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2024/7/18原島里枝新詩集『常夜灯』(ライトバース出版)を上梓します

2024/6/18追記更新

仕様・詳細。クリックで拡大してご覧いただけます。

2024/7/18刊行、原島里枝新詩集『常夜灯』、予約開始をいたします。定価2400円+税。発売後はAmazonでも取り扱いますが、予約はありませんのでお含みおきください。


ライトバース出版(公式販売サイト・聲℃ストア)


予約特典について

著者直販(予約販売)
BOOTH
原島里枝・月の未明BOOTH(通常郵送)


原島里枝・月の未明BOOTH(匿名配送)


書影・サンプル詩(2つ)

XのDMでも承っております(相互フォロワーのみ)。
よろしくお願いいたします。




2024/6/11追記更新

2024/6/18 0時~ 予約受付開始

と言う運びになりました。
詳細についてはその時に一斉に出すことになりましたので、あと一週間お待たせします。
出版社はライトバース出版です。
予約方法についてや、価格、仕様などは、予約開始と共にポスト予定です。

表題作は、トップに画像で入れています。クリックすると拡大できるので読んでいただけたら嬉しいです。
また2作ほど以下に掲載します。




蝸牛の歯列

届かない筆跡は幽かに奏でる簪となり、
髪を結わえる。
黒髪を伸ばして、いつしか三葉虫も、
冥王星へ脱出する。
鰐の顎に喰い砕かれた柔らかい前世、
その重層に血痕を遺している。

これは夢だ
夢、夢の、
声の出ない、眩暈――

世界は天辺を廻り、指先は開花して萼を反らせる。
口腔内で、ばりり。
蝸牛の粘液がコンクリートを這う。

渇きを耐える皮膚は
身体を包み込む袋
まだ実像から抜け出せない
夢へ、夢へ昇っていきたい

虚像、その幻の苦味――ばりり。




水紋

 真直ぐ歩けないほどの人波だった。目の前を歩く友人の後ろを追いかける。
 ひとしずく落とされた高揚がじわじわと水紋を作っていき、疲労を消し去っていく。行き先は綿密にシミュレーションしていたが、結局ランダムなコースへと舵を切った。耳にワイヤレスイヤホンを挿し、先を行く友人にもイヤホンを挿し込ませると、ここには居ないもう一人を呼んだ。トライアングルのエコーは、若干のハウリングを呼びながらも、高揚をまた一滴、一滴、滴下していく。
 水紋は繰り返し広がった。何度も何度も。

 時間のせせらぎは一見静寂を示していたが、確かに流れ続けていた。
 死んだあとも止まることのないそれは、留まれない幸福を清水で洗い清めていく。それを目や耳は記録していくのだ。あかるさのみちる午後、喧騒の途切れない都心で。流れが凪ぐ――ひかりの水紋が、ゆっくり消えるまで。





(初回投稿20214/5/29)
7月に新詩集を上梓予定です。

2020年に第三詩集『耳に緩む水』を出してから、私はしばらくスランプに陥っていました。
2023年には小詩集『声』を出しましたが、これは『耳に緩む水』のテーマにはそぐわないけれども自分が気に入っている詩たちが主でした。別の言い方をすると、昏いほうの私のテーマ詩で、これまでの自分の気持ちの整理を兼ねて作りました。
発表するというより気持ちの整理をつけたいという目的だったので、『声』は同人誌スタイルで部数も少なく、薄い冊子の割に変わった装丁(黒上質に白印刷)にしました。金額的には同人誌スタイルの割に割高な冊子でしたが、闇から抜け出していこうとする私が、心密かに闇から離れてひかりの言語へと模索を始めるためには必要な段階でした。

今回、Augustさんに表紙の写真についてご協力頂ける旨のお話をいただきました。前々からAugustさんの星空写真のファンだったので、ご縁を感じて「よろしくお願いします」と、ご協力いただける運びとなりました。その時はまだ小詩集『声』も作られてない頃だったのですが、『声』の表紙にもAugustさんの写真を迎えさせて頂きました。

新詩集『常夜灯』は私の誕生日発行を予定しています。夜が入っているじゃないかと思うかもしれませんが、決して真っ暗闇ではありません。
私の持ち味を活かしながらも、私性から少し距離を置きました。ドキュメンタリー的な詩篇から少し離れ、フィクションの混在する詩篇ながらも真実性を失わないような詩篇達を集めています。
耳に緩む水のテーマは水、声はそこからの変遷でした。今回のテーマはもはや水ではないことは読み手の方には伝わることと思います。

A5サイズ、本文96p(100pの本です)、ソフトカバーの本です。自分が装丁もさせていただいた本として私らしい装丁を精一杯楽しみました。帯文は詩人の広瀬大志さんに書いていただきました。また、詳しいことは改めて書きますが、今回ご縁があり、ライトバース出版にて発行予定となっています。ライトバースのハルさんにも並々ならぬお世話になり、ありがとうございます。がんばりますので……はい……。

今日は印刷会社へ行き、原稿についてと表紙カバー・帯についても進めていただいているのを見学してきました。
緊張しましたが、目の前で自分の作ったカバーデータを試し印刷されるさまを見ることなど稀な経験なので、ありがたく見学させていただきました。
楽しみにしていてくださいね。



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