなことを考えている方へ向けて、今回のメモを残してみようと思います。
(そんな町に私はなぜ移住したいのか?その話はこちらで)
なぜ横川でオンライン飲み会することになったのか?
横川町は霧島市内でも特にまちづくり活動が盛んな地域で、50〜60代の方々を中心に年間10本近いイベント開催、頻繁な地域会合を行なっています。
だから今、やばいんです。
集まれない。会って話せない。動きたくても動けない!
町の人たちの大半はまだ余裕の構え。「ちょっとしたら戻るでしょ」って思ってる人も多いはず。
そうなるといいけどね。社会状況を冷静に見れば見るほど、望みは薄くなっていきます。
「町の中心メンバーはPCに慣れていない年代。使えるSNSはLINE一本。若手もオンラインツールに触れたことはほぼ無い。横川でオンラインを活用するなんて無理だろう…」
つい最近までそう思っていました。
でも、諦めてても後退するだけ。みんなが10年以上かけて育ててきたこの町のポテンシャルが、感染症なんて理不尽な原因で失われるなんて残念すぎます。
不安しかないけど、まあ試しにやってみるか。
かれこれ2週間ほど前、そんな後ろ向きな気持ちで「オンライン練習してみませんか、スマホでもできますよ」って呼びかけてみたのです。
最初は薄い反応。あー、やっぱりね。みんな興味なさそうだなぁ。ネットに慣れてない人多いもんなぁ。。。
すると、とある地元のおじちゃんからLINEが一通。
「練習ついでにオンライン飲み会にしましょう!」
なるほど!確かにみんな飲み会好きだ!!
そこでオンライン練習会 兼 飲み会として呼びかけてみたところ、次々と町のキーパーソン達が手を挙げてくれました。
みんな!さっきまでの沈黙はなんだったんだ!!!!!
のみにけーしょん需要は侮れない
マジメな話する時は酒無しでやろうよなんて事は、たしかにあると思います。
コミュニケーションをなんでもかんでも酒の力に頼るのはいけない。これは鉄則ですよね。
でも、特に田舎の50代以上の方々を巻き込むにあたっては、やっぱりノミニケーションの威力は大きいと思い知りました。
入り口は楽しい方が良い。ワクワクしながら新しいことに挑戦した方が飲み込みも早いものです。
今回は集中して何かを話し合いたい訳ではなく、ただ横川の方々にオンラインミーティングを体験してもらう事が目的。
なら、皆が楽しめるオンライン飲み会でゲームがてら練習したっていいじゃないか♪
地域のノミニケーション需要は上手に使いましょう!
事前準備①:LINEグループ作成&連絡はわかりやすく簡潔に!
さて。これは田舎に限らず初めてこういったツールを使う方全員に当てはまることですが、利用手続き(初回の会員登録/インストール)作業が必要ですよね。
ここが最初の難関です。
ZOOMの場合は会員登録を行わなくても、誰かが主催するオンラインミーティングへ参加することはできます。
でも自ら会議を主催するには、やはり会員登録が必須です。
横川の場合は、最終的には地元の方々が地域の会合をオンラインで主催できるようになってほしいという目標があります。(私個人の目標ね。)
なので、今回はできるだけ会員登録まで最初にやっていただくことにしました。
でもオンライン慣れしていない方々。「ZOOMの会員登録しといてくださいね〜」だけじゃあうまくいきません。細かいフォローが必要なのです。
そこで、事前準備の第一段階は参加予定者のLINEグループを作って情報を流すところから始めました。
オンラインやSNSにほとんど触れていない方々もLINEは使える場合が多いです。(子ども/孫とやり取りするから^^)
つまり、LINEなら全員へ一斉に情報や案内を送れるということ。
こちらがLINEグループで実際に流した会員登録のお願いメッセージ。
●読みやすい柔らかな文面(文面が固いとそれだけで読む気が失せる)
●ところどころ絵文字を使って文章に変化を持たせる(大事なところを目立たせたりする)
●説明は簡潔に!専門用語・むずかしい言葉は使わない!余計なこと言わない!(1文を短くする)
●説明が長くなる時は改行をうまく使って空間を持たせる。(読み手が一息つける空白をつくる)
●スマホでもできるよ!ということをきちんと明記する。(「パソコン詳しくないとダメだ」フィルターを外す)
●読み手が疑問に思いそうな箇所を予測&カッコ書きで補足説明を加えるなど事前に潰しておく(一つ疑問を感じるとそのあとの説明内容が入っていかなくなる)
●こちら側が参加者それぞれの進捗を把握できる仕組みをつくる(登録完了連絡&接続テスト)
ご案内メッセージ作成で意識したことはざっとこんな↑感じです。
要は、「あ、これだけなら出来そう!」と思ってもらうのが大事。
ハードルは下げられるところまで下げておきましょう。
ちなみに参加者LINEグループがあれば、接続テストや本番中のトラブル対応もできるので便利です♪
事前準備②:接続テストで事前に相手の状況を把握する
自分では出来たと思っていても実はちょっと間違っていた、とか、登録は出来たけど音声・カメラの端末側の設定がうまくいっていない、なんてことが起こります。
そんなハプニングが当日冒頭で複数人におこっちゃったら、主催側はかなり冷汗です(汗)
だから前日までに接続テストを行うことがおすすめです。
今回で言うと直前の日曜夕方に1時間半、「この間ならいつでも自由に接続テストしてみてください」という時間を設けました。
できるだけ参加できる人が多い日曜夕方。強制にしたり時間を固定したりしないことで義務感を感じさせないようにしました。
「場は用意する。あとは本人に任せる。」という感覚、今回に限らず地域での様々な場面において大事な姿勢だなと感じます。
自由で居心地の良い空気感でなきゃ、延々と続く地域との関わりはとても窮屈なものになってしまう…
事前接続テストの話に戻りますが、実は単なる接続テスト意外の効果も大きかったです。
例えば、相手のオンライン操作関連への免疫(理解度・飲み込みの早さとか)がわかったり。相手の通信環境・利用端末を事前に把握できたり。
どこでつまづき易いのか傾向がわかったり。
接続テストで得られた情報は本番を進める上でも非常に役立ちました。
事前準備③:背中を押す一言を添える
誰だって初めてのことは不安ですよね。
「接続テストをやってみた。本番もスムーズにいけるかな?」
そんな漠然とした不安を少しでも軽くして、楽しみな気持ちを増幅させたくて、接続テストが終わった方へはフォローと次回へのリクエストを送っておきました。
こういうやり取りをしておくと、万が一、本番の途中でトラブルが起きた時も裏でLINEでのコミュニケーションがとりやすくなります。
人数が多いと少し手間になりますが、できる限りとっておいた方が良いコミュニケーションかなと思います。
オンライン飲み会の進め方①:事前に流れを設計しておく
飲み会だからって無計画で臨むのはお勧めしません、オンラインの場合は!
対面の飲み会は自然とグループに分かれていくのに対して、ZOOMのオンライン飲み会では『全員が全員の前でしゃべる』状態になります。
気を遣って会話が減ったり、誰か特定の人がずっと喋ってたり…
そういった居心地の悪い状態になるのを防ぐために、飲み会であっても事前に流れを設計することが必要不可欠です。
今回、私が事前に設計していた流れはこちら。
●ZOOMの基本的な操作を練習する時間
●全員で近況を共有する時間
●便利なブレイクアウトルーム機能を体験する時間
●みんなでワイワイ話す時間
上記4点を意識的に組み込みました。
当日、実際はこちらのような流れに。
3時間しゃべりっぱなし(笑)
お酒もすすんでとても楽しいオンライン飲み会でした♪
「これはいいね〜!オンラインでも十分楽しいね〜!」
そんな会話も巻き起こってましたよ^^
目的と基本の流れがはっきりしていれば、多少予定が変わっても調整できるもの。
本当はこれからの横川のまちづくりの話しとか、真面目な話題も突っ込もうと思っていたんですが、それよりもワイワイした方が良さそうな雰囲気だったので、そこは次回へ持ち越すことにしました。
楽しみながらもしっかりZOOM練習もできて、時間通りに中締めすることができました♪(画面共有で遊ぶ余裕もあった!)
何事も『事前に想定しておく』ことが大事です。
オンライン飲み会の進め方②:ブレイクアウトルームは必須
普通の飲み会もそうですが、途中で中だるみしますよね。
オンラインの場合、中だるみすると一気に白けちゃうのです。
それは何としても防ぎたいので、中だるみしそうになったら活用したいのがZOOMのブレイクアウトルーム機能!
※ブレイクアウトルーム機能とは、全員で繋いでいる状態から小グループにわけ、グループ内だけで話ができるようにする”小部屋に分ける”という機能です。
特定のテーマを設けて3人くらいのグループに分かれて話してもらうことで、交流を活性化させることができます。
グループに分けるときは意図的にメンバーを決めることも、ランダムで振りか分けることもできるので便利。
時間を設定しておけば、自動でルームが閉じられて全員を一斉に集めることも可能です。
ちなみに一番意見交換が活発になるのは3人組っていう説がありますね。誰も発言をサボらないんだとか(笑)
オンライン飲み会の進め方③:酒とつまみ自慢タイムは盛り上がる!
これはオンラインならではですよね!
皆が思いおもいの場所から繋ぐオンライン飲み会では、手元に用意するお酒・おつまみにも個性がでます。
ワインとクッキーの組み合わせもいれば、もつ鍋と缶ビール、小料理屋系小鉢と焼酎、おしゃれな鳥刺しアレンジ、食べ盛り男子は3人分のチャーハン(笑)
お酒とおつまみの紹介をはじめたはずなのに、そこから派生して色々な話題が飛び出してくる。
良いコンテンツを思いついたと思いました(笑)
オンライン飲み会の進め方④:中締め後、だらだら話せる余韻時間を設けておく
飲み会後はさっと帰りたい人もいれば、自由に語り合いたい人もいます。
オンライン飲み会だって同じこと。楽しかった分、余韻の過ごし方は人それぞれです。
「いったんここで中締めします。この後は皆さんご自由に!退室する方も気兼ねなく〜。まだ居たい方は21時半まであけときますね^^」
そんな感じで呼びかければ皆気持ちよく過ごせます。
今回は余韻時間も21時半で締めるつもりが、思いのほか盛り上がって気づけば22時。
こうして3時間におよぶ『はじめてのオンライン飲み会』は大盛況で幕を下ろしました。
まとめ
結局のところ、やっぱり楽しいのが一番だなーって思いました^^
オンラインで楽しく呑めれば、自然と使い慣れてる人はバーチャル背景とか画面共有とか、チャット機能で遊び始めるし。はじめての人も「え、それどうするの?やるやる!」ってなるし!
そのうちお昼のお茶会バージョンもやろうかな?横川のお母さんたちにもオンライン体験してほしいなぁ。
こういうのを続けていくと、徐々に町にオンライン慣れした人が現れてきます。
「あのお店で働いてる〇〇さんが詳しいよ」
「役場の△△さんが使い方知ってるよ」
「おばあちゃんをお願いしてるデイサービスの職員さんにZOOMっていう便利なの教えてもらったの!」
そんな会話が聞こえてくるのも近いかもしれない。そんな希望をちょっとだけ感じた中山間地域横川町のオンライン飲み会でした。
「使ったことないからよく分からない」人を減らしていくのが田舎のオンライン化の近道かもしれませんね。
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