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参加者募集中!「医療福祉」の限界に挑む越境プログラム

皆さん、こんにちは!株式会社リディラバの清水です。

このnoteでは、2023年6月から開催するフィールドアカデミー「医療福祉」についてご紹介します。

開催概要

・日程:2023年6月~2023年9月(延べ8日間)
・エリア:東京都府中市(全日程で現地訪問をします)
・テーマ:医療福祉とコミュニティビジネス
・プロジェクトミッション:『医療と地域社会の断絶を超えて、都市型の「村づくり」に挑むトップランナーとともに、共助2.0を構想せよ。』
・パートナー:株式会社シンクハピネス 代表取締役 糟谷 明範 氏

詳しい日程などはこちらをご参照ください。
https://ridilover.jp/field-academy/files/202306faleaflet.pdf

フィールドアカデミーとは?

フィールドアカデミーは、経済産業省「未来の教室」実証事業から生まれた、企業人が慣れ親しんだ会社の外に飛び出して、社外の仲間と共に社会課題の解決に挑む越境型の人材育成プログラムです。

社外の仲間とチームを組んで、本物の社会課題に挑む

フィールドアカデミーは、会社の外に飛び出して、普段の業務ではなかなか出会えないリアルな社会課題と向き合い、多様な業種のメンバーとチームを組んで、共に課題解決に挑みます。
与えられたお題を解決する「HOW」の力だけでなく、答えのない領域で自ら未来を切り開く「WHAT・WHY」を決める力を育みます。

テーマ:医療福祉とコミュニティビジネス

高齢化の進展にともなって存在感を増している「医療」「福祉」の問題ですが、そもそも医療福祉の問題というと、あなたは何を思い浮かべますか?

医療現場の慢性的な多忙、介護施設の供給不足といった、ニュースでよく聞く「イメージしやすい」問題を想像する人もいれば、医療費の逼迫、介護保険の限界といったもっと大きいけどどうすれば良いかわからない漠然とした問題を思い浮かべる人もいるかもしれません。

しかし、それらとも関連し、広く認知されてはいないものの実は国全体に関わるビッグイシューが存在しています。

それは「医療福祉と患者の"断絶"」です。

たとえば、こんなケースがあるとしましょう。
あなたは、慢性的な糖尿病患者です。本当は食生活に気をつけたり、適度な運動を心がけたりして、症状の進行を抑える必要があります。
しかし、仕事が多忙なだけでなく、共働きで子どももまだ小さく非常に手がかかり、とても自分の日常生活に気を遣う時間も余裕もありません。

ある日、あなたは病院で、お医者さんから生活習慣の指導を受けます。
「あれ、また血糖値上がってますね。ちゃんと指示した食生活できてます?」
「ちゃんと食生活注意して、運動もしなきゃダメですよ。わかりました?」

そんな時あなたは、なんと答えますか?
「実は、子どもが小さくて全然自分の生活習慣を考える暇がないんです・・・」と、素直に自分の実情を話せるでしょうか?

そんなことを医者に話しても仕方がない・・・
医者とは距離を感じていて、プライベートなことなんて相談しづらい・・・
そもそも、自分の生活習慣の至らなさは病院とは関係ないことだ・・・

そう感じて、ただお医者さんの診断に「わかりました(できないけど・・・)」とモヤモヤしながら病院を後にする。そんな経験をしたことはないでしょうか?

実は、健康に関わる要因の半数は、医療の専門領域である医学的・生理学的な要因ではなく「社会的」な要因が占めていると言われています(参考)。

健康の因子としての「社会的要因」

そのため、実は患者の「子どもが居て健康に気を遣えない」や「本当はお酒を飲んじゃいけないのに近所に飲み屋があってつい寄ってしまう」などの要因も、本来は診断に加味する必要があるのです。

しかし、病院の医務室で、何時間も待ったうえで、別に親しくもないし世間話もしないお医者さんに対して・・・といった日常からかけ離れた特殊な環境では、なかなか「自分のリアルな日常生活」を話しづらく、結果として症状の進行を食い止められない。

これはほんの一例ですが、医療福祉というサービスが患者の「リアル」を知ることが出来ない環境が蔓延すると、不健康な人が増えるだけでなく、国全体の医療費・福祉費もますますかさんでいきます。
もはや個人の規律の問題では片づけられず、社会全体の「機能不全」としてとらえる必要のあるフェーズにきているのです。

この問題は、どのようにすれば解決できると思いますか?
医者がもっと気をつければ済む問題?
患者の心構えの問題?
それとも、もっと根深い「何か」が奥にあるのだろうか?

真の課題が何か。どうすれば解決の兆しが見えるか。
そもそも「どんな社会」が私たちの実現すべき未来なのか。
答えはどこにもありません。

「解決すべき課題が何か」から考え、あなたの発想と力で解決の道筋を自ら切り開く。それがフィールドアカデミーです。

パートナー:株式会社シンクハピネス

今回、皆さんがプログラムを通して伴走するシンクハピネス。
代表の糟谷さんは、もともと病院現場で働く理学療法士でした。

株式会社シンクハピネス・代表取締役 糟谷明範さん(右)

糟谷さんは、病院で患者が「リアル」を話せない状況について、次のように語っています。

卒業後の2006年、最初は病院に勤めて回復期リハビリテーションに携わりました。けれども1年目のことから違和感を感じていたことがあります。
それは、医師も看護師も、僕ら理学療法士も患者さんに対して上から目線だなということです。自分の考えを押し付けているような感じがあって、僕らと患者さんがケアをする人とケアをされる人という関係になっているというところが心地よくなかったんだと思います。一体誰のための医療なんだろうな?と疑問を持ちました。

https://www.jusei-news.com/kaigo/topics/2021/04/20210401.html

課題を感じ続けていた医療福祉の業界に対して別な道を示すために、糟谷さんはやがて起業・独立します。
病院という閉じた世界では、医者と患者の「力関係」を解きほぐすことができない。だったら、自分が街に出て行こう。地域住民の「リアル」を自分から聞きに行こう。

医者が「街に飛び出す」ことで、より患者に寄り添った診断ができるかもしれない

こうして街に出た糟谷さんは、ある地域住民の会合に参加した時に、地域住民からこんなことを言われます。

私は「理学療法士ですけど皆さん体で困っている事ありますか?」と聞いたところ「君たちは病院の者だろ、地域の事わかんないのにそんなこと言うもんじゃない」とそこに参加されていた、おそらく自治会長さんだったと思うんですが、そう言われてしまったんです。
それは病院時代の「上から目線」に次ぐ2つ目の衝撃でした。確かに地域での暮らし、家庭での過ごし方も知らずに、ただ単にリハビリを行っても意味がない。それもそうだな、と納得しました。

https://www.jusei-news.com/kaigo/topics/2021/04/20210401.html

医療福祉業界の構造を見据え、変革しようと行動した糟谷さん。
しかし、本当の「リアル」は思っているよりも厳しく、想像の及ばないものだった。

たとえ「必要だから」といって、必ずしも地域に受け入れられるわけではない

その後、さまざまな紆余曲折を経て、いま糟谷さんはシンクハピネスの仲間とともに、東京・府中で訪問看護ステーションや介護の事業に取り組んでいます。
そんな中でも目を引く事業が「カフェ経営」。カフェの利用者の中には糟谷さんたちが医療関係者だということすら知らない人も多く存在するそうです。

シンクハピネスが経営するカフェ「Flat Stand」

なぜ、カフェなのか?
いま、糟谷さんと地域の関係はどうなっているのか?
その先に、糟谷さんは「どのような未来」を描いているのか?

今回のプログラムでは、糟谷さんの足跡といまの府中の活動を追い、病院、患者、行政、地域住民・・・さまざまなステークホルダーと対話を重ね、医療福祉の根本的な課題構造をあなた自身の手で解き明かしてもらいます。
そして、糟谷さんが挑むべき「次の一手」を提言してもらいます。

糟谷さんの「言うことを聞く」プログラムではありません。
彼でも正しい答えがわからないほど、医療福祉の課題は複雑で難解です。

糟谷さんに「ウケる提案をする」プログラムでもありません。
課題解決のために真に実行すべきことは何か、決めるのはあなた自身です。


私たちリディラバがフィールドアカデミーを通じて実現することは、「HOW」型から「WHAT」型へマインドを切替え、「未知の問いに挑む力」を身につけてもらうことです。
答えのない、大きな領域だからこそ、普段の経験から解き放たれて全力で挑める。その挑戦こそ、成長の起点になります。
社外の仲間と共に社会課題の解決に挑むフィールドアカデミー。あなたの挑戦をお待ちしています。

※参加を希望される方は、各社の申込ページよりお願いします。
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