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線維筋痛症で身体障害者手帳を貰えました

この間、線維筋痛症で身体障害者手帳を貰えました。

やっと、貰えた。一年前ほどから、ほぼ寝たきりの車いす生活になってしまい、公的なサービスを使えたら、楽なのにな…と強く思っていた。公的なサービスを使うには、身体障害者手帳がどうしても必要で、欲しくて仕方がなかったのだ。

今回は、私が身体障害者手帳を貰えるまでの話を書こうと思う。
なお、線維筋痛症について知らない方は、こちらのサイトなどでチェックしてくださるとありがたい。


1.あれ、私、もしかしたら身体障害者手帳がもらえるのかも…!

さて。かれこれ、一年以上前の話。
コロナが流行る、少し前から話は始まる。

ちょうど私が、車いす生活になろうとしていた頃。主治医から「もしかしたら、50%ぐらいの確率で、身体障害者手帳がもらえるかもしれない。」と言われた。


たしかに、身体障害者手帳があれば、車いすなどの補助器具の金銭面での負担が少なくなる。いずれは、リクライニングの車いすになるかもしれないし、どうせなら介護用ベッドとかバリアフリーな部屋にしたいし、身体障害者手帳があると色々と便利だな…と思っていた。

しかし、ここで日本にコロナがやってきた。病院がコロナのせいで通常通りに機能せず、なかなか次のステップへ行けないまま、半年が過ぎようとしていた。

そして、コロナが少し落ち着いたあたりに、話が急に動き出す。線維筋痛症で身体障害者手帳を書ける指定医を主治医から紹介してもらい、肢体不自由で手帳の意見書を書いてもらえる整形外科の指定医のもとへ向かうことになった。ちょっとした旅行気分で行く距離だったため、行くだけでヘトヘトになってしまっていた。


2.身体障害者手帳、指定医と行政の壁

ここでひとつ説明しなくてはならない。じつは、線維筋痛症で身体障害者手帳を貰うのはなかなか難しい。通常、身体障害者手帳をもらうためには、国で定められた指定医に書いてもらう必要がある。もちろん、線維筋痛症の患者が身体障害者手帳を貰うのにも、指定医に書いてもらうのだが、その指定医が線維筋痛症を知らないことが非常に多い。指定医が線維筋痛症を知らないから書けないと断られたり、行政の担当者が線維筋痛症を知らなくて窓口で適当な扱いをされることもある。私も「とりあえず、線維筋痛症でしたっけ?それで通るかわからないですけど、お近くの整形外科の指定医を紹介しましょうか?」と窓口で言われたことがあるくらい、よく起きる現象だ。

これは、とても大きな問題で、線維筋痛症で身体障害者手帳を貰うには、行政の担当者に何を言われてもめげずに、病気に理解のある指定医をなんとか見つけて書いてもらわないといけないのだ。線維筋痛症に理解のない指定医が適当に書いたものでは、もちろん審査が通らなくて、お金と時間が損するだけだ。

私は、たまたま主治医が、線維筋痛症に理解がある身体障害者手帳の指定医を知っていたお陰で、スムーズに身体障害者手帳を貰えた。行政の担当者が線維筋痛症について知らなくて、色々と聞かれたり言われたりしたが、行政の担当者だって万能ではないし、こればかりは仕方がないと思っていたので、平気だった。きっと、事前に主治医から、行政の担当者とのやり取りは心が折れて大変心身共に疲れる作業だと聞いていたから、心折れずに済んだのだと思う。

けれど、この道のりが難しくて、中には断念してしまう人もいるくらい、とても面倒ことなのだ。私の場合、母や妹が支えてくれるから、書類も提出しやすかったりする。しかし、周りに助けてくれる存在がいなかったら、あまりにもひとりで書類作成・提出などの壁が大きすぎて、途中で断念してしまうだろう。


3.いざ、身体障害者手帳の申請へ!

整形外科の指定医のもとへ向かい、肢体不自由で手帳の意見書を書いてもらうために検査をする。具体的に言うと、5キロの砂袋を持ち上げられるかテストしてみたり、握力を測ったりするのだが、見事にできない。片手でも両手でも砂袋を持ち上げられず、その後寝込んでしまうほど。握力も、以前測った頃より半分以下しかなく、自分でも驚いてしまった。

そのようなテストを受けて、指定医の意見書が出来上がり、行政の担当者のもとへ向かう。けど、ただ身体障害者手帳の申請をしただけなのに、絶対に貰えるのが前提で担当者が事を進めていく。「このサービスも受けますよね?そしたら、こちらに記入してください。」と言われ、疑問に思いながら、話を聞いていた。主治医からは、地域によって申請が通るか正直わからないと言われていたので、この貰えるのが前提での対応は驚いた。おそらく、私のような線維筋痛症みたいな申請が通るか通らないかわからない病気を窓口業務に想定されてないのだろう。行政の担当者は悪くない。けど、なんだか無駄に話を聞いている気がしてならなかった。まだ手帳がもらえるかなんてわからないのに、貰えるのが当たり前のように次から次へと書類を書かされる。これが、現実なんだろうな…と色々と考えさせられた対応だった。

その一ヶ月後。身体障害者手帳を受け取りに来てくださいとの通知が来た。すごく嬉しいのと同時に安心した。これで、いつも私の介護をしてくれる母の負担も、少しは楽になる。ああ、あの窓口での話を聞いて、無駄ではなかったのかな。そんなことさえも考えたりするくらい、嬉しくてふわふわしていた。


3.手帳を貰えて一安心ではなかった…手帳取得その後

けれど、問題が発生した。そう、窓口で受け取った手帳の等級が、予想と違かったのだ。主治医と指定医が当初から貰えるだろうと言われていた身体障害者手帳の等級が貰えず、また再度やり直しをしなきゃいけないことになってしまった。またもう一度、同じ作業をしなきゃいけないと思うと、公的な手続きは、ほんとうに面倒で仕方がない。でも、いまの等級では受けられないサービスがあるし、窓口で聞いた話の半分もいまの等級では利用できないので、またやり直しするしかない。

だが、身体障害者手帳を貰えただけでも、かなり生活が楽になるのでありがたい。まだまだやらなきゃいけない公的な手続きが山ほどあるが、線維筋痛症で身体障害者手帳を貰えたよと報告したかったのだ。

指定医のもとへ行った頃よりも、症状は悪化し、寝たきり状態でなかなか動けず、食事もひとりでとるのが難しくなってきた。また、痛み止めの量も増え、休む時間も増え、自由に活動できる時間が減ってしまった。つらいけど、仕方がない。現実というものは上手くいかないものだ。だからこそ、私と同じような病気(線維筋痛症や慢性疲労症候群など)の人が、身体障害者手帳などを取得して、公的なサービスをガンガン利用し、少しでも暮らしが楽になればいいなと願っている。

書くことが趣味の私だからこそ、これからもできることを少しずつしたい。そう思って、今日もこうして書いて生きている。




・のしりこのサイトでも、病気について書いています。


・私の線維筋痛症の話はこちらの記事でも触れております

・アセクシャルって知っていますか?よかったら、読んでみてください。


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